問題児たちと一緒にただのオッサンも来るそうですよ? 作:ちゃるもん
すっごい中途半端に終わってもうた。
それを覚悟して読んでくだしあ
ごめんて……(;´・ω・)
では、どうぞ。
「ジンくん? 今、大丈夫かい?」
ジンの肩が大きく震えた。しかし、それも一瞬のこと。ジンの顔には笑顔が貼り付けられ義仁を部屋へと招き入れた。
「大丈夫です。開いてますのでどうぞ」
「おじゃまします」
扉が開かれ車椅子に座った義仁が部屋へと入ってきた。左の目の眼帯が痛々しい。
「夜遅くにごめんねジンくん」
「いえ、まだ起きていましたし、まだ寝る予定でもなかったのでぜんぜん問題ないですよ」
「そうかい? それならよかった」
義仁は車椅子をゆっくりと動かしジンの前へと移動する。その顔は優しげな微笑みを浮かべていた。
「それで、今日はどうしたのですか? 義仁さんが僕の部屋に来るなんて珍しいですよね」
「うん。少しジンくんの様子を見ようかなって」
「僕の……様子、ですか?」
そうだよ。と義仁は頷いた。
「なんと言うか……生き急いでるというか、切羽詰まってる感じかな。私も同じだからね。そう言ったものには敏感になってるのかな」
「はあ……。それで、心配だから様子を見に来た」
「そういう事かな」
ジンはなるほどと顎に手をやる。どうやら自分が思っていたよりも自分は疲れが溜まっていたようだ。
「それは、すいません。体調管理もリーダーの一環。僕自身が一番健康でいないといけないのに。お恥ずかしい所をお見せしました。これからはリーダーとしてキチンと自身の体調も管理していこうと思います。心配していただきありがとうございます」
ジンは笑顔で義仁を見る。
義仁の口から発せられた言葉に、体は硬直した。
「ジンくんには悪いけど、僕はジンくんをリーダーだとは思っていないよ」
かつて言われた。十六夜にリーダーとして認めないと。つまりは、ジンでは力不足だと。未熟だと。三年前に急にリーダーとして立つことになり、右も左もわからずままただがむしゃらにリーダーとしてあろうとした。それを、十六夜からぶち壊された。今でも十六夜からリーダーとして認められているかは怪しいところだ。
しかし、どうだ? 戦闘要員で今やノーネームの主戦力である十六夜がジンを認めないのは、実力不足だと言うのはまだ分かる。しかし、戦闘要員ですらない義仁にすら実力不足だと、リーダーに足らないと言われたのだ。
ジンの頭の中には努力不足の四文字が所狭しと押し込められている。
視界が真っ赤に染まり、もはや何を見ているのかすら分からない。
ジンは心の何処かで、自らの命を顧みずリリの命を救って見せた義仁にリーダーとして認められている。それが、今までジンを立たせていた一つの要因だった。
「そ、う……です、か。僕はまだ、アナタから見ても力不足でしたか」
壁に背を付け、赤くなった視界の中に人影を見た。椅子に座っている。その影はゆっくりと近付いてきた。
―――じゃな―――ただ――――ジンくん―――
なにか喋っているのだろうか? しかし、ジンの耳には届かない。
信じていた。縋っていた。そのありもしなかった妄想に。しかし、その妄想からすらも真っ向から否定された。
僕は、何時まで自分を騙し続ければいいのだろう?
ギュッと強く握り締めた拳は行き場もなく、ただ我慢する。全て何かにぶちまけてしまいたいと言う気持ちを騙して。
僕は、まだ、まだ、大丈夫。
落ち着け、落ち着け。大丈夫。まだ僕はボクだ。心を無くせば、僕はまだボクでいられる。
だから、僕は大丈夫だ。
真っ赤な視界は元に戻り、義仁の心配そうな顔もクリアに見えた。
お読み頂きありがとうございます。
義仁の心情だとか思惑だとかは次回に。
解決も次回内に纏められればいいなぁ……
では、また次回。