FGOってデータが引き継げないときっとこんな感じ   作:ピリの唄

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いや、どうしよう。


裏で動いているものをどうする?

I have created over a thousand blades.

幾たびの戦場を越えて不敗

 

**

 

 

地下室に元マスターと未熟者を閉じ込めたアーチャーにその少女は話し掛けた。

 

「わたしがシロウのことを見ておいてあげるわよ?」

「イリヤスフィールか。何故かね?」

「アーチャー、私はシロウのお姉ちゃんよ?なら、弟を守らなくっちゃ」

 

アーチャーに向けて笑顔で告げるイリヤスフィール。

そこにはアーチャーの事を気遣う色が見えていた。

 

「イリヤスフィール、君は・・・・・・」

「リンとパスを切ったなら急いだ方がいいと思うわよ。リンもシロウも目が覚めたら動くから。抑えてはおくけど」

 

アーチャーが言葉を言う前にイリヤは部屋へと戻っていった。

その言葉と態度を信じ、特異点の原因を調べる為に移動する。

パスを切ったが魔力の問題はない。パスを切ったのは彼女達を巻き込まないようにするため。

修復のために来るカルデアと聖杯戦争のマスターは立場が違う。

余計な争いを産まないようにするべきだろう。

単独行動スキルに加え、街が燃えて特異点になった時点でこの世界に魔力が満ちているため行動することに何の問題もない。

パスも切れてマスター側から場所がばれることもない。

アーチャーは双剣を投影してその場から離れていった。

 

**

 

突然燃えた街に消えていった人々。生きているかどうかもわからない。

何人かは黒く染まったランサーに石にされていた。

それでも誰かを殺すことなく助けることの出来た人がいる。

 

「調べるならまずはセイバーか」

 

街が燃えた後に最初に聖杯戦争を再開した彼女は何かを知っていた。

それこそ"聖杯探索(グランドオーダー)"という言葉を使うほど核心に近い場所にいたのだろう。

 

「キャスターは何も知らなかったな。ええい、役に立たん」

 

キャスターの事を愚痴り、ふとこの世界に異物が入った感覚を覚える。

レイシフトをしたときの感覚と守護者を経験していたからこそアーチャーは気付くことが出来た。

他のサーヴァントなら余程の直感があるか、千里眼を持っていない限り気付くことはないだろう。

 

「来たのか、カルデアのマスター」

 

その声は懐かしさと期待に満ちていた。

 

***

 

「安心しなさい、サクラ。リンもシロウも戻って来るわ」

「イリヤさん・・・・・・」

 

衛宮士郎と遠坂凛がいなくなった部屋で白と黒の聖杯少女達は話す。

 

「でも先輩はセイバーさんのことを・・・・・・」

「リンが一緒だから大丈夫よ。アーチャーを連れ戻したら絶対にここに戻って来るわ。シロウも引っ張ってね」

 

確信を持ってそう言う少女。

 

「リンだってわかっている筈だもの。アーチャーを連れ戻しても戦力は足りてないって」

「でも、セイバーさんが!」

「セイバーは大聖杯から動かない。だから戻って来るのよ」

 

サクラは脳内でセイバーが大聖杯から送られる魔力を使って聖剣を解放しまくる姿を想像する。

 

「確かに戻ってきますね」

 

サクラの想像でも相手にするには火力が足りていなかった。

 

「リンが戻ってきたら色々と話しましょう?これからどうするかもね」

「そうですね」

 

核心に近い場所にいる少女達は話を止める。

 

「・・・・・・セイバーを倒してもこの世界は修復されないしね」

 

イリヤの呟きは誰に聞かれることもなく消えていった。

 

 

その頃柳洞寺では、

 

「そこをどきなさいよ、士郎!!」

「待て、遠坂!!そんだけ魔力を込めたガンドをその娘に撃つ気か!?洒落になってないぞ!」

「下がって下さい、先輩!あれは危険です!」

「なんで私に指先が向けられてるの!?エミヤじゃないの!?」

「待ちたまえ、立香!今この状況で私に振るな!」

「何であんたもこの娘の名前を知ってるのよ!!」

 

修羅場悪化中。




特異点Fの謎について考えてみたらこうなった。
そう、書けてしまった。

謎ということは独自解釈をしてもいいのよね?

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