サヨが斬る!   作:ウィワクシア

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第五話

  殺し屋を斬る(前編)

 

ラバック

 

3月22日

 

ナジェンダの仕置きの後すぐ。

 

「よっ、サヨちゃんだっけか?歓迎するよ、後、お前もついでにな」

 

「ついで?」

 

イエヤスは不満だった。

 

「ええと、ラバックさん?」

 

「ラバでいいよ」

 

「じゃあラバ、聞きたいことがあるんだけど」

 

「なんだい?」

 

「さっき、ボスのことナジェンダさんって言ってなかった?」

 

「へえ、よく気づいたね、そうだよ」

 

「え?それって」

 

「ナジェンダさんとは将軍の頃からの知り合いなんだよ」

 

それから、しばらくラバの話が続いた。

 

「・・・自慢話まだ続くの」

 

サヨはうんざりした。

 

「そう急くなって、ここからが本筋さ」

 

ラバはナジェンダに一目惚れしたことを熱弁した。

 

「そのことボスは知らないのよね?」

 

「まあね・・・」

 

「ようし!それなら俺様が一肌ぬ・・・」

 

イエヤスが意気込んでいると、首に糸が巻き付いた。

 

「てめぇ、余計なこと言ったらぶっ殺すからな」

 

ラバの目に殺気があった。

 

「おいおい、マジになるなって!」

 

イエヤスは慌てた。

 

「もう、余計なお節介はしない」

 

サヨはあきれている。

 

「そういうことだからサヨちゃんも黙っててくれよな」

 

「わかった」

 

返事をするとすぐ。

 

「・・・ねえ、ラバ、後悔したことないの?」

 

「後悔?」

 

「だって、故郷に残れば裕福な生活送れたんだし」

 

「・・・したことないよ後悔なんて」

 

ラバは力強く言った。

 

「むしろ追わなかったら絶対後悔してた、なぜ追わなかったんだと一生自分を許せなかったと思う」

 

「へえ、以外と男気あるんだ」

 

サヨは感心した。

 

「あれ?ラバ、さっきレオーネの入浴どうやって覗こうかとつぶやいていなかったっけ?」

 

「そうだよ」

 

ラバはあっさり言った。

 

「な、なんで、だってラバは・・・」

 

サヨはわけが分からなかった。

 

「それはそれ、これはこれだよ」

 

「何それ?」

 

ラバはどうやって覗こうかとつぶやき始めた。

 

「・・・見直して損した」

 

サヨは呆れはてていた。

 

アカメ

 

3月22日夕方

 

アカメはアジトから離れた河原で食事をしていた。

 

「・・・これエビルバードよね」

 

「ああ」

 

二人は驚いていると、アカメは。

 

「お前達は仲間だからこの肉食っていいぞ」

 

アカメは二人に肉を渡した。

 

「ありがと、ところでその肉どうやって持って帰るの?」

 

「持って帰る?」

 

「だって置いていくのももったいないし」

 

「心配ない、全部食う」

 

アカメはあっさり言った。

 

「食うって、すごい量よ、こん・・・」

 

サヨが言い終える前にアカメは肉をたいらげ、骨だけが残った。

 

「おい、あれだけの肉どこへ消えたんだ?」

 

「うん、すごすぎる」

 

二人はとても驚いた、サヨはアカメの刀に視線を向いた。

 

「その刀・・・」

 

「ああ、これは帝具村雨だ」

 

アカメは刀を抜いた。

 

「ていぐ?」

 

サヨはその言葉よりも刀に集中した。

 

「いつ見てもすごくキレイねこの刀、惚れ惚れしちゃう」

 

アカメは帝具の説明をしているがサヨは聞いていない。

 

「一度だけでいいから使わせてくれないかなこの刀、でも、アカメの愛刀だし、無理よね」

 

サヨは少ししょんぼりした。

 

「おい、聞いているのか?」

 

「う、うん、聞いているよ、(どうしよう、刀に見とれてて全然聞いていなかった、そうだ、後でブラートに教えてもらおう)」

 

サヨはなんとかきりぬけた。

 

「ところでサイキュウって誰?」

 

「なんだ、いきなり?」

 

「アカメ、その名前を聞いて驚いていたから」

 

「ああ、そいつは暗殺部隊の設立者で、同時に国を貪る奸臣だ」

 

「つまり大臣と共に仕留める標的ね」

 

「そうだ、それが私達の任務だ」

 

「私も任務を達成できるように強くならないと」

 

サヨは気合いをいれた。

 

「さて、夕食の獲物を捕るぞ」

 

「え?あの肉は?」

 

「あれはオヤツだ」

 

「オヤツ!?あれが・・・さすがアカメね」

 

サヨは心から思った。

 

レオーネ

 

3月23日

 

「よ、サヨ、少しはここに慣れたか」

 

レオーネが話かけた。

 

「うん」

 

「ところで金貸してくれない」

 

唐突だった。

 

「お金、今ないけど」

 

「嘘つくなよ、あんなにたくさんあったじゃん」

 

「だから今はないわよ」

 

「どゆこと?」

 

レオーネはポカンとした。

 

「あのお金はボスに頼んで村へ送ってもらったから」

 

「にゃに?」

 

「それに皆から聞いたけど、レオーネお金貸りても全然返してないでしょ」

 

「それは・・・」

 

レオーネは言葉がつまった。

 

「私、そんな人にお金貸さないから」

 

レオーネはムッとした、そして。

 

もにゅ

 

レオーネは後ろからサヨの胸を揉んだ。

 

「な、何するのよいきなり!!」

 

サヨは真っ赤になって叫んだ。

 

「金貸さなかったバツだよ」

 

「何それ!!ちょっ、やめ・・・」

 

レオーネは揉み続ける。

 

「お前、胸、でかくないな」

 

「な?そりゃあ、レオーネよりは小さいけど普通よ普通」

 

「普通ねえ、まあ、マインよりはあるけど」

 

「えっ!?マインのも揉んだの?」

 

「うん、この前ベロベロに酔った時にマインの胸を揉んだんだ、そしたらー」

 

「そしたら?」

 

「帝具で殺されかけた」

 

「何やってんの!?」

 

サヨは呆れはてた。

 

「あれはビックリした、おかげで酔いが醒めちゃったよ」

 

レオーネは笑顔で言った。

 

「な、何で脳天気に話せるの?殺されかけたんでしょう」

 

サヨは釈然としていなかった。

 

「なんでって、私達は殺し殺されの世界にいるんだよ、そんなんで気にしていたらやっていけないよ」

 

笑顔で言った。

 

「そうよね、普段の皆を見ていたらつい忘れがちだけど、ここいつ死んでもおかしくない殺し屋集団なのよね、私、今まで以上に気合いをいれて鍛練しないと」

 

サヨは気合いを入れ直した、すると。

 

もにもに

 

「てっ!!いつまで私の胸揉んでるのよ!!」

 

レオーネはまだ揉んでいた。

 

「金貸すまで」

 

「だからないってば」

 

「またまたー」

 

二人が騒いでいると。

 

「アンタ達何やってんの?」

 

マインが現れた。

 

「アンタ達そんな趣味があったの?」

 

マインは軽蔑の眼差しで見ている。

 

「ち、違う、これは・・・」

 

サヨは訂正しようとしたが。

 

「ああ、お前とサヨ、どっちが胸小さいか調べてたんだ、残念ながらサヨの方が少し大きいよ」

 

ブチッ!!

 

何かの音がした。

 

「残念だったね、せっかく胸がでかくない女の新入りが入ったのに、まあ、気を落とさず・・・」

 

マインの様子が明らかに変わった。

 

「あれ?マインの様子が・・・」

 

「あ、ヤバ」

 

その瞬間マインは銃を構えた。

 

「どこから出したの、それ!?」

 

銃から光線が発射した。

 

ドウ!!

 

壁をあっさり貫通した。

 

「あわわ・・・」

 

サヨは間一髪かわした。

 

「何するのよ、私、悪くないでしょ!」

 

サヨは激怒した。

 

「今のマインに何を言っても無駄だよ、逃げるよ」

 

「あっ、待って」

 

二人は逃げだした。

 

マインはなお撃ち続けている。

 

「どうだい、ここ、スリリングだろ」

 

レオーネはニヤニヤしている。

 

「何を言って・・・元はといえばレオーネが!!」

 

サヨは必死に逃げている。

 

「あ、そうだ、言い忘れていたけど」

 

「何!?」

 

「ナイトレイドに就職おめでとう」

 

レオーネはニッコリ微笑んだ。

 

「な、今はそれどころじゃ・・・」

 

「そら、逃げろや、逃げろー」

 

レオーネは大はしゃぎである。

 

「無茶苦茶よー!!」

 

サヨは絶叫した。

 

しばらくアジトに銃声が鳴り響いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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