FGOってデータが引き継げないときっとこんな感じ 作:ピリの唄
「・・・・・・・もきゅ。・・・・・・最初に来るのはカルデアかもしくはシロウたちだと思っていたが・・・・・・」
大聖杯を背に黒くなったセイバーがソコにいた。
「貴様たちの方が速かったようだな、魔術師(メイガス)。そしてアヴェンジャー」
「・・・・・・なあバゼット。アイツ何か食べてたよな?」
「気を引き締めなさい、アヴェンジャー!あなたの言葉で殺気が膨れ上がりました!!」
「つまり図星じゃねえか!!」
セイバーの手元には何かを包んでいただろう紙が丸めて握られていた。
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「シロウがセイバーを取り戻したいなら時間制限があるわ」
特訓が終わり、マシュとエミヤも作戦会議に混ざった状況でイリヤが告げた。
「人理焼却までの時間じゃないんだよね?」
取り戻すも何も無い。皆が焼け死ぬ。
だが、焼却されるまでは一年の猶予期間がある。だが、冬木で一年も使えば他の特異点を修正出来ずに人類は滅ぶ。出来る限り素早く解決しなければならない。
「もっと簡単なことよ。セイバーが死ぬからよ」
「待てよ、イリヤ。セイバーに勝てる奴なんていないんじゃないか?バーサーカーも黒くなった訳だし」
「衛宮君、信じられないかもしれないけど残念ながらそれがいるのよ。真正面からサーヴァントを殺せるようなバサカ女が」
立香の知っているセイバーを倒せる戦力はサーヴァントの中でもトップレベルのサーヴァントだけだ。
話を聞いていた感じだと倒すのはサーヴァントではなく、マスター。
役割分担が逆じゃないだろうか。
「良いよね~そいつは。セイバーを確実に倒せるレベルのサーヴァントを引き当てたんだろう?ランサーなんかじゃなくて僕がそいつを引き当ててたら良かったのにさ!そんだけ強いサーヴァントがいるならそいつに任せたら?僕らが待ってても解決するんだろう?」
「あら残念ね、間桐君。強いのはマスターの方よ?」
「そうね、リンの言うとおりよ。もしもあのサーヴァントをサクラが引き当てたら始まった瞬間に脱落していたわね」
「えっと・・・・・・自称最弱英霊さんですよ?兄さん」
「自称最弱系の英霊・・・・・・もしかして作家系のサーヴァント?」
立香の知る最弱英霊。それが作家系キャスターだ。
自分の力で戦おうとしない。もしかしたら(自称)一般人のマスターである立香でも勝てそうなサーヴァントだ。
「違うわよリツカ。でも聖杯戦争で多分二番目に多く死んでいるサーヴァントよ」
「その、最弱なのに一番死んでいるじゃないの?」
一番死んでいるサーヴァントの方が最弱と言えるのではないだろうか?
「一番は・・・・・・その、ね?」
イリヤは言いにくそうに目を明後日の方向にそらす。
型月の名言に入るほど死んでいるから仕方がない。そう、強いのに扱いがひどいだけである。
「立香、聞かないでやってくれ。確かに死んではいるが最弱というものでは決してない筈だ。なあ、キャスター?」
「あん?ケンカを売ってるなら買うぞ、弓兵」
「ほう?誰とは一切口に出してはないが、思い当たることでもあったのかねキャスター?正確に君ではないんだが」
何となく誰が一番死んだかはわかった。確かに最弱ではない。運が悪いだけな気がする。
もしも彼が最弱なら最初の特異点で生き残れなかった。
彼が最弱ならアメリカで立香たちは死にかけなかった。
「とにかく、移動しながら聞きましょう?イリヤ、時間はないんでしょう?」
「ええそうね。セイバーが宝具を使う前にたどり着きましょう」
そうしてようやく彼らは向かうことになる。
この特異点の中心部。大聖杯が眠る場所へ。
道中、某有名ハンバーガー店Mから何かを抱えて大聖杯の方向へ移動していったスケルトン数名は見なかったことにしたい。
誰の指示とか考えたくない。
というか指示に従うのか、あれ。
もっきゅもっきゅ。
そろそろ戦闘開始かな?
しかも真剣な。
次回か、それ以降にシリアスになるかもしれません
ただし、予定は未定