FGOってデータが引き継げないときっとこんな感じ 作:ピリの唄
なら洞窟内は、声が反響する。
後は・・・・・・
この行動はきっと皆を裏切っていることになるだろう。
真面目に戦っているだろうサーヴァントとそのマスターに対しても。
でも気付いたら、思い浮かんだからやろうと思った。
きっとそれが一番被害者が少なくなると思ったから。
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大聖杯へと続く洞窟を目の前にし、立香たちはシュールな光景を再確認していた。
「やっぱりバーガーを運んでますよね・・・・・・」
「あれってやっぱりセイバーによね?スケルトンにバーガーを運ばせるほどの腹ペコなんてレディ失格よ!」
「イリヤ、レディは関係ないと思うぞ?」
「でも、わざわざスケルトンにバーガーを持ってこさせてるってことは、ここにいるのは間違いないわけね」
遠坂の言葉でセイバーがここにいることの確認が出来た。
「皆、ちょっとだけ下がって。後エミヤ、例のあれを皆に渡して」
「立香、どうした?例のあれとは・・・・・・まさか!?」
使うのは心苦しい。折角使えるようになったというマシュが宝具を使う機会を無くすのもエミヤにもマシュにも悪いことだと思う。
だけど立香も成長しないといけない。トラウマは克服するべきものだ。
「ねえ、エリちゃん」
そう、ここで切り札を投入するって決めたんだ!!
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見えない剣と奇形の短剣がぶつかり合う。その剣戟の音が洞窟内を反響している。
たまに硬化のルーンによって強化された拳と見えない剣とがぶつかり合う。
「やはり厄介だな、メイガス。だが、宝具を使わずとも貴様らを殺すことに問題はない」
「さーて、どうするよマスター?アイツ色々と知っているみたいだぜ?」
「大した問題はありません。アヴェンジャー、あなたもする事は変わりません」
未だに誰も宝具を使わずに純粋な技術だけで戦っているものの、セイバーの方がやや有利な状況だった。
ここまでは。
「!!?」
セイバーの直感がここにいることに危険を感じた。この場所にある唯一の出入口の方から感じたために逃げ道はない。
しかしその危険を防ぐために宝具を使うことは出来ない。
鞘を持っていないために盾として使うものもない。
「ヤバイ、逃げ道すらねえぞ!マスター!!防御のルーンだ!!」
アヴェンジャーも気付いたのか直ぐにマスターに防御の指示を出す。
そしてそのルーンが発動したと同時に、綺麗な歌声が聞こえてきた。
洞窟内を反響し、通常よりもよく響くその歌は、霊基や身体に響き渡り・・・・・・
戦闘していた三名と戦闘に巻き込まれないように大聖杯の確認をしていた人の皮を被ったモノを蹂躙していった。
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「ここは声が反響するからドーム前の練習ができるよ!カラオケみたいなものだけどエリちゃんはカラオケに行けないでしょ?ここなら好きなだけ歌っていいよ!!」
「本当ね子ジカ!!ここなら好きなだけ歌っても良いのね!?」
「だめです!待って下さい先輩!!」
「そうよ、藤丸!早まるのはやめなさい!!命令よ!!」
「そうだ、立香ちゃん!カルデアの通信を切るまで待ってくれ!」
「ズルいわ、ロマン!!」
「待て立香!早まるな!投影、開始(トレース・オン)!何をボサッとしている未熟者!さっさとこれを人数分投影しろ!!」
「アーチャー?どうしたのよそんなに焦って」
「説明している暇はないんだ、凛。一先ずこれを付けてくれ」
「耳栓の投影?どうしたんだよアーチャー。説明しないとわからないぞ」
「死にたいのなら別に構わん。だが、私は愚か者のために投影はしない。イリヤスフィール、間桐桜もこれをしっかりと耳につけたまえ」
「おい、アーチャー。俺にもそれを」
「キャスター、貴様は聞こえない範囲まで動けるだろうが!」
「とんでもなくキャラが壊れてるわよ、アーチャー?」
まぁ、その気持ちはわかる。覚悟を決めた立香も逃げたくなっているのだから。
だが、逃げない。耳栓もつけない。
歌うように言ったのは立香なのだから。
「さあ、いくわよ!『鮮血魔嬢=バートリ・エルジェーベト=』!!スペシャルライブよ!!」
さあ、全てを台無しにしよう。
連日投稿そろそろ終わるかな?
後、シリアス予定と言いましたよね?
ほら、予定は未定だから。
でも戦闘は始まった。