サヨが斬る!   作:ウィワクシア

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いろいろありまして投稿が遅れて今年最初の作品になりました、久しぶりなので文章がさらに下手になっていると思います、どうかよろしくお願いします。


話は変わりますが今回に出てくるキャラクタージャドの声は郷田ほづみさんをイメージしてください。ジャドは50話で初登場した密偵チームの隊長です。


第九十話

  政略を斬る

 

 

 

 

 

 

ナジェンダとジャドから今回の任務の内容を説明された、その内容はこの地域にたむろしている賊の掃除である、賊の強さはたいしたことはないが広範囲で数が多く困難ではないが面倒ではあるということである、ナイトレイドの面々は任務に対して気合いを入れていた、一人を除いて・・・

 

 

 

「・・・ううう、私はレオーネの借金を心配して言ったのになんでこんな目に・・・」

 

 

サヨはレオーネに胸を揉まれてシクシク泣いていた、それでも任務に向けて強引に気持ちを切り替えることにした。

 

 

 

「あいからわずお前らお笑いが好きだな、だが今は任務に集中しろ」

 

「わ、私だって好きでこんなこと・・・」

 

 

 

サヨはジャドに懸命に弁解した、だがジャド本人にはたいして聞く気はなかった。

 

 

「とにかくだ、お前らはこの地域の賊を片っ端から駆除しろ」

 

「は、はい」

 

サヨは返事したがしばらく考えこんだ、西の異民族の事もあるが他にも気になっている事もあったのである。

 

 

 

「どうした?」

 

「あ、いえ、これで西の異民族との関係が良くなるのかなあと思って」

 

「正直なんとも言えんが、俺達革命軍が動く事に意義があるんだ」

 

 

サヨはそうですねと言いつつ苦笑いした、はっきりいってうまくいくかは博打みたいなものであるから、だが他に妙案がないので仕方ないのであった。

 

 

「ところで交渉を台なしにしてしまった幹部はどうなったんですか?」

 

「ああ、今だ行方がわからん、まあ、今はあいつらに構っている暇はないからな」

 

「え?ほっといていいんですか?そもそもあの二人が原因なのに」

 

「あいつらの首を西に差し出して丸く収まると思うか?」

 

「・・・正直微妙ですね」

 

「そうだろう、西が一番欲しいのは領土だ、首なんか送っても喜ばんさ」

 

 

 

もし自分が西の立場なら首なんか送ってこられても迷惑である、サヨは心の中でつぶやいた。

 

 

 

「とにかく今は賊の討伐に専念ですね」

 

「そういうことだ」

 

「・・・頑張ります」

 

 

サヨは一瞬返事が遅れた、もう一つ聞きたいことがあるのだがそれはまた今度にしようと思った、だがジャドはそれを見逃さなかった。

 

 

「どうした、まだ聞きたいことがあるのか?」

 

「・・・はい、実は」

 

 

「言ってみろ、任務に支障がでると面倒だぞ」

 

 

サヨは思い切って質問してみた、革命軍は皇帝をどうするつもりなのかと、するとジャドの返答は非情なものだった。

 

 

「皇帝には死んでもらうことになるだろうな」

 

「・・・そうですか」

 

 

サヨはある程度その答えは予想していた、新しい国作りになれば重荷になりかねないからである。

 

 

「何故お前が皇帝のことを気にする?」

 

 

サヨはそれについての説明をした、以前助けたチョウリが皇帝を救出すべく行動すると言っていたからである。

 

 

「なるほどな、それでお前が皇帝を気にしているのか」

 

「はい」

 

「実はな皇帝の処遇について革命軍の首脳で意見が割れているんだ」

 

「どういうことです?」

 

 

ジャドの説明によると余計な火だねを即効で消しておきたいと思っているエヴァと皇帝を消すのをためらっているハクロウで意見が割れいるのだ。

 

 

「ハクロウさんが?」

 

サヨはハクロウには温厚なイメージがあった、するとジャドはサヨの考えを察してそれを否定した。

 

 

「ハクロウが単なる温厚な奴だと思ったら間違いだぞ、有効なら冷酷な手段も決断できる奴だからな」

 

「じゃあ、なんでためらっているんですか?」

 

 

「それはな、チョウリがブドーと手を組む事態になってしまう恐れがあるからだ」

 

「どういうことです!?」

 

ジャドの説明によるとチョウリもブドーも皇帝に忠義を誓っており、皇帝を護るためなら手を組む可能性は高いのである。

 

 

「確かに、十分ありえますわね・・・」

 

 

あの二人が組めば革命軍にとってもかなりまずいことになる、サヨが戦慄を感じているとジャドはさらに説明を始めた。

 

 

「それだけじゃない、西の異民族もそいつらにくら替えするかもしれないんだ」

 

「えっ、どういうことです!?」

 

 

西の異民族が出てきてサヨはわけが分からなくなった、ジャドの説明によると・・・

 

 

 

皇帝側についたら獲得できる領土が増えるとチョウリが西の異民族に話を持ちかけるかもしれないのである。

 

 

 

「西の異民族が裏切ると!?」

 

「十分ありえる、あいつらは帝国の敵ではあるが革命軍と一蓮托生ってわけではないからな」

 

「じゃあ皇帝は生かしたままに?」

 

「そうもいかないんだ、さっきも言ったが皇帝は確実に余計な火だねになる、何もしないわけにはいかん」

 

「じゃあどうするんですか?」

 

「そこが頭が痛いところなんだ、どっちに転んでもまずいからな、まあ、今はそれを気にしてもしょうがねえ、今は西の異民族との再交渉にこぎつけないとな」

 

「確かにそうですね」

 

「気を切り替えろ、後1時間で任務開始だ準備を万端にしておけ」

 

「はい」

 

 

サヨは今はありもしないスケールの大きい事態を忘れることにした、目の前の任務に集中するために。

 

 

 

 

 

 

 

 




世間の状況が少し落ち着いたので再び投稿したいと思います、これからも応援お願いします。

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