サヨが斬る!   作:ウィワクシア

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UAが30000に達しました、うれしい限りです、うまくない小説ですがこれからも応援よろしくお願いします。


第八十八話

   八つ当たりを斬る(前編)

 

 

 

「そんな大変な事になってたんだ・・・」

 

 

サヨはマインから帝都で起こった事のいきさつを聞いて驚いていた、まさかナイトレイドの標的をセリューが仕留めてしまうなんて夢にも思わなかったからである。

 

 

「ええ、セリュー自身も強かったし、生物型帝具も強かったわ、そしてなりより奴の武装・・・帝具でもないのにかなりの威力よ」

 

 

「・・・」

 

サヨは黙り込んでしまった、いずれセリューと戦うことになるかもしれない、はたして自分に勝てるのか?はっきり言ってあまり自信がなかった、それでもいつかその時がくる、それまでにもっと強くならないと・・・サヨは心の中で決意した。

 

 

 

「・・・劇場が木っ端みじんになったどさくさに紛れて逃げ出せたのよね」

 

「そうよ、シャクにさわるけど丸腰じゃ仕方なかったわ」

 

「無事逃げ出すことができてよかったじゃない」

 

「・・・」

 

 

マインはさらに不機嫌になっていった、サヨは理由を聞こうと思ったが面倒なことになると思い聞かないことにしようとしたが。

 

 

「問題はこの先よ・・・」

 

 

マインは勝手に話し始めた、サヨはここから立ち去りたかったがさらに面倒になると思い仕方なく聞くことにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

マイン達は劇場から全力で逃げだしていた、事情聴取なんてされたら正体に気付かれる危険がある、無我夢中で走り抜けていった。

 

 

「ここまで来れば大丈夫ね」

 

「ええ」

 

マインとチェルシーは汗だくになりながら周りを見回した、クロメ達は追って来なかったのが確認できた。

 

 

「マイン、ラバの店へ行かない、あそこなら隠れるのにうってつけだから」

 

「そうね・・・ところであの双子は?」

 

「そういえば」

 

 

マインとチェルシーはミーラとロリスがいないのに気付いた、確かにさっきまで後ろにいたはずだが。

 

 

「あっ、あの店の中にいるわ」

 

 

チェルシーはとある店を指を指した、その店は帝都でも有名なスウィーツの店である、何故あの店にいるのか、マインは次第にいらいらしてきた。

 

「とにかく行くわよ」

 

「ええ」

 

 

二人は店に入り双子の元に駆け寄った、双子のテーブルには色とりどりのスウィーツでいっぱいだった。

 

 

「アンタ達何やってるの!?」

 

「見てわかりませんか?ケーキを食べてるんですわ」

 

 

ミーラの返事を聞いてマインはムカッとした、二人は全く気にせず食べ続けている。

 

 

「そんなの見ればわかるわよ、なんで勝手に食べてるのよ!?」

 

 

マインの怒号に二人は全く気にしていない、それどころかマインに余計なことを言ってしまう。

 

 

「そんなの食べたかったからに決まってますわ」

 

「そんなこともわからないなんて頭悪いですわね」

 

 

ブチッ

 

 

双子の遠慮のないセリフにマインはこめかみに怒りの青筋を浮かび上がらせた、爆発寸前のマインにチェルシーはなだめようとした。

 

 

「まあまあ、マイン落ち着いて」

 

「落ち着けるわけないでしょ!」

 

「そりゃそうだけど・・・この双子にむきになっても仕方ないわよ」

 

「じゃあ、どうするのよ!?」

 

「私に任せて」

 

 

チェルシーには秘策があった、二人に言うことを聞かせるとっておきが・・・

 

 

 

「あなた達、そろそろ帰るわよ」

 

 

「私達まだ食べたりませんわ」

 

「そうですわ、まだまだ食べたいですわ」

 

 

双子の生意気さにチェルシーはムカッとしたが怒りを抑えてとっておきを使うことにした。

 

 

「マシロに言い付けるわよ」

 

その瞬間双子の顔色が変わった、明らかにびびった表情であった。

 

 

「き、汚いですわ!」

 

「マシロさんの名前を使うなんて!」

 

「なんとでも言って、現実はケーキ見たいに甘くないのよ、さあ、帰るわよ」

 

「・・・わかりましたわ」

 

 

双子はチェルシーにしてやられてとても悔しがっている、マインはいまひとつ釈然としないがこれで双子をおとなしくできるならいいかと思うことにした。

 

「さあ、早く店をでるわよ」

 

 

「・・・仕方ないですわ」

 

「・・・もっと食べたかったですわ」

 

 

双子は不満でいっぱいであった、渋々店を出ようとしている双子を見てやれやれの表情をしたマインであった、だがそれを阻もうとする者が現れた。

 

 

「お客様お帰りですか?」

 

突然筋骨隆々の大男が現れた、この男はこの店のオーナーシェフであった。

 

 

「ええ、そうよ」

 

「では、お会計を」

 

「そう、じゃあアンタ達払って」

 

「私達お金持ってませんわ」

 

「あなたが払ってください」

 

「はあ!?なんでアタシが!?」

 

 

双子の身勝手さにマインは激怒した、無論双子は臆していないが。

 

 

「そうは言っても持ってないんだから仕方ないですわ」

 

「だからあなたが払ってください」

 

 

「ふざけんじゃないわよ!!アタシは絶対払わないから!!」

 

 

「お客様、まさかお代を払わないおつもりで?」

 

 

「そ、それは・・・」

 

コワモテ顔でせめられてマインは思わず怯んでしまった、無論それだけではないが・・・

 

 

「そうなると警備隊に通報しなくてはなりません」

 

「ちょっと待って!」

 

 

マインは焦った、こんなマヌケな一件で捕まるなんてばかな話はない、そうなると手段は一つしかない。

 

 

「ああ、わかったわよ、払えばいいんでしょ、払えば!!」

 

マインは不本意の極みで渋々代金を店長に支払った。

 

「ありがとうございます」

 

 

店長はマインから代金を受け取り上機嫌であったがマインはこれ以上なく不機嫌だった、支払った代金は本来マインが帝都でショッピングを楽しむためのお金であったのだ、それが双子のせいで台なしになってしまったのだから。

 

 

「・・・なんでこんな・・・」

 

マインは怒りの眼差しで双子を睨みつけた、双子は全く怯んでいなかったが。

 

 

 

「アンタ達のせいでショッピングが台なしになったじゃない、どうしてくれるのよ!!」

 

「だって私達お金なかったのですから仕方ないですわ」

 

「ふざけるな!!」

 

「まあまあ、私達のきれいな足を見て機嫌を直してください」

 

 

ミーラとロリスは藍色のミニスカートをひらつかせて太ももを見せつけた、その行動がさらにマインを激怒させた。

 

 

「ふざけんじゃないわよ、アンタ達の貧相な足なんか見てうれしくなるわけないでしょ!!」

 

 

「あらあら、自分が大根足だからひがんでいるんでしょ」

 

「身長も心も小さいですわ」

 

 

ブチッ

 

 

 

マインの中で何かが切れた音がした、そして思わずマインはある行動に移った。

 

 

「大根足かどうかとくと見なさい!」

 

 

マインは自分のスカートをつかんでめくり上げた、双子に自分の美脚を見せつけるためである。

 

 

「これは・・・」

 

「なんて見事な美脚・・・」

 

 

双子はマインの美脚に見とれてしまっていた、マインはすっかり勝ち誇っていたがマインは自分の行動にひどく後悔することになる。

 

 

「・・・マイン、上機嫌なところ悪いんだけど」

 

「何?」

 

 

チェルシーは困った顔である場所を指さしていた、マインはその指さした場所を見た、そこはスカートをめくり過ぎて丸だしになったパンツの姿があった。

 

 

「きゃああああ!!?」

 

 

マインはとっさにスカートを押さえてパンツを隠した、だがすでに店内の多くの人間にパンツを見られていたのであった、店内は大騒ぎになっていた。

 

 

「うううう」

 

マインは顔を真っ赤にしてべそをかいていた、これ以上ない赤っ恥をかいてしまったからである。

 

 

「・・・見事な不意打ちパンツでしたわ」

 

「・・・私達の完敗ですわ」

 

「よ、よかったじゃないマイン、この娘達に一泡吹かせることができて・・・」

 

 

 

チェルシーはなんとかマインをなぐさめようとした、なぐさめにもならないことはチェルシーにもわかってはいるが女としてほっとくわけにはいかないのであった。

 

 

 

 

マインは不意打ちパンツを習得した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あのばか双子のせいでアタシは散々だったのよ!」

 

「・・・そうね」

 

 

マインには悪いけど正直自分には関係ないと思うサヨであった、サヨとしてはとばっちりをくらう前に退散したいのであった。

 

 

「じゃあ私行くね」

 

「ちょっと待って、さっきの胸の話の続きなんだけど・・・」

 

 

 

出遅れた!!そうサヨが思った瞬間マインは次の行動に移っていた。

 

 

ぐにゅうううう

 

 

マインはサヨの胸をおもいっきり握りにかかった、このまま握り潰しそうな勢いであった。

 

 

「い、痛い、痛い、やめてよ!!」

 

あまりの痛さに思わず涙が出た、それでもマインは握りしめるのをやめない。

 

 

「アタシが揉んでもっと胸を大きくしてあげるわ、感謝なさい!!」

 

 

ぐにゅうううう

 

 

 

「痛いって言ってるでしょ、この!!」

 

 

ぐにゅうううう

 

 

サヨもお返しにマインの胸を握りしめた、マインの目にも涙が出た。

 

 

「やったわねえ!!」

 

 

ぐにゅうううう

 

 

 

「このお!!」

 

 

 

ぐにゅうううう

 

 

 

 

 

「アンタずいぶん生意気になったじゃない、この機会に上下関係教えて上げるわ!」

 

 

 

 

ぐにゅうううう

 

 

 

「最初の頃ならいざ知らず、今の私達に大きな差はないでしょ!」

 

 

 

ぐにゅうううう

 

 

 

「言ってくれるじゃない、調子に乗ってるんじゃあないわよ!」

 

 

ぐにゅうううう

 

 

 

「そもそもさっきのぼやきだってマインに言ったんじゃないのに、自意識過剰よ!」

 

 

 

ぐにゅうううう

 

 

 

二人の不毛な戦いは果てしなく続いた、だが突然終焉を向かえる。

 

 

 

「・・・何やってんだお前ら?」

 

 

風呂場に入ってきたナジェンダは目の前の光景にア然としていた、その瞬間二人の手は止まった。

 

 

「あっ、ボス!」

 

サヨは慌てて手を放した、そしてまたたく間に赤面していく、みっともないとこを見られたからである。

 

 

「サヨが生意気だからしめてやってたのよ」

 

「だから誤解だって言ってるでしょ!?」

 

 

「・・・とにかく二人とも落ち着け」

 

 

ナジェンダは再び揉めそうになった二人を落ち着かせてこれまでのいきさつを説明させた、説明を聞いて

ナジェンダはおもいっきりあきれた。

 

 

 

「とにかく胸のことなどでつまらん騒ぎを起こすな、わかったな」

 

「・・・わかったわよ」

 

 

渋々マインは従ったが本音としてはそんなでかい胸を持っているアンタに言われたくない、そう叫びたかったが面倒臭いことになりそうなので叫ばなかった、するとそこにある乱入者が現れた。

 

 

「何々、何の騒ぎ!?何か始まるの!?」

 

「来たかレオーネ」

 

 

レオーネが現れた・・・余計な面倒ごとが増えるような気がしてならないナジェンダであった。

 

 

「ねえサヨ何があったのか教えてよ」

 

「べ、別に何もないわよ」

 

「教えないと胸揉んじゃうよ」

 

「わ、わかったわよ」

 

 

サヨはこれまでのいきさつをレオーネに説明した、するとレオーネはとてもがっかりした。

 

 

「そんな面白いことになってたんだ、私もその場にいたかったな」

 

 

サヨはつくづくレオーネがその場にいなくてよかったと思った、もしレオーネがいたら一方的にセクハラを受けていたであろう。

 

 

 

「それにしてもマイン、お前がそんなに胸のことで悩んでいたなんて・・・もしよかったら私が・・」

 

 

レオーネが言い終える前にマインはパンプキンの銃口をレオーネに向けた、レオーネの頬に汗が流れた。

 

 

「余計なことしたら撃つわよ」

 

「・・・わかった」

 

 

レオーネは顔を青ざめて面白いを断念するしかなかった、さすがのレオーネもパンプキンの前ではかたなしであった。

 

 

「にしてもこのまま何もなしっていうのも面白くないな・・・そうだ!」

 

 

レオーネが何か思いついたようである、きっとろくでもないことに違いない・・・

 

 

 

「今度ファルに会ったら胸揉んでやるか、あいつ胸ないって嘆いてたし」

 

 

「やめろ、余計な騒動の種を蒔こうとするな!」

 

 

 

ナジェンダがレオーネに注意をするもレオーネは全く聞くつもりはないようである、サヨは近い将来面倒ごとが起こりそうな予感がしてならないのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




今年も残り少なくなりました、体調に注意して過ごしてください、それではまた。

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