FGOってデータが引き継げないときっとこんな感じ 作:ピリの唄
「バーサーカーには簡単に勝てると思うわ。単純に考えてもサーヴァントが六基いるから。アーチャーはどう思う?」
「そうだな、魔力が充分なセイバーがいるのだからセイバーだけでもいけないことはないだろう」
別の世界でのことではあるが、アーチャーはバーサーカーを六回殺したことがある。
セイバーも「約束された勝利の剣(エクスカリバー)」を万全に使える以上問題ないだろう。
「セイバーだけでも?」
立香の知るセイバーの宝具ではヘラクレスを十二回も殺すことは出来ない。
それは真の力という物なのか。何故それを人理修復の時に使ってくれなかったのだ。
恋愛感情がなかったからか。
「ああ。複数回、聖剣を解放すれば倒しきれるはずだ。勿論、彼女は大聖杯からの魔力を充分に使えるだろうから消滅の危険性も無い。そうだろう、セイバー」
「ええ、あなたの言う通りだ、アーチャー。私は今、大聖杯の魔力で活動しています。なのでアーチャーが言った通りの戦法も使えるでしょう」
聖杯で強化されていたということか。
それとも聖剣に魔力を上限以上に注ぎ込めるということか。
立香の魔力でも膨大な威力を放つ聖剣の魔力過剰。
確信できる。強い。
「そっか。なら大丈夫そうだね」
エミヤとアルトリアの二人ともが勝てると言うのだったら問題ない。
この二人の実力を知っているからこそ信用できる。
「でも念のために他のサーヴァントも一緒に戦うからね?」
信用はできるがあのヘラクレスが相手なのだ。立香はトラウマの相手だからこそしっかりと警戒していた。
「そうね。絶対に城まで行かないといけないのは私とサクラ、そしてオルガマリー位かしら」
「ならば、私とアヴェンジャーでその護衛に付きましょう。アンリはバーサーカー相手に何も出来ませんから」
「事実だとしても酷いぜマスター」
アヴェンジャーを抜いても残りのサーヴァントはマシュを含めて五基。
マスターが三人という充分過ぎるほどの戦力だった。
「でもバーサーカーを相手にする以上、気を抜くのはやめておいた方がいいわよ」
イリヤは忠告する。
「だってバーサーカーは最強なんだから」
自らが信頼するサーヴァントの実力を知っているからこそ。
***
「ちょ、待っ、助けて子ジカ!!ドラゴンミンチになっちゃううぅぅ」
エリちゃんがバーサーカーの持つ剣を槍で防ぐ。
筋力の高いエリちゃんですら潰れそうな威力で振り下ろされる剣を耐え続ける。
ヘラクレスを相手にするのにサーヴァント数名でも戦力が多すぎるということはなかったんだ!!
なにが戦力が充分だ!
そして誰だ、セイバーだけでもいけないことはないとか言ったのは!
どうして第三特異点のトラウマということを忘れてその楽観的考えを信用したんだ!!
立香は口に出さなかったが後悔していた。
豪快にして精密な剣技を本能で振るうその姿に本当に理性を無くしているのか疑問を覚える。
**
最初のアルトリアの宝具が直撃し、何回分かはわからないがヘラクレスを殺すことは成功した。
問題が起こったのはその後である。
復活した後のバーサーカーの動きが速かったのだ。
聖剣の二度目の解放の為に再び魔力を束ねるアルトリア。
それを狙って巨体に似合わぬ俊敏さをもって振り下ろされる剣をマシュがギリギリのところで盾で防ぐ。
「■■■■■!!」
「!?」
「マシュ!?」
しかし防いだ直後で硬直するマシュを盾ごと蹴り飛ばすヘラクレス。
その動きはよく鈍重と言われるバーサーカーとはまったくの別物。
セイバーが魔力を貯めたとしても回避される可能性も出てきた。
「これ、ヤバイ」
最初の宝具が当たったことでさえ奇跡としか思えない。
出てこないしいつの間にか倒れていた魔神柱など前座にすらならない。
この場にいる全サーヴァントでも倒せるかどうかわからない。
「■■■■■■!!!」
本当の恐怖が、強敵がそこにいた。
この作品のヘラクレスはアニメUBWのバーサーカーの性能を基準にしています。
そう言えば8月にプリヤが映画化とコマーシャルで見ました。
見に行かなければ!
でも多分だけどタイミング合わせてプリヤイベが復刻するんでしょうねー、ピックアップガチャも。
石を貯めねば!
だが今はエミヤが出やすくなっている。
ガチャらねば!
でもお金が足りぬ!!
・・・・・・書けば本当に出るんですよね?都市伝説じゃないよね?