サヨが斬る!   作:ウィワクシア

61 / 124
第六十話

   狙撃手を斬る

 

 

8月4日

 

 

ナイトレイドのアジトで一同はのんびりしていた、今日は休日だからである、と言っても最近は以前ほど暗殺の依頼はないのであった、イェーガーズの設立によって帝都の治安は良くなっているのである、治安がいいのはいいことだが、依頼が減ると仕送りも減ってしまうので複雑な気分である。

 

 

 

「最近依頼が減っちゃったわね、勘が鈍っちゃうわよ」

 

マインがぼやきながら食堂に入ってきた、マインの気持ちよくわかる、だが突然思いがけない出来事が起こった。

 

 

「!!?」

 

突然マインのスカートがおもいっきりめくれ上がりマインのピンクのパンツが丸だしになった。

 

 

「きゃあ!!?」

 

マインは慌ててスカートを手で押さえてパンツを隠した、するとイエヤスが食堂に入ってきた。

 

 

「どうしたんだ・・・ぶべっ!?」

 

マインはイエヤスに右ストレートをくらわした、イエヤスは派手に吹っ飛んだ。

 

 

「てめえ、何しやがる!?」

 

「それはこっちのセリフよ、よくもアタシのスカートをめくってくれたわね!!」

 

「お前ばかか、俺は今食堂に入ってきたんだぞ、そんなまねできるか!!」

 

「じゃあ誰がめくったのよ!?」

 

 

確かにおかしいわね・・・スカートが勝手にめくれたように見えた・・・屋内だから風が吹くわけないし、どうなっているの?

 

 

「俺達以外にも誰かいるぞ」

 

スサノオが何かの気配を感じたようである、私とマインとイエヤスとスーさんしかいないはずだけど・・・

 

 

「手配を消しているが俺にはわかる、そこだ!」

 

 

スサノオは誰もいないところに指を指した、するとマインは何かピンときたようである。

 

「アンタの仕業でしょ、姿を現しなさい!!」

 

 

一体マインは何を言って?すると突然女性の姿が現れた、背丈はマインとほぼ同じくらいだけど胸はレオーネと同じくらいの大きさであった、彼女も本部の人なのだろうか?彼女はカーコリッテのように革命軍の軍服を着ていない。

 

 

(彼女の衣装は上着がレオーネと同じで下はスパッツである、彼女の声は堀江由衣さんをイメージしてください)

 

 

 

 

「ねえ、これって臣具の力なの!?」

 

「そうよ、私の臣具は透明になれるマントなの、ただし水に濡れると透明になれないけど」

 

「それでも十分すごいと思うけど」

 

「透明になっても気配は消せないのよ、スサノオさんには見抜かれたけどね、さすが噂に聞いていただけあってすごい観察力ね」

 

 

さすがスーさんね、透明になっている人でも見抜くことができるなんて・・・サヨが感心しているとマインは激怒している。

 

 

「ごまかすんじゃないわよ、よくもアタシのスカートめくってくれたわね!」

 

「ゴメンゴメン、ちょっとしたあいさつよ」

 

「全く、アンタは相変わらずね」

 

二人が会話している後ろでイエヤスは不満そうに眺めている。

 

 

「おいマイン、よくも俺を濡れ衣でぶん殴ってくれたな」

 

「ああ、そうだったわね」

 

「はあ!?言うことそれかよ!!」

 

「別にいいじゃない、アンタはそういうキャラなんだから」

 

「ふざけるな、っておい無視するな!!」

 

イエヤスはマインに無視されて怒りまくっている、それを見て女性は突然イエヤスにぱふぱふした。

 

 

「まあまあ、これで怒りおさめてよ」

 

「おっふ・・・」

 

イエヤスの顔が巨乳の谷間に埋もれている、イエヤスは息苦しかったが至福の息苦しさであった、イエヤスの表情が一瞬でにやけ顔になった、マインとサヨは突然のことにア然としている。

 

 

「な、何やってるの!?」

 

「私のいたずらでいたい目にあったんだし、そのお詫び」

 

「だ、だからって・・・」

 

サヨはただうろたえるしかなかった、その間にもぱふぱふは続いている。

 

 

「最低・・・」

 

「下品・・・」

 

「ちくしょお・・・なんてうらやましい・・・」

 

いつのまにかラバが隣にいた、心の底から悔しそうであった。

 

 

「俺もあの巨乳に埋もれたい・・・たとえどんな痛みに襲われようとも!!」

 

「じゃあ、指二本もらおうか?」

 

ボキ!!

 

 

「ああああ!!」

 

突然レオーネが現れてラバの指を折った、心なしかラバの顔がまんざらでないような気がする・・・

 

 

「ミラの奴が来てたとはな」

 

「ミラ?」

 

「ああ、あいつの名前はミラージェン、本部の人間だよ」

 

「でも軍服着てないけど?」

 

「あいつは諜報が役割だからな、軍服は着ないんだ」

 

そっか、軍服だと都合悪いからね、でもあの衣装目立つような・・・

 

 

そうこうしているうちにぱふぱふが終わっていた、イエヤスは鼻の下を伸ばして下品極まりなかった。

 

 

「機嫌直った?」

 

「おお、俺は頑丈だからな、あれくらいへでもないさ!!」

 

 

減らず口を・・・マインにぶっ飛ばされて怒っていたのはどこの誰なのよ・・・サヨは心底呆れていた。

 

 

「まあ、ぱふぱふしたのもお詫び目的だけじゃないんだけど」

 

「どうゆうこと?」

 

「君に聞きたいことあるんだけど」

 

「なんだ?」

 

「この前帝具でクロメの人形見たんでしょ?」

 

「ああ」

 

「その中に金髪の若い女いなかった?」

 

 

・・・そういやそんな奴いたような気が、知り合いなのかな?

 

 

「多分いたと思うぜ、銃を使っていたと思うが」

 

「・・・そっか、やっぱりね」

 

ミラージェンは何か寂しそうな様子だった、サヨは踏み込んで聞くことにした。

 

 

「ねえ、その人と知り合いなの?」

 

 

「うん、彼女の名前はドーヤ、私の相棒だったのよ、私達はかつて北の異民族の依頼で暗殺部隊を暗殺しようとしてたのよ」

 

「暗殺部隊を!?」

 

「そうよ、私達はクロメを暗殺しようとした・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

とある日、ドーヤとミラージェンは北の異民族の依頼を引き受けることになった、ドーヤは前金をもらって上機嫌だった、前祝いに酒場で酒盛りをしてすでにドーヤはできあがっていた。(ドーヤの声は豊口めぐみさんをイメージしてください)

 

 

「あははは、にしても前金でこれだけくれるなんて北の異民族大盤振る舞いだね」

 

「それだけ手ごわい相手ってことよ、大仕事になるわよ」

 

「わかってるよ、けど引くわけにはいかない、アタシ達が金持ちになるには命張らないといけないからな」

 

「それならいいけど」

 

「だからこうして英気を養っているんじゃあないか」

 

 

ドーヤは浴びるように酒を飲み干している、その光景を見てミラージェンはやれやれと思った、この酒盛りは仕事前の儀式みたいなものであった。

 

 

「ねえ、ドーヤ、飲み過ぎじゃない?」

 

「へーき、へーき、どうってことないよ」

 

そう言っているが相当酔っていた、いつものことねと思うことにした、ミラージェンは今回の仕事が今までで一番危険なものになると予感していた、万全な態勢で臨まないと・・・そう思っているとドーヤが抱き着いてきた、全裸で。

 

 

「何辛気臭い顔してるんだよ」

 

「あなたまた全裸になって・・・泥酔するといつも全裸になるんだから」

 

「暑いんだからしょうがないだろ、お前も脱げ!」

 

 

ドーヤはミラージェンの上着を脱がした、巨乳が丸だしになった。

 

 

「ちょっと・・・」

 

「お前、チビなのになんでこんな巨乳なんだ、生意気だ!!」

 

ドーヤは胸を揉みまくっている、そしてミラージェンに濃厚なディープ・キスをした、ドーヤの目は完全にいっていた。

 

 

「大仕事の成功の前祝いだ、今夜はらんちき騒ぎだ、パーといこう!!」

 

「しょうがないわね・・・」

 

ドーヤとミラージェンのらんちき騒ぎが朝まで続いた。(詳しい内容はR-18になってしまうので書けません)

 

 

 

 

数日後二人は指定された街道へ到着した、そこには北の異民族に雇われた殺し屋が数人いた。

 

 

「なんだ、雇われたのアタシ達だけじゃなかったのかよ?」

 

「そりゃそうでしょ相手が相手なんだし」

 

ミラージェンは不満を見せるドーヤをなだめて殺し屋達にあいさつしようとした、だがドーヤがそれを止めた。

 

 

「そんな連中にあいさつなんていらないよ」

 

「なんだと!?」

 

ドーヤの態度に殺し屋の一行は激怒した。

 

「アタシとミラだけで十分だお前らはすっこんでろ」

 

「てめえ!!」

 

鋭い目つきで睨みつけるもドーヤは全く気にしていない。

 

 

「やるか!?」

 

ドーヤの不遜な態度に一触即発であった、ミラージェンは慌ててとりなした。

 

「もう、私達が揉めてどうするの、みんな落ち着いて」

 

「わかったよ・・・」

 

一同はなんとか落ち着いて一触即発を免れた、そして作戦会議を開始した。

 

 

「私が遠方から標的を狙撃して仕留めるのはどう?」

 

「それじゃお前が総取りになっちまうだろ!?」

 

「皆にも分配するから」

 

「ちょっと待て、ミラ、そんなことしたらアタシ達の取り分減るだろ!」

 

「相手は帝国の暗殺部隊よ、リスクはできるだけ避けるべきよ」

 

「だけどよ・・・」

 

「標的の首を持っていけば報酬の上乗せの交渉も可能よ」

 

「わかったよ・・・」

 

ドーヤは渋々ながらも了承した、他の殺し屋もそれに同意した、標的が街道に現れる前に一同は身を隠した、ミラージェンは高い丘に待機した、そこは狙撃には持ってこいの場所であった、うまくいけば標的に気付かれることなく仕留めることができるであろう。

 

「そろそろ時間ね・・・」

 

北の異民族が偽情報を流して暗殺部隊をおびき出す手はずを整えていたのである、すると街道の向こうから人影が見えた、ミラージェンは銃を構える、精神を集中してタイミングを待った、その人影はまだ少女のようである、だがこの世界では見た目は全く当てにならない、わずかな気の緩みが死を招くからである、ミラージェンは念には念をいれてあるタイミングを待った、そのタイミングとは・・・

 

 

ギャアアアア!!

 

 

突然近くの森から鳥の大群が一斉に泣き声とともに飛び立った、その瞬間少女に狙いをつけて発砲した、銃声を鳥の泣き声に紛れさせたのである、銃弾が少女の頭に目掛けて飛んでいく、そして直撃したと思いきやありえない反応速度で回避したのであった。

 

 

 

 

 

 

 

「・・・以上よ」

 

一同はミラージェンの話を聞いてしんと静まりかえっている。

 

 

「そのあとどうなったの?」

 

「それからクロメは人形を何体か出したわ、そのうちの一体がこっちに向かって来たから全速力で逃げたわ」

 

「ドーヤ達を置き去りにして!?」

 

「ドーヤ達には不測の事態が起こったら即撤退するよう指示していたんだけど・・・」

 

 

おそらくドーヤ達は危険を覚悟でクロメにしかけたのね、そして返り討ちに・・・

 

 

「ええと、その・・・」

 

「気遣いは無用よ、私達はいつ死んでもおかしくない世界にいるんだから」

 

 

サヨはミラージェンの覚悟をすごいと思った、自分はまだまだだと痛感した。

 

 

「そのあとクロメはドーピングをしていることを知ったけど、あの反応はそれだけじゃ説明つかない、他にも秘密があると思うわ」

 

 

一体どんな秘密が・・・きっとろくでもない秘密があるに違いない。

 

「いずれあなた達はクロメと戦うことになると思うけど今話したこと忘れないでね」

 

 

いずれか・・・正直今の私では太刀打ちできないだろう、それでも戦うことになるはず、その時まで強くなっておかないと・・・サヨは今まで以上に鍛練に励む決心をしたのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




今回はドーヤのエピソードを少し書いてみました、ドーヤの性格は勝ち気としかなかったので自分なりに考えて書きました、相変わらず文章が下手ですいません、これからも応援お願いします。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。