FGOってデータが引き継げないときっとこんな感じ 作:ピリの唄
絶対にやりません。というか書けません。
プリヤ映画見てやる気が出て、再びUBW見て感想欄で言われたことを思い出して。
勢いで書いた。
そして何よりも、ギャグじゃない。
シリアスです。
・・・・・・本編を期待された方は本当に申し訳ありません
「驚かないで聞いて欲しい、立香ちゃん。再び冬木でおかしな反応が観測された」
「また?」
カルデアの観測室に呼び出された立香とマシュ。
Dr. ロマンは神妙な顔をしながら頷く。
「ああ、しかも君たちがコフィンに入らずにレイシフトした最初の特異点と全く同じ位置、同じ時代にだ」
「ええっ!?」
時代が同じということが理解できない。
まだ時期は早いけど、前回の特異点の冬木の10年前が特異点になるのは解る、というか知っている。
どうせまた立香の知らないことが起こるのだろうけれども。
「そして今回はマシュと立香ちゃんの二人だけで行って貰いたいんだ。ここまで転移した彼らでも、同じ人が一緒にいるというのはいくら特異点でも出来ないだろうからね」
例え知らない特異点だったとしても本来なら全ての知識無しで挑んでいたのだ。
うん。大丈夫だ、問題ない。
・・・・・・一番良いコフィンで頼む。
「わかったよ、ロマン。頑張ろうマシュ!!」
「ハイ!行きましょう先輩!!」
そして二人だけのレイシフトが、本来なら存在しない聖杯探索が始まる。
**
「そうだ、誰かを助けたいという願いが綺麗だったから憧れた!」
過去に自らの参加したはずの聖杯戦争。
サーヴァントとして呼ばれたそこには、未だに借り物の理想を掲げる少年がいた。
「故に、自身からこぼれおちた気持ちなどない。これを偽善と言わずなんという!」
人の為にならなければならない。
生き残ってしまったのだから、生きられなかった人たちの分まで。
そう思い込んでいる少年がいた。
「この身は誰かの為にならなければならないと、強迫観念につき動かされてきた。それが苦痛だと思う事も、破綻していると気付く間もなく、ただ走り続けた!」
壊れた機械のように、理想のために周りの全てを捨てて走る少年がいた。
「だが所詮は偽物だ。そんな偽善では何も救えない。否、もとより、何を救うべきかも定まらない───!」
最初は周りの人たちを守りたかっただけだった。
1を救うことができたら次は10、10の次は100、100の次は・・・・・・
そうして救うために、自ら大切に思っていたはずの周りを切り捨てた。
そうして少年はその父が行っていたモノと同じ正義を体現した。
「見ろ!その結果がこれだ!始めから救う術を知らず、救う者を持たず、醜悪な正義の体現者がお前のなれの果てと知れ!」
この自分が消えれば多くの人を殺す事も無くなる。
だがこの行動はきっと悪だ。
人理を揺るがしているのだから。
目の前に過去の自分以外にもカルデアと呼ばれる人理修復機構の少女たちがいる以上、それは確実だろう。
だがそれでも
「───その理想は破綻している。自分より他人が大切だという考え。誰もが幸福であってほしい願いなど空想のおとぎ話だ」
それでもこれから理想のために大勢の人を殺すことになるくらいなら。
「そんな夢を抱いてしか生きられぬのであれば、抱いたまま溺死しろ」
**
絶対に否定させない。
立香の知るエミヤは既にこの事を乗り越えている。
だからカルデアでも嫌味を言っていても衛宮士郎に注意したりするのだろう。
だが、目の前で起こっていることを見過ごすことは出来ない。
人理のためだけが理由じゃない。
「絶対に止めるよマシュ!!」
「はい!覚悟して下さい、エミヤ先輩!!」
マシュに宝具の使い方を教えてくれた英霊。
前回も合わせてカルデアを助けてくれる優しき兄貴分。
「後悔なんてさせない!!」
「真名、偽装登録。行けます」
出来れば、彼の傷が癒えて欲しい。
「顕現せよ、『ローーード・(仮想宝具 疑似展開』」
それに何よりも、彼に誰も傷つけさせない!!
「『カルデアス(人理の礎)』!!」
きっと後悔なんてしないと言っていても、優しい彼はきっと傷つく。
新たな傷を造っていくだろう。
「さあ、昔の俺の間違いを」
「さあ、彼の後悔と自殺を」
「夢を諦めて否定する未来を」
「「「終わらせに行こう」」」
**
理想を成し、そして絶望した青年は
正義を、過去の自分を自らの手で否定する
Fate / Unlimited Blade Order
異種特異点
理想否定結界 冬木
実装予定、無し。
って感じです。
もう一度言います。これは嘘予告です。
さーて、第一特異点を進めよう。