FGOってデータが引き継げないときっとこんな感じ 作:ピリの唄
SNでもええよね?
彼はただ待っていた。
自らが守るべきマスターのことを待っていた。
泥により狂化が更に上がってマスターのことを認識できなくなっていてもこの城を守っていればマスターは自分を倒せる者を連れて来るだろうと。
城の中に向かっていたナニかが居た。
叩き潰した。
立ち向かって来るナニかが居た。
叩き潰した。
一途な愛のために立ち向かって来るナニかが居た。
叩き潰した。
「■■■■■■!!」
空気中に漂う魔力により、は充分。マスターの少女が言っていた最強。その怪物はそれを貫くだけ。
城に向かう者を、攻撃を仕掛けてくるモノを叩き潰す。
バーサーカーは、その場から離れない。
ただ、森の前で佇んでいる。
***
「バーサーカーはセイバーと違って手加減なんてしないわ」
いつまでも大空洞の中にいる訳にもいかず、カルデア一行(所長は立香の肩に担がれている)は冬木勢の案内で彼らの拠点、衛宮家へと向かう。
ソコに移動している時にイリヤの口から追加情報がきたのだ。
「そっか、やっぱり手加減してたんだ」
納得する立香。
立香の知るアルトリアの実力は、エミヤリリィ(立香の援護有り)に敗れるモノではなかった。
それにあの砂糖を吐きそうなほど甘い空気を出していた二人が全力で殺し合うことができるだろうか。いや、できない。
「ですが、シロウが強くなっていたことは事実です。想定していた以上にシロウは強かった」
「いや、俺の力じゃない。あの時、俺には出来ないような動きが出来たんだ」
それは確実に立香の援護だ。
どのサーヴァントにも効果のあるスキルは未熟なエミヤリリィの感覚に違和感を与えることなく強化することが出来たのだ。
ジト目で見てくる他の人たち。
気付いていないのはエミヤリリィとゾォルケンリリィというリリィコンビだけだ。
「そこの未熟者はどうでもいいが、バーサーカーの状況はどうなんだ、イリヤスフィール。まさかわからないとは言うまい」
「場所は森の前よ、セラとリズが見張っているわ」
セラとリズ?
まだ生存者がいたのか。良かったことだけど。
「後は宝具の回復なんだけど」
「確か3日に1回分回復するんだったけ?」
「お兄ちゃん惜しい!3日で6回よ?」
絶望しかない。
1日2回分じゃないですか。時間で考えると12時間で1回甦る。
これは絶対に短期で決めないといけない。
前回の人理修復でも例外はあるが、基本長期的に1騎のサーヴァントと戦うことはなかった。
だからそこまで問題はないのだが、12時間に1回と考えると絶望度が高い。
「アーチャー、行けるわね?」
「今回は前衛の魔力がしっかりしているから問題はないだろう。相手がバーサーカーといえど負ける要素がないな」
「悪かったな、どうせ俺は未熟者だよ。セイバーは大丈夫なのか?」
「今は空気中に満ちている魔力が多いため問題ありません。強いて言うならなのですが・・・・・・その、」
「わかってるよ、セイバー。一度戻ったら皆で食事にしよう」
「おーおー、魔力が足りてても腹ペコってか・・・・・・うぉっ!?」
「キャスター、死にたくなければ余計な口を出さないことだ」
問答無用といった感じでキャスターに見えない剣を振るセイバー。
「あら、士郎が作るの?なら私は待ってようかな」
「先輩、私はお手伝いします!」
「料理も所詮は未熟者だと思うがな」
「む、なら勝負するかアーチャー」
「良いだろう。調理実習三年間無敗記録。世界に旅立ってからは世界中の一流ホテルのシェフとメル友になること百余名。貴様に真の食の頂というものを見せてやろう!――――ついて来れるか」
「そんなことは関係ない!――――ついて来れるか、じゃねえ。てめえの方こそ、ついてきやがれ――――!」
「何やってるのよ・・・・・・」
「本当にね・・・・・・」
ツッコミをいれる凛と同意する立香。
エミヤの過去に何かしらあったのは知っていたが実は結構楽しんでいたのじゃないだろうか。
一流シェフとメル友百余名。
絶対に料理が趣味だった。
というかリリィもムキになりすぎである。
特異点SN 炎上汚染都市冬木
こんな感じかな
そして前回のあとがきに書いていた予定より増えそうです。
原因はお前たちだぞ、エミヤズ