FGOってデータが引き継げないときっとこんな感じ 作:ピリの唄
エリちゃんスペシャルライブの後に全く音のしなくなった洞窟を進む。
だが元気があるのは思う存分歌ったエリちゃんと最後の歌に元気を貰った立香だけである。
「・・・・・・あの作戦は確かに有効だ。閉鎖的な空間だからこそ特にな」
「ああ、嬢ちゃんのあれはセイバーにも効いてるだろうな」
げっそりとしたアーチャーの言葉に同意するキャスター。
「ええ、そうでしょうね!いきなりの宝具だもの!!あれで効いてないとかそれはバーサーカーでも有り得ないわよ、コンチクショウ!!」
「リン?少しでも落ち着きなさい」
遠坂家の家訓、如何なる時も優雅に。
そんなものを破り捨て、怒りでやさぐれる凛とそれをいさめるイリヤ。
「爺さんがタバコすってたなー。白い髪の長い人と小さな女の子と一緒だった」
「先輩?大丈夫ですか?戻って来て下さい!」
未だに現実に戻って来てないリリィ。そして青い顔のまま心配する桜。
「カルデアに戻ったら絶対にあなたも同じ目にあわせるわ・・・・・・」
「あ、あはははは。無事で良かったよ。うん、本当に」
とても物騒な恨み言を呟く所長と苦笑いを浮かべるロマニ。
元気がある者は本当に居なかった。
**
「そういえば、どうやってセイバーを引き込むの?」
他のことを考える余裕のある立香の言葉でイリヤの視線がリリィに向かう。
「・・・・・・シロウが再契約をしないといけないんだけど」
その視線の先にいるリリィは何かを思い出していた。
「なあイリヤ?」
「どうしたのお兄ちゃん?」
「衛宮君?契約の言葉がわからないとか言わないわよね?」
威圧感のある笑みを浮かべる凛。沸点が限りなく低くなっていた。
「いや、そのさ?さっき道場で藤ねえやイリヤと会った気がしてさ」
「えっ?」
何故か冷や汗を浮かべるイリヤ。
「なんか歌う前に止めろとか、弟子1号とか」
「気のせいじゃない?」
「どうせ夢の中でしょ、士郎」
「気絶してたしそうよ!忘れた方がいいわ!!」
会話がおかしな方向に進んでいる。
「えーっと?あの~どうするの?」
本当にセイバーをどうするのだろう。
黒くなった状態から青に戻すのだろうか?そんな方法は知らない。
そもそもサーヴァントが変化することは基本的に無い。例外はアサシンのジキルだけ。
つまり再契約しか方法がない。
「セイバーの頭にアホ毛を戻す!!」
「「「は?」」」
いや、確かに青いセイバーにはアホ毛が生えてるけれども。
この冬木に居なかったカルデアの人間には意味がわからなかった。
記憶を持っていた立香も知らなかった。
そもそもセイバーというかアルトリアは種類が多かった。変化することはなかった(アーチャーになったときは別、スカサハお姉さんの改造は何かが違う)。
セイバーとオルタの違いはアホ毛だったのか。
知りたくなかった新事実だった。
「ようやく来たか、カルデアの、人類最後のマスター。そしてシロウ」
声が聞こえた方向を見ると剣を地面に突き刺し、こちらを睨む威厳であるセイバーオルタの姿があった。
彼女の後ろには倒れている全身に刺青を施された少年。そして起き上がろうとしている男物のスーツ姿の女性がいた。
本来ならばランサーからの攻撃はダメージが少なくなるセイバーだが長時間の宝具によりダメージは大きいはずだ。
それでも彼女は威厳を崩すことはなかった。
だが正直、リリィの言葉による衝撃的な事実のせいでそこまで驚異に受け取れなかった。
アホ毛で降臨するオルタと聞いて恐怖を感じるほど立香の心は柔ではなかった。
悔しければエリちゃん(セイバー、ランサー、キャスター、バーサーカー)とネロちゃん(ノーマル、ブライド、ヴィーナス)を連れてこい。
彼女たちのスペシャルライブの特等席チケットを持ってこい。
揃えられたら全力で謝罪するから。
セイバーが倒したのではないです
そして威厳があるだけで傷などは治って無いです
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来なさい!!アヴェンジャー!!!
私は貴方を待っているのです!!