問題児たちと一緒にただのオッサンも来るそうですよ?   作:ちゃるもん

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投稿です。

スランプですね(確信)
なんて言うか、書く気が起きないって言うか、別のを書きたくなる衝動に駆られる。
ま、そんな時でも蛇足的には続けます
それがちゃるもんの取り柄だもの( ˙꒳˙ )キリッ

では、どうぞ。


第103話 素敵耳

 ぼんやりと意識が覚醒する。この箱庭に来てから、幾度も経験したものだ。まだ寝ていたい気持ちを押し退け、ゆっくりとその瞼を開く。目に優しい暖かな光が義仁の視界を照らす。

 木造の天井に小さなランプがぶら下がっているだけ。顔を動かせば赤を基調にした部屋の全貌が顕になる。とは言っても、自身が寝ているベット、腕に繋がっている点滴のようなもの。丸テーブルに椅子が二つ。荷物を入れるためのクローゼット。と、簡素なものだ。

 

 しかし、その中に一つだけ……、否、一人だけ見慣れない人物がいた。少し青みがかった腰まで届く黒髪。胸元を強調するその服は、彼女の美貌と合わされば容易く男を虜にすることだろう。そう確信できるほどの美女。

 見覚えはあるのだが、誰だと確信できない。そんなもどかしい気持ちを抱え声をかけられずにいると、女性の方から近付いてきた。

 

「気が付きました? まったく……。無茶し過ぎですよ。毎度毎度心配する身にもなって下さい」

 

 随分親しげに話しかけて来る女性。しかし、未だ拭えないこの違和感に義仁は首を傾げる。

 そんな義仁を置いて、女性はお茶の準備を始めていた。

 

「事情はジン坊ちゃんから──―聞いてます? まだ、意識がはっきりしてないのでしょうか……」

「いや、そういう訳ではないのですが……えっと?」

「……ああ、そういう事ですか。これで分かりますか?」

 

 そういうと、女性は頭の上に両手を持っていき兎の耳のようなものを作った。

 

「黒ウサギさんですか?」

「そうです。〝疑似神格・梵釈槍(ブラフマーストラ・レプリカ)〟〝疑似叙事詩・日天鎧(マハーバーラタ・カルナ)〟と言う恩恵を同時に使ってしまった弊害と言いますか、ペナルティと言いますか……。簡単に言うと、凄く強い矛と鎧だけれど、一度に発動してはいけないものを発動してしまった。その結果、黒ウサギの素敵耳が無くなってしまったのです」

「そうだったんですね。ですが、どうしてそのような事を?」

「義仁さん。殿下と言う名前に聞き覚えは?」

 

 殿下。ジン君たちと一緒に行動していた少年の1人だ。蛟劉に警告されていたが、やはり敵だったということなのだろうか。

 

「はい。その通りです。飛鳥さんと春日部さんが参加していたゲームに乱入。その場にいた私も迎撃に当たったのですが、あの少年には武具関係は効果がなく。かつ、十六夜さんと同レベルの身体能力を持っているようで……。死なないために致し方なく……」

「そうだったんですね。お疲れ様です? で、いいのかな」

「そうですね……色々と疲れました。お茶、置いておきますね。私は皆さんを呼んできます。ジン坊ちゃんとペストは体裁的に投獄されていますが、一時的にであれば問題ないでしょう。安静にしていてくださいね」

 

 そう言うと黒ウサギは部屋から出ていってしまった。黒ウサギの淹れてくれたお茶を啜りつつ、彼女の帰りを待つことになる。

 そんな中で、今回は比較的無事に済んだなと思う義仁の感覚は既に終わっているのだろう。

 

「ちょっと喉に滲みるな……痛い……」

 




お読みいただきありがとうございます。

漸くこの物語の終わりも見え始めたと同時に、原作7巻に到達。
予定では8巻で終わるかなぁって感じですかね。

あと、来週は東方祭に行くので投稿はしません。
東方をいい加減進めていかないとなので、この間に進めようかなぁと。1話分完成するかは分からん。

では、また次回〜

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