問題児たちと一緒にただのオッサンも来るそうですよ? 作:ちゃるもん
ああ、またなんだ。短い。スランプなんだ。許してくれ。
では、どうぞ。
あれから数日が過ぎ、義仁は目を覚ました。霞む視界には見慣れない天井。うっすらと聞こえるのは機械的な電子音。ここまできて、漸くここが病室なのだと悟る。
体に力は入らない。声も出ない。やる事がない。やれる事がない。私はお荷物なのだろう。むしろそっちの方がいいのかもしれない。動けば動くほど誰かの邪魔になる。誰かの命を奪う。ならばいっそ、死んでしまった方がいいのだろう。
しかし死ぬと言ってもどうすれば良いのだろうか? ノーネームの皆にも迷惑にならない死に方……。失踪してからでは駄目だろう。彼らはこんな俺でも心配して探しに来てくれる。そんなお人好し達だ。遺書等を残しても同じ事だ。
ならば、明確に私が死んだという事実が必要となる。だが、私が自殺をすればリリちゃんが思い詰めるのではないだろうか?
義仁の頭は冴えていく。十六夜辺りがこれを見ていたら呆れて頭を叩きその思考を止めていただろう。しかし、悲しいかな。今この場に十六夜はいない。十六夜がいなければ義仁を止める一番の抑止力であろうリリもいない。つまり、自殺願望が変な方向にハッスルしいかにして事故で死ぬか等を考え始めている。
いつの間にやら喉は回復し開かれた口からは今後の予定がダダ漏れ。それは義仁の見舞いに来て、今現在受付を済ませたとても耳の良いとある種族の耳にハッキリと、とまではいかないが大まかな内容がわかる程度にはその声は届いてる。
ピキピキと幻聴が聞こえ始める受付嬢達。対面している者に至っては肩を震わせ軽く泣き始めている。そして、受付が完了した瞬間、風が院内に吹いた。
本来ならば職員が止めなければならない。職員でなかろうとまだ小さい子供だろうと知っているマナーなのだから。病院内では静かにしましょう。 しかし、だれも彼女を止めない。止められない。それは何故か、彼女が放つ怒気や、隠そうとしない強者の威圧感。しかし、扉の前で止まった彼女を注意しようとした者もいた。しかし、それは彼女に声を掛ける前にその手を引いていく。
その瞳から零れ落ちる涙は仲間が起きたことを知った故の嬉しさかはたまた……。
少なくとも、麗しい女性がその瞳から大粒の涙を流し一つの病室の前で息を整えているのは事情を知らないものからすれば勘違いするには十二分なものだった。
そして、扉が開かれる―――
―――バァン! と扉が勢いよく開かれ心からの叫びが院内を響かせた。
「なぁにを考えちゃっているのですか貴方様はァァァァァァアアアアアアアア!!!!!!」
常日頃から三人の問題児に振り回される箱庭の貴族こと黒ウサギ、ここに別ベクトルの問題児が生まれた、生まれてしまったことに対する心の叫びである。
お読みいただきありがとうございます。
前回のシリアスはどうしたって? さあ? 旅にでも出たんじゃね?
正直に話すと、最初は十六夜に説得させるつもりだったのです。しかしこう思ったのです『あれ? 黒うさぎとか飛鳥とか耀とかメインキャラ殆ど出てなくね?』と。十六夜くんは普通に仲介役とかでよく出てくる。ジンもオッサンとは似た境遇にあっているため出しやすい。リリとレティシアは良心として出てくる。白夜叉は今後かなり出番が増える予定。
ここで黒ウサギ達を出さないと空気になるのでは?
と、言うわけで黒ウサギを出してみた。そして、何故かギャグぽっく……
是非もないネ!!
あと、関係ないですが最近フレンドのキャスターがマーリンと孔明しかいない。
アタッカー役の単体宝具キャスターがほすぃ
ではまた次回〜