誘拐団を斬る(前編)
私達は誘拐団のアジトである古城の近くまで着ていた、だがまだ攻め込むわけにはいかなかった、最優先の任務は誘拐された子供の救出である、それゆえ子供達が監禁されている場所を見つけなくてはならなかった。
「さて、子供が監禁されている場所を突き止めなければならないな」
ジャドはアジトを見てつぶやいた。
「場所わかっていないのですか?」
「連中はこまめに部屋を替えているからな」
「じゃあどうするんですか?」
「一つ試したい手があるんだがな、イエヤスお前の帝具透視できるんだったな?」
「ああ、一応な」
そうか、アジトを透視できれば子供が監禁されている部屋を簡単に見つけることができるけど・・・
「けど建物までは透視できないぜ」
「そうか、そう都合よくできんか」
まあ、そこまで便利にはいかないか・・・けどジャドさんそんなに落胆していないけど。
「お前、ミラージェンを透視してみろ」
「えっ!?」
イエヤスはあっけにとられた、女性に透視が使える状況を予想していなかったからである。
「ミラージェンの全裸を見て気合いを入れてからアジトを透視してみろ」
「いいのかよ?」
巨乳のお姉さんの全裸を堂々と覗けるなどまさに夢の展開であった。
「ちょっと何言ってるの!?そんなこと・・・」
そんな下品なこと見逃せるわけがない、サヨはジャドに反論しようとしたが。
「以前コイツは女の全裸を見たいという欲望で透視能力が上がっただろ」
確かにそうだった、私としては思い出したくない過去である。
「だけどこんなことを許せるわけが・・・」
「しくじりは許されねえんだ、成功のためならなんでもするぞ」
ジャドの冷徹な睨みつけにサヨは何も言えなかった、自分とは比べられないほどの場数を踏んできた者の差を感じた、それでも一人の女の子として何も言わずにはいられなかった。
「あなたはそれでいいの!?」
「まあ、私は革命軍に拾われた身だしね、仕方ないんじゃない」
本人がいいと言っている以上どうにもならないのはサヨにもわかっている、でもサヨは女として納得したくなかったのである。
「誰かアジトに潜入させるとか・・・」
「それはとっくにやった、だが潜入した奴らは全滅した」
そうか、だからこんな手を打つしかなかったんだ、サヨもようやくあきらめがついたのである。
「あっさりボロを出す連中じゃないはずだったはずだが、仕方ない」
サヨはジャドに冷たくないと言いかけたが密偵は死と隣り合わせだとわかっているので言わなかった。
「さっそく始めるぞ時間が惜しい」
ミラージェンはイエヤスの正面に移動した、イエヤスは帝具を装着して帝具に念を入れた。
「帝具発動!!」
帝具の目が開いて透視の能力が発動しイエヤスはミラージェンの全裸
「おおおお!!こりゃすげえぜ!!」
大興奮するイエヤスを見てカグラとシェーレを除く女性達はイエヤスを汚物のごとくにらんでいた、ラバはすごく悔しそうにイエヤスをにらんでいる。
ちくしょう、なんてうらやましい・・・後で制裁してやる。
イエヤスはラバがそう思っていることなどつゆしらず、いやらしい顔でミラージェンの全裸を堪能している。
「サイテー・・・」
マインはイエヤスを軽蔑の眼差しで見ている、するとチホシは複雑そうなまなざしで。
「ねえ、ナイトレイドって冷酷非情な殺し屋集団ってイメージだったけど、結構マヌケなのね・・・」
チホシの言いたいことはわかる、はっきり言ってマヌケにしか見えなかった。
「冗談じゃないわよ!!あんなヘンタイと一緒にしないで!!」
「ゴ、ゴメン」
マインの怒鳴り声にチホシはすっかりびびってしまっていた、すると今度はカーコが私に話しかけてきた。
「ねえサヨ、あなたあいつと一緒に力を合わせて村を救うつもりだったの?」
カーコの疑念もわかる、今のあいつはヘンタイにしか見えないから。
「まあ、あいつ結構タフだし、あいつとタツミと力を合わせて村を救うつもりだったから」
「タツミってそんなに強いの!?」
「うん、私達よりも強かったわよ」
「そうなの!?あなたも十分強いでしょう、一体どれだけ強かったのよ!?」
・・・そうねタツミがもしナイトレイドに入っていればグンと強くなってナイトレイドの要になれたかも。
「もしナイトレイドに入っていればタツミどんな帝具と適合できたのかな?」
帝具か、タツミはどんな帝具と適合できたのかな・・・私が知っている帝具と照らし合わせたらインクルシオなんかがタツミと合いそうな気がするわね・・・サヨはタツミのもしもの未来を想像していた、すると突然ジャドの声でかき消された。
「もういいだろ、アジトを透視しろ」
ジャドとしてもイエヤスを楽しませるために透視させたわけではないのである、イエヤスも百も承知であった。
もしこれでしくじったら俺袋だたきにされるな、姐さん指をボキボキ鳴らしながら俺をにらんでるし気合いを入れないとな!!
「帝具発動!!」
再び帝具の目が開き透視能力が発動した、すると古城の壁がみるみる透けていった。
「なんだ?遠視も使えてる」
ただ壁が透けただけではない、透視と遠視が同時に使用ができたのであった。
へへ、驚いたぜ二つの能力を同時に使えるとは、俺のドスケベパワーたいしたものだぜ・・・けどこれすげえ疲れる、早く子供見つけないと・・・
イエヤスは神経を研ぎ澄まして古城をくまなく見た、すると大勢の子供が監禁されている部屋を見つけた。
「いた!!最上階に集められている」
「他の部屋にいないか?」
「ああ、他の部屋にいない」
イエヤスは報告を終えると体力を使い果たし座り込んでしまった。
「ご苦労だったな、後は任せろ」
疲れはてて座り込んだイエヤスはどこか誇らしげであった、ほとんどミラージェンの全裸を見ていただけなのだが・・・
「よし子供達の救出に向かうぞ」
ジャドはカグラのハヤテ丸の背中に乗って古城の最上階に到着した、子供達を閉じ込めている部屋の前には見張りが立っているがジャドは針を飛ばす暗器を使い首を貫いて仕留めた、ドアを開けると20人ほどの子供が監禁されていた、その中に出資者の息子もいた、ジャドはその子供の元へ駆け寄った。
「おじさん誰!?」
子供はジャドの顔を見て怖がった、ジャドは少し落ち込んだが気を取り直した。
「・・・俺はお前達を助けに来た者だ」
「本当?早くここからだして!!」
子供達は泣き叫んだ、ジャドは子供達をなぐさめることをせず精神を集中している、するとジャドの足元の影が広がっていく、ジャドの臣具は影を媒介にして異空間を造り出すことができるブーツの臣具である。
「早くこの中に入れ」
「ねえ、ここに入って大丈夫?」
子供達は影の中に入ることにとても不安がってなかなか入ろうとしない。
「大丈夫だ早く入れ時間がない!!」
子供達は覚悟を決めて影の中に入っていく、全員が入り終わったら屋上目掛けて全速力で駆け抜けていく、屋上に到達すると上空に待機していたカグラと合流した。
「よし、全力で飛ばせ」
「りょーかーい!!」
ハヤテ丸はジャドを載せて飛び去っていく、ナジェンダはジャドが脱出したのを確認すると作戦の第二段階へ移行した。
「子供達は救出できた、これより誘拐団の奴らを殲滅する、一人も逃がすな、皆殺しにしろ!!」
子供を食い物にする外道達に報いを与えるべくナイトレイドは行動を開始した。
今回も文章がかなり稚拙になってしまいました、他の作品を読んで勉強しているのですが全然うまくなりません、こんな作品ですがこれからも応援お願いします。