FGOってデータが引き継げないときっとこんな感じ 作:ピリの唄
たとえ、セイバーが消えていなくても。
「色々と台無しではないですか!シロウ!!」
「ごめんってセイバー」
セイバーオルタがノーマルセイバーになった。
しかも立香の知っているアルトリアよりも纏っている雰囲気が柔らかい。
立香の知っているアルトリア(セイバー)は騎士らしく、まとめ役で腹ペコだった。しっかりとしていて、お腹を空かせていた。
それに比べて今のセイバーはどうだろうか。
リリィとの間に女の子らしく、初々しいラブ臭が漂っている。
カルデアに来てからまともな恋愛経験がない立香にはとても羨ましい。
なにせ、立香の周りには種類は多数あるものの百合しかなかった。
カルデアに来てからは、初々しい百合から毒々しい百合まであってもまともな恋愛はなかった。いったい、青春は何処に行った!
例えばマシュ。カルデアの外を知らなかった純粋な少女。
外を見せてくれる人になつくのは当たり前だろう。先輩としてしっかりしないといけない。
例えば清姫。女性でありながら女性である立香に夜這いをするサーヴァント1号。
立香=安珍様じゃない。だからストーカー行為は止めよう。バーサーカーだから許されるとかないから。
例えば源頼光。夜這いをするサーヴァント2号。
18歳になって親と一緒に眠る人はほとんどいません。だから布団に入り込んで待ち伏せないで。
ヤンデレバーサーカーは恐い。
例えば静謐のハサンちゃん。布団に潜り込んでくるサーヴァント3号。
毒が効かない相手に依存する可哀想で可愛らしい少女。でもその執念でマグマすらも泳ぐのは止めて。恐い。
手を(性的な意味で)出して来ないので一番マシかもしれない。
例えばクロエ・フォン・アインツベルン。魔力供給を理由に濃厚なキスは止めよう。凄すぎて変な声が聞こえてきたから。
『男の人は男の人同士で、女の子は女の子同士で恋愛すべきだと思うの』。
私はまだそっちの道には入らない!入りたくない!!
「思い出すのは止めよう」
噂をすれば影、ということわざもある。召喚してなくても三名程カルデアに執念でやって来そうだから考えない。
ダメな道が開きそうだから考えたくない。
その時、この場に不似合いなパチパチと拍手の音が聞こえてきた。
「マシュ、警戒!!」
「は、はい先輩!」
その場にいたほとんど(セイバーだけは警戒していなかった)が拍手が聞こえてきた方向、大聖杯の方を向いて警戒する。
そこには
「スゲー、まさかあのセイバーに勝つとは。マスターやオレもボロボロにされたってのに」
無邪気に手を叩く、刺青の少年がいた。
レフ教授が出てこない理由はわからないが、この見知らぬ相手に警戒を解く気にはなれない。
「アンリ、紛らわしいことは止めなさい。危うく敵と間違えて殴り飛ばすところでした」
「マジで?」
冷や汗を浮かべるアンリ。
・・・・・・どうやら魔神柱とは関係無さそうだった。
「ところでバゼット。こいつはどうする?聖杯に突っ込めば皆ラッキーで終わると思うぜ?」
「別に私はそれで構いません。大した問題にはならないでしょう」
「いや、なるでしょ!!」
完全に死体にしか見えない状態の(足先から既に消えかけている)レフを片手で吊し上げるアンリ。
隣に移動し、大した問題にならないと言いきる封印指定執行者。
そしてツッコミを入れるあかいあくま。
場が混沌としてきた。
「レフぅううう!?」
所長の今だかつて聞いたことの無いような叫び声が洞窟内を響き渡る。
「本当かい?ってエエエ!?大丈夫なのかレフ!!」
管制室から見ていたロマニもパニクる。
一旦落ち着こうよ、カルデア上層部。
百合ー百合ー
そうだ、以前のカルデアに塔を立てよう
頼光さんは持ってませんでした。でもハロウィンイベントで事実が発覚してたし良いよね?