問題児たちと一緒にただのオッサンも来るそうですよ? 作:ちゃるもん
先週は投稿できず申し訳ない……
にゃんこは急激に悪くなって、急激に良くなりました。今はゆっくり肺に入った水を抜きつつ、お薬飲んでます。
また、同じような状況になりましたら、投稿を休ませていただきますのでその際はご了承ください。できるだけ早く報告はしますので……。
でばどうぞ〜
「いつの間にこの門が〝ノーネーム〟の管理下になってたんだろ……。一時期野菜育てるのに必死だったからなぁ。みんな頑張ってるんだなぁ」
「十六夜くんが〝アンダーウッド〟に来る前に白夜王と色々しとったみたいやで?」
境界門。この箱庭を行き来する為の乗り物のようなもの。左には七大妖王こと蛟劉。反対側には足場に水を貼らせ強引に陸上を歩いている、蛟魔王の愛馬のヒッポカンプ。そして、中央には冴えないおっさん義仁。なんともアンバランスな二人と一頭が、大人しく境界門を通過する為順番を待っていた。
「さ、もうすぐ〝煌焔の都〟や。準備はええか?」
「今度は無事帰ることが出来ますように」
「笑えん冗談はやめてーな……」
義仁はアハハと軽く笑ってみせるも、内心冗談なんかではない。箱庭に来てからというもの初めて訪れる場所では何かしらの災難に巻き込まれているのだ。冗談でこんな事を言えるはずもない。
「まあ、今回は僕ができるだけそばに居るようにするから。多少は安心してええんやない? この馬鹿も義仁はんに付けとくし――アイタッ!」
蛟劉の横腹にするどい蹴りが入る。ヒッポカンプが馬鹿と呼ばれた事に反応したのだろう。そして、蛟劉との口喧嘩が始まる。周りに迷惑だからと落ち着くように宥め、義仁を挟み睨み合いが続く中ついに義仁達の番が回ってきた。
「ほら、順番来ましたよ」
蛟劉が受け付けに何度か言葉をかけ、門が淡く光り出す。ヒッポカンプの手綱を握り、その光へと歩を進める。
箱庭五四五四五外門〝煌焔の都〟
一言で現すなら炎と硝子の街。地上から吹き上げる製鉄場の熱い風を受け、義仁は〝煌焔の都〟の台地を踏み締めた。
〝アンダーウッド〟とは真逆とさえ言える、炎の世界。
「久しぶりに来たけど、相変わらず熱いな。あの壁の外が極寒の大地とは思えんわ」
「極寒?」
「そ。この街を覆う壁を超えれば極寒の大地。防寒具を着込まんとまともに歩くことすら出来ひんよ。だけど、ここは暖かいを通り越して熱いやろ? 製鉄場がぎょうさんあるから……だけやなくてな」
蛟劉は街の中央。その天井にぶら下がる巨大なランプを指さした。
「あのランプがこの街全体を暖めてんねん。他にも数箇所にあるけど、あの中央のやつが一番デカいとちゃうんかな?」
「落ちたら危なくないですか? 辺りが火の海とかに……植物も燃えちゃったり」
「落ちたら危ないが、火の海とかにはならんと思うよ。あくまで熱を発する恩恵やから。植物とかも燃えんはず。と、世間話もこんな所で。早めに挨拶回りに行こか。十六夜くんたちとも合流しときたいし」
そう言うと蛟劉はヒッポカンプの背に跨り、義仁を引っ張りあげた。いきなり引っ張りあげられた義仁はもはや慣れたものだとヒッポカンプの手綱を握る。
「それじゃあ! おちんごとしっかり掴まっとけよ!」
「分かりましたけどお手柔らかにお願いしますね」
蛟劉がヒッポカンプの腹を蹴る。と、同時にヒッポカンプが走り出した。熱い風が頬に叩き付けられ、熱を帯びる。そして、
「結局こうなるんですねェェェェェぇぇええ!!!!」
凡そ高さ百メートルはあるだろうか。街を一望できる展望台からヒッポカンプは勢い良く飛び降りたのだった。
お読みいただきありがとうござます。
あのランプって1つだけなんですかね?
街全体となると、4つ5つぐらいはありそうなものですけど。
どうなんだろ(´・ω・`)?
そして、まだ平和……まだ平和……
蛟劉が調子に乗ってヒッポカンプに殺されてそうだけどまだ平和
では、また次回〜