問題児たちと一緒にただのオッサンも来るそうですよ?   作:ちゃるもん

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投稿です。

あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。

僕に正月休みなんてありません。
辛いです。

話を考えるのも疲れて、ぶっちゃけ何が書きたいのかよく分かりません。

では、どうぞ。


第83話 救護室

 救護室は蛟魔王とフェイス・レスの初撃に失神し溺れかけた者達が休憩していた。今年のこのレースでは溺れかけ軽い怪我をした者はいれど、特別な処置が必要な者は出ていない。

 

 救護室の中は雑談する者……、もはや救護室と呼ぶよりは雑談室、休憩室と呼んだ方が正しい部屋。その部屋の扉をぶち破り入って来た客人がいた。義仁を乗せたヒッポカンプだ。

 

 本来であれば水上を走る為の水掻きは無理矢理陸上を走ってきたせいかボロボロに傷付き、身体を壁に沿わせながら走ってきたのだろう。体の側面の皮膚が所々ずるむけていた。

 

 救護室の中に緊張が走る。唐突すぎる、本来来るはずのない水上の生き物。それが陸の上を無理矢理来たとなれば思考が停止するのも無理はないのだろう。

 しかし、それは一瞬の事。背中で浅く呼吸を繰り返す義仁を見つけすぐさま行動を始めた。

 

 既に完治した者達を会場へと戻るよう促し、部屋の中を広くする。ヒッポカンプから義仁を降ろし、義仁の容態を確認する。

 ヒッポカンプは複数人で担ぎ、川へと戻しに向かう。

 

 義仁の容態はこのゲームでは大して珍しいものではない。悪霊等が生きた人間を仲間にしようと引き込もうとした結果、体温が急激に下がり、呼吸が浅くなる。容態は人によって差異はあれど大まかに変わることは無い。

 

 そもそも、ゲーム中は予めルートを運営側が選手に妖精や悪霊の類が集まりにくいよう細工をしている。ルートを離れてもそうそう死に至るまで行くことは大変珍しい。それこそ、自殺志願者でもない限りは引きずり込まれることはない。

 

 悪霊は死の臭いが強い、活力がある者のを好んで集まってくる。活力があるものであれば特に問題は無いが、死の臭いが強い者なら状態によるが酷い場合は数十分と持たない。

 

 なら義仁はどうかと言うと、連れて行かれるまで多少の猶予は見られた。ただ、体温低下や出血等危ない状況にいた。すぐさま止血、増血剤。体を温め、悪霊が嫌がる塩、聖水等で清める。

 

 あのヒッポカンプが身を呈してここまで運んで来なければ危なかっただろう。現場の者が救護班に報告、その間に救命措置。その後救護室から救急医療器具を持った者が駆けつけ、状況により担架で移動……確実に助かるとは言えない状況だった。義仁を助けたのは間違いなくあのヒッポカンプだと言えるだろう。

 

 義仁の呼吸が安定してきたと同時に救護室全体から溜息が出た。ヒッポカンプを川へと連れていった者も戻ってきた。どうやらこの男今回のレースで最後尾から二位を勝ち取った猛者のようだ。

 

 一体どのようなルートを走ってきたのか……まずまともな道は走っていないだろう。なんにせよ、命を賭けなくて良いゲームで死にかけるのは勘弁して欲しいものだ。

 

 




お読みいただきありがとうございます。

年明け早々明るい話でしたねヾ(*´∀`*)ノキャッキャ
次回は目が覚めたおっさん&十六夜君と鬼達の会話になるかなー

では、また次回~
皆様、良いお年を~(*´ω`*)~

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