問題児たちと一緒にただのオッサンも来るそうですよ?   作:ちゃるもん

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投稿です。

東方祭楽しかった。6万溶けた。けど、楽しかった。

そして今日で7連勤
あと2日頑張れば休み_:(´ω`」 ∠):_

では、どうぞ。


第104話 無理

「よーオッサン、怪我の具合はどうだ?」

「……ベット乗っちゃダメ」

「いやはや、随分やられてもうたなぁ。どや? 林檎食うか?」

 

 黒ウサギが部屋を出て十分ほどが過ぎた頃。部屋の扉をノックなしに入ってきたのは十六夜、耀、蛟劉の三人。それと何故か耀に引きずられている黒ウサギだった。

 

「怪我はそこまで酷くはないんじゃないかな? 前よりも酷くはないと思う」

「……よかった」

「あのー、黒ウサギは一体いつになれば解放して頂けるのでしょうかー?」

「いや、よくはねーだろ。落とし前はきっちり付けさせねぇとな」

「落とし前云々は多分晒し首辺りになるだろうなあ。もしくは拷問か……。決めるのは〝ノーネーム〟に引け目を感じとるマンドラ君やろうから、楽には死なせてもらえんのちゃうんやないかな。 ところで春日部君。なしてお見舞いの林檎を勝手に食べてるん?」

「無視はひどいと思うのです……」

「……あったから?」

「あ、はい」

 

 三人は義仁の容体などを確認した後各々話をしやすい位置に座った。その途中も黒ウサギは引きづられていた。

 

「さてと、何から話したもんか。白髪鬼……オッサン達は殿下って呼んでたやつに黒ウサギがやられた話は聞いたか?」

「殿下君が敵だったってやつだよね。うん、聞いてるよ」

「なら黒ウサギがああなったのも知ってるのか」

 

 それは〝どっち〟の事なのだろうか……。義仁は耀に玩具にされてる黒ウサギに哀れみの目を向けた。

 

「そう言えばジン君が捕まったとか何とか聞いたけど」

「ああ、体裁的な処置見たいもんやねそれは」

「……ペストも一緒に入ってる」

「ああでもしてないと俺達にいらぬ疑いがかかるからな。ま、もう遅いんだが。結局クズはクズって訳だ」

 

 義仁は十六夜の言いたい事が分からず首を傾げた。耀も同じく首を傾げていた。黒ウサギは新しく生えた耳を耀に弄られそれどころではなく、蛟劉だけが十六夜の言いたいことを理解していたようだった。

 

「ジンとペストが幽閉された理由は二つ。一つは殿下と共に行動していたこと。これに関しては全くと言っていいほど問題は無い。だが、二つ目、奴らはジンとペストを魔王連盟に勧誘した。まるで入ることが当たり前かのように。となると、この二人は内通者なのでは? って考えるやつが出てきても可笑しくはない。俺たちを裏切り、敵に寝返ったのでは? ってな」

「そんなことはないって、僕等を知ってる人ならそう思うかもしれんけど知らん人からすれば……仕方ないとしかねぇ。

 そこで、この北側では絶対の信頼を持つ〝サラマンドラ〟。ここに幽閉、尋問等をしました、取り敢えず安全だよー。とでも言ってれば二人への疑いもしぜーんに消えるってワケや」

「ま、そんな上手くいくわけもねぇがな」

「二人が本当にねがえ……いや、殿下君達が近々攻めてくるってこと?」

「お、珍しく察しがいいじゃねぇか。それに加え、サンドラ……アレはあのクソ猿に攫われる。こればっかりはどうしようもねぇ。戦闘能力自体は高くないんだろうが、逃げ足なんかに関しては一級品だからな。それに、あいつはガキの心に潜む闇を糧とする。そして、仲間に裏切られたばかりのサンドラ……。まあ、手の打ちようがねぇわな。具体的にどうなるかまでは知らねぇが……、仮死状態に近い形になるのか? どちらにせよまともな未来は待ってねぇよ」

 

 さらりととんでもない事を言い出す十六夜。反射的に蛟劉へと顔を向けた義仁だが、蛟劉はお手上げだと言わんばかりに林檎を齧っていた。嫌な汗が頬を伝う。どうにかできないのかと口を開こうとした時、耀からも容赦のない言葉が紡がれる。

 

「……義仁さん。無理。相手は混成魔王。恩恵も心理学のスペシャリストって訳でもない義仁さんが何かしようとするだけ無駄。私だって辛いよ。けど、ここにいる皆が匙を投げた。それがどういう事か、分かって」

「容赦ないのね春日部ちゃんは……。まあ、そういうことや。恐らく奴は既にサンドラの近くにいる。機を伺ってるに過ぎないだろう。義仁はんがなにかしようとしても表立ってなにかしては来ないだろう。止めはしない。止めはしないが、それでも、わいは行って欲しくない。肉体的にも精神的にも、お互いに傷付く可能性が増えるだけやで」

 

 最後の希望と言わんばかりに黒ウサギを見やる。未だ耀に耳を掴まれているが、決してこちらに顔を向けずじっと黙っていた。

 

「……皆みたいな力があったら助けれたのかな」

「そういう話ではねぇよ。相性、時期、人間関係諸々、全部あっちに軍配が上がっただけの話だ。実際真正面から殴り合えばくそ弱そうだしな」

「そうなんだね。どちらにせよ、助けられなかったんだ。仕方ない、仕方ないんだ……」

 

 何度も何度も、何かを呪うように呟き続ける。

 どんよりとした空気が漂う中、義仁はゆっくりと口を開いた。

 




お読みいただきありがとうございます。

ぶっちゃけ何も考えてなかった。うん。今日日曜かと思ってたうん。
曜日感覚も日付感覚もない今日この頃、目の奥に疲れが溜まってます。

まあ、矛盾とかこれ違うぞってやつがあったら報告して頂ければ助かります。

ではまた次回〜

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