サヨが斬る!   作:ウィワクシア

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もう今年もわずかです、今年最後の話をご覧ください


第八十九話

  八つ当たりを斬る(後編)

 

 

9月6日

 

 

ナイトレイド一行は帝都から遥か西方にあるニアメーク地方に赴いていた、この地域は西の異民族に返還が予定されている領土である、一行はある任務を命じられていた・・・

 

 

 

「私達の任務はこの地域の賊の討伐なんですよね?」

 

「ああ、賊の討伐を行うことで西の異民族に誠意を見せるというのが名目だ」

 

「賊の討伐を行うことで誠意を見せることができるのですか?」

 

「正直微妙だな」

 

「じゃあ何のために?」

 

 

 

サヨは首を傾げているとナジェンダはそれについての説明を始めた、現在革命軍、西の異民族はメンツを気にして動きづらい状況である、だがこのまま何もしなければただ時間が無駄に過ぎていくだけである、そこで革命軍が何か行動することで西の異民族が動きやすい状況になるかもしれないということである。

 

 

 

 

「でも、そんなに都合よく動いてくれるのですか?」

 

「絶対とは言えんが何もしないよりはましだろう」

 

「・・・そうですね」

 

 

サヨはそう返事したものの何かスッキリしないものを感じた、だが外交問題となると自分には何もできない、ボスも似たような気持ちだろう、ボスの発言権は決して高いものではないのだろう、ならば自分にできることを精一杯勤めるだけである、でも一つ気掛かりなことがある。

 

 

「・・・もし西の異民族との関係が修復されたら、ボスの身が危ないんじゃ」

 

「確かにな」

 

 

 

ナジェンダは帝具損失の責任を押し付けられて、執行猶予つきの打ち首を命じられているのである、手柄をたてれば帳消しになるが。

 

 

「手柄をたてる前に修復したらあの人ならためらいなくボスを打ち首にしてしまうんじゃ・・・」

 

 

「そうだな、だが、帝国打倒するためには西の異民族との同盟は不可欠だ、私一人の命のためにもたつくわけにはいかない」

 

 

「でも・・・」

 

「まだ西の異民族との関係が修復したわけではない、今は目の前の任務に集中だ」

 

「そうですね、この任務で手柄をたてればいいんですから」

 

「そうだ」

 

 

手柄をたててばボスの打ち首が取り消しになる、今はそのことに集中すべきである、サヨはそう決意した。

 

 

「それにしても結構人多いですね」

 

 

周りを見回すとサヨが知っている顔が多かった、全員ではないが。

 

 

「ああ、範囲が広いからな、私達だけじゃ時間がかかり過ぎる」

 

 

「確かに、この一帯かなり広いですから」

 

 

帝都から離れた辺境だから大きな街はない、その分草原や森林が多い、当然であるが。

 

 

 

「サヨさん、おひさ~」

 

 

聞き覚えのある声がして後ろを振り向くとそこにファルがいた、当然エアとルナもいるはずである。

 

 

 

「ファル、久しぶり」

 

「お互いこんな遠くまで行かされて大変だね」

 

「仕方ないわよ、革命軍も土壇場なんだから」

 

「そりゃそう・・・ひゃっ!?」

 

 

突然ファルの言葉が止まった、そうさせた者がファルの後ろにいる、それはレオーネである。

 

 

 

「久しぶりだなファル」

 

 

 

もにもにもにもに

 

 

「な、なんで私の胸を揉むんだよ!?」

 

 

もにもにもにもに

 

 

「お前以前胸ないってぼやいてただろ、だから私が揉んで大きくしてやるんだよ」

 

 

もにもにもにもに

 

 

「余計なお世話だ!!」

 

 

もにもにもにもに

 

 

「遠慮するなって」

 

 

 

もにもにもにもに

 

 

「やめろ!!やめないと帝具を使ってレオーネに禁酒させるぞ」

 

 

「忘れたのか?前に私に使っただろう」

 

「そっちこそ忘れてないか?あの時私のしか使ってないだろ、エアとルナのを使ってレオーネを禁酒にさせることが

できるんだぞ」

 

 

「・・・そんな脅しに私が屈すると思ったか?」

 

「な、なんだよ・・・」

 

 

ファルはア然とした、レオーネが禁酒に動じないなんてありえないから、だが次の瞬間それは覆される。

 

 

「ごめんなさい!!禁酒だけはマジ勘弁!!」

 

 

レオーネは目にも止まらぬ速さで土下座した、完璧な土下座だった。

 

 

「ホント酒好きだなあ・・・」

 

 

ファルはあきれつつも惨めにも感じた、こんな大人にはなりたくないものだとつくづく思うのであった。

 

 

 

 

「ちょっといい」

 

「何?サヨさん」

 

「あなた達の帝具っていつまでも効果続くの?」

 

「いつまでもじゃないよ、長くても半月くらいだよ」

 

「ふうん、そうなの・・・」

 

「どうしたの?」

 

 

一体何を考えているのだろう、ファルは興味津々であった。

 

 

「ねえ、二人のどちらかに頼んでレオーネを半月だけ禁酒にしてくれない」

 

「なんで?」

 

「レオーネの借金増え続けるばかりだから、この際禁酒にさせて酒代浮かそうと思って」

 

 

この時サヨは大きな過ちを犯したことに気がついていなかった、そしてサヨに災いが降りかかる。

 

 

 

もにゅ

 

 

「ひゃっ!?」

 

 

 

レオーネはものすごい剣幕で後ろからサヨの胸を掴みにかかった、そして力強く揉みはじめる。

 

 

もにもにもにもに

 

 

「サヨ、てめぇ、よりにもよってなんてこと言いやがる、ふざけるな!!」

 

「だって、レオーネの借金増える一方じゃない、だから酒代を浮かそうと思って・・」

 

もにもにもにもに

 

 

 

「だからと言って私を禁酒にさせるとか、お前には血も涙もないのか!?」

 

「じゃあ借金どうするのよ?」

 

「だったらお前が私の借金立て替えろ!」

 

「はあ!?ばか言わないでなんで私が・・・」

 

 

 

なんで私がレオーネの借金を立て替えなければいけないのよ、そんなばかな話ないわよ!!

 

 

「立て替えないならこうしてやる!!」

 

「ちょっ・・・ひゃああああ!!」

 

 

レオーネはさらにサヨの胸を力強く揉みはじめた、サヨは抵抗するもレオーネの前には無意味であった。

 

 

 

「・・・ナジェンダ」

 

「・・・気にするな!!」

 

 

スサノオの呼びかけをナジェンダは強引に無視した、レオーネがファルの胸を揉むと言った時からこうなる予感はしていたのだ、だから取り乱すな!!ナジェンダは自分自身に強く心の中で言い聞かせるのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




なんとか今年中に更新することができました、あいからわず文章は下手くそです、うまい人の小説を見て勉強しているのですが、とにかく今年も明日で終わりです、来年もよろしくお願いします。

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