問題児たちと一緒にただのオッサンも来るそうですよ?   作:ちゃるもん

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投稿です。

えー、皆さん。風邪の時は大人しく寝ましょう。
でないと、1週間経っても微妙にだるくて頭が痛い状態のちゃるもんみたいになります。
何かをしようとしても、こんなふうによく分からんのが完成してしまいますよ。

気を付けよう!

では、どうぞ。


第24話 痛感

 怒号と共に黒ウサギが部屋へと入って来たのが十分程前。今では黒ウサギも大分落ち着きを取り戻し、ベッドの傍らに椅子を置いて義仁と対面している。

 

 二人の間に言葉はなく。ただ、重苦しい空気だけが漂っていたが、その空気は黒ウサギに、よって破られ、その言葉に義仁は目を丸くする。

 

「義仁様。貴方様がそう……なんと言いますか、死にたい、そう思うことは黒ウサギは当然の事だと思います」

「自殺をしよう。これが当然の事だと?」

 

 黒ウサギは小さく頷く。最初の怒号からてっきりそんな馬鹿げた考えはやめてください。とでも言われると踏んでいたので、なんだか拍子抜けした気分である。義仁とて自殺が絶対的に良いことだとは考えてはいない。これ以上他人に、ノーネームに迷惑をかけたくない。そして、個人的な理由で一番手っ取り早いのが自殺だっただけだ。

 

 なので、黒ウサギから別の案でもあればそれに乗るのもいいのかも知れないとも考えていたのだが……。黒ウサギはそんなこととはつゆともしらず、自身の過去について語りはじめた。

 

「黒ウサギがまだ小さい頃、その時所属していたコミュニティが魔王に襲撃されました。

 黒ウサギはまだ子供でしたので、何も出来ず、ただ黙ってコミュニティの皆が殺されていくのを見ているしか出来ませんでした。

 そんな時、現在所属しているノーネームの皆さんに助けて頂いたのです。

 その後、無事魔王を封印してみせたノーネームに黒ウサギは引き取られ、そのままノーネームへと所属を移しました。

 しかし、ノーネームも魔王の襲撃を受け、今の有様。

 生き残ったのはジン坊ちゃんと数百人の子供たち。

 そして、戦闘要員の筈なのに見逃された黒ウサギだけでした。

 笑いものですよね。私も戦っていたはずなのに……所詮私はお荷物なんだと、その時は自分自身に嫌気が差して死んでしまいたいと思いました。

 ですが、そんな時に支えてくれたのが、ジン坊ちゃんでした。

 泣きじゃくる私を、助けてくれようとしてくれたのに突き飛ばした私を、あの人は見捨てずに支えてくれたのです。

 だから、私は壊れずに今ここに居られます。

 希望を捨てずに、ここに居られます」

 

 黒ウサギの過去を、その心情を知ってどう反応を取れば良いのかが分からない。

 

 黙ったまま口を開かない義仁に、黒ウサギは話し掛ける。

 

「生き物は、誰かに支えられて生きています。誰かの助けがなく生きている者はいません。まずは、私が義仁様を支えます。頼りないかも知れませんが、支えて見せます」

 

 黒ウサギの決意は固かった。しかし、義仁が求めているのは救いではない。

 

「それと、今言うことではないのですが……もし、心に余裕が生まれたのならば、ジン坊ちゃんを支えて欲しいのです。今回の件もそうですが、三年前からジン坊ちゃんはずっと独りです。私では、ジン坊ちゃんを支えられませんでした。今もいつ折れてしまうか分かりません。今この場でお願いするようなことではない事は重々承知です。ですが、今のノーネームでジン坊ちゃんを支えられるのは、ジン坊ちゃんをリーダーとして見てはいない義仁様だけなのです。どうか、どうか……!」

 

 途中から、内容が変わっていた。しかも、死のうとしていた人間にかけるような言葉ではない。しかし、今の、生きる意味を失っていた義仁とっては、その後半の内容の方が重要だった。

 

「そうですね……少し、少し時間を下さい」

 

 黒ウサギは沈痛した表情で一言謝罪し、部屋を後にした。

 

 義仁はそれを確認し目元を隠した。

 

 結局自分は死ぬのが怖い臆病者だと、痛感したから。

 

 




お読み頂きありがとうございます。

頭痛い。お腹痛い。気持ち悪い。
けど卒検に履歴書に研修旅行の準備などなどやることいっぱい。

短くてごめんよ。内容が分かりづらくてごめんよ……
余裕が出来たら書き直すかもです。

あと、来週研修旅行で沖縄に行ってきます。

では、また次回。

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