問題児たちと一緒にただのオッサンも来るそうですよ?   作:ちゃるもん

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投稿です。

卒検が迫ってくる中、存在を忘れ寝ぼけながら書きました。
つまりは自分でも何を書いたかよく覚えていない(^p^)

すまぬすまぬ……
後からちょこちょこ訂正するかもです。

では、どうぞ。


第32話 招待状

 北側での魔王の一件から一ヶ月半。十六夜達はジンに呼ばれ大広間へと集まっていた。

 

 大広間の中心に置かれた長机には上座からジン、十六夜、一つ席を開け飛鳥、耀、黒ウサギ、メイドのレティシア、年長組代表としてリリが座っている。

 

 〝ノーネーム〟では会議の際、コミュニティの席次順に上座から並ぶのが礼式である。

 

 リーダーであるジンの次席に十六夜が座っているのは、水源の確保や〝黒死斑の魔王〟での多大なる貢献から。トドメこそ、黒ウサギのギフトを借り飛鳥がさしたものの、十六夜が押しとどめていたからこそ出来たと理解しているため不満そうな顔をしながらも納得はしていた。勿論、十六夜と飛鳥の間に空いた席についても。

 

 耀にいたっては黒ウサギやレティシアより上座で良いのだろうかとカチコチに固まっていた。耀自身、ノーネームに貢献をした覚えはない。強いてあげればレティシアを奪還した際、透明化のギフトを持つ相手を倒したぐらいだ。

 

 と、耀の自己評価は低いが、そんな耀が居なければレティシアは奪還できなかった。ジンは、これは妥当な評価だと考えている。

 

 しかし、十六夜は不満げな顔を浮かべていた。何故自分が一番上ではないのか。ではなく、此処に何故義仁が居ないのか、と言うことに不満を抱いていた。

 

「なあ、御チビ。おっさんが居ねぇのはなんでだ? 家系を支えていると言う点だけで言えば、おっさんが一番だろ? ノーネームの備蓄の半分はおっさん一人で稼いできたものだ。この場の全員で稼いだ金額とほぼ同額。おっさんが呼ばれてねぇのは可笑しいと思うが?」

「十六夜さんの言うことは最もです。勿論、義仁さんにも声はかけたのですが、研究が忙しいようでして……。終わり次第参加するそうですので、それまではここにいる者だけで話を進めたいと思います。それじゃあ、リリ。報告をお願い」

「はい!」

 

 ジンは寂しげな表情をを一転させ、リリに目配せをする。

 

 リリは割烹着の裾を整えて立ち上がり、背筋を伸ばして現状報告を始めた。

 

「えっと、備蓄に関してはしばらく問題ありません。最低限の生活どころか、3分の1程コミュニティの復興に必要な資材を買ってなお生活にはかなり余裕が生まれると思います」

 

 そうだろう。その場にいた全員が心の中で呟く。

 

「全員知ってると思いますが、念の為もう一度話しておきますと、一ヶ月前に十六夜様達が戦った魔王〝黒死斑の魔王〟が、推定五桁の魔王に認定され、かつ、〝階層支配者〟に依頼されたものでもあり、規定の報酬の額が跳ね上がりました。これが現在ノーネームにある備蓄の約半分です。

 そして、備蓄の1割程度が十六夜様達のゲームでの賞金です。

 そして、残りが義仁さんの稼ぎとして、白夜叉様から譲り受けたフォレス・ガロの領地及びフォレス・ガロの持っていた資金全額となります。特殊なギフトについては白夜叉様が持っていかれましたが、お金や宝石等については全て譲っていただけました。

 農場ではディーンと新たな同士である妖精のメルンの働きもあり確実に浄化されて行っています。既に4分の1は使える状態になっています。コミュニティ内の食糧はこれだけの土地があれば賄えるものと思います。葉菜類、根菜類、果菜類を優先して育てる予定なので、数ヵ月後には成果が期待できると思います」

 

 報告は以上です。と、リリは手に持った資料を手に着席した。黒ウサギ、レティシア、飛鳥、耀、十六夜はリリの凛とした態度、淡々と報告を進めていくリリの成長に驚いていた。黒ウサギにいたっては「よくここまで成長しましたね」と涙ぐんでいる。

 

 実の所は、社会人として経験を積んできた義仁に色々と手伝ってもらい、かっこよく見せる練習や原稿の見直し等をしてもらっていたりする。ジンもその事を知っていたため驚いてはいなかったが、黒ウサギが涙ぐむまでとは思っておらずそっちに驚いていた。

 

「ありがとうリリ。と、言うわけです。以前は食べるものにさえ困っていた状況でしたが、皆さんのおかげでかなり余裕が生まれました。ありがとうございます。さて、ここからが今日の本題となります。黒ウサギ」

「はい。〝黒死斑の魔王〟との一件から沢山のギフトゲームへの招待状が届く様になりました!」

 

 ジャジャン! と黒ウサギが取りだしたのは、それぞれ違うコミュニティの封蝋が押されている三枚の招待状。それも、驚くべきことに、うち二枚は参加者ではなく貴賓客としての招待状なのだ。旗印を持たない〝ノーネーム〟にしては破格の待遇である。

 

 黒ウサギは幸せそうにはにかみながら、、三枚の招待状を大事そうに抱きしめた。

 

「苦節三年……とうとう我らのコミュニティにも、招待状が届く様になりました。今回出したのはこの三枚だけですが、大小問わなければより多くの招待状が届いています。それで、今回この三枚を持ち出したのは……」

 

 

 ※

 

 

『アンダーウッド 所属 キリノ』

『サウザンドアイズ 幹部 白夜叉』

 

 そして

 

『一本角 頭首 サラ=ドルトレイク』

 

 義仁の手元には三枚の招待状。これらはすべて義仁個人に当てられたものだ。

 

「白夜叉様は分かる。そして、このキリノと言う子は、ロオタス君のお姉さんだろうけど……一本角頭首? この人とは面識が無いはずなんだけど……サボテンを受け取って直ぐ帰るつもりだったけど……」

 

 どうやらそうもいかなさそうだ。と、不安を感じながら、義仁は封を切る。

 

 そして、また、彼は巻き込まれ、背負っていくこととなるのだ。




お読み頂きありがとうございます。

私は何を書いたのでしょう。
まあ、元からそんな大層なものを書いてる訳でも無いですし気にしないことにします(訂正箇所があればしときます)

取り敢えず、収穫祭にそろそろ入らないとですね。

では、また次回〜


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