新入りを斬る(前編)
6月12日
ナイトレイド一同は新しいアジトが完成するまでの間マーグ高地で潜伏もかねて鍛練に励むことになった。
「エアマンタの乗り心地、最高に気持ちよかったです」
シェーレはエアマンタの乗り心地にとても感激している、だが後ろのサヨとイエヤスはぐったりしている、それはシェーレがうっかり足を滑らせてエアマンタから落ちそうになったのを二人が必死に助けたからである。
「さて、アジトが完成するまでの間鍛練にはげむぞ」
ナジェンダが告げると皆は気合いが入った、ナジェンダの側にはスサノオがいる、マインは不信の目でスサノオを見つめている。
「帝具人間か、あの臣具人間とは全然印象が違うけど似たようなものよね、まさか、この帝具人間もアタシにいやらしいことをしてこないわよね・・・」
マインはスサノオに警戒している、その気配を察してスサノオは。
「どうした?」
「ベ、別に・・・」
マインは突然声をかけられてあわてた。
「もしかして、俺があの臣具人間のようにお前にいやらしいことをしてこないかと警戒しているのか?」
「それは・・・」
マインは図星をつかれて言葉がつまった。
「心配するな、俺は女に興味はない」
スサノオは無表情で告げた。
「「えっ!!?」」
ラバとイエヤスは青ざめて絶句した。
「そういうことか」
ブラートは頬を赤くしている。
「「何で赤くなるの!!?」」
ラバとイエヤスのツッコミが見事にハモった。
「俺は帝具だ、恋愛機能はない」
「そういうことか、びびったぜ」
ラバは心から安堵している。
「そうか・・・」
「なぜがっかりするの?」
イエヤスはブラートにつっこんだ。
「へえ、そうなんだ、以外ね」
サヨが以外そうにしているとレオーネが後ろからサヨを取り押さえた。
「な、何?」
突然のことにサヨは呆然としている。
「ねえねえ、サヨの胸、揉んじゃってよ」
レオーネはスサノオにサヨの胸を揉むように指示した。
「はあ!?何言い出すのよ!」
サヨはレオーネに抗議をすると。
「いいじゃん、女に興味ないんだし」
「そういう問題じゃ・・・」
サヨがうろたえているとレオーネはすかさず。
「これ、入団儀式だからやらなきゃだめだよ」
「わかった」
スサノオはサヨの胸を揉むために歩きだした。
「ちょっ、騙されないで、嘘よ、でたらめよ、信じちゃだめ!」
「そう言っているが確かか?」
スサノオはサヨの様子を見てレオーネに確認をする。
「これ、盛り上げる演出だから気にしないで」
「そうか、では」
スサノオはサヨの胸を揉むために腕を伸ばした。
「お願い、やめてー!!」
サヨは涙目で絶叫した。
ボガン!!
「私の帝具にいかがわしいマネをさせるな」
「冗談だよ・・・」
ナジェンダの鉄拳が炸裂し、レオーネの頭に大きなたんこぶができた。
「まったくろくなことしないわねレオーネ!」
サヨはレオーネにおかんむりになっているとスサノオが。
「なぜそんなに必死になる?」
スサノオは釈然としていなかった。
「だってあなたは男性だし、そりゃあ・・・」
サヨは顔を赤くして説明するも。
「それは所詮外見に過ぎん、俺は帝具という道具だ、俺を人間と認識する必要ないんだぞ」
「だってあなたにはちゃんと感情があるし、そんなこと・・・」
予想外の返答にサヨは戸惑っている。
「お前の好きにするといい」
そういうとスサノオはサヨから離れた。
「少し人間と思考が違うわね・・・外見はほとんど人間と変わらないのに、帝具は奥が深いわね」
サヨが帝具の奥の深さに驚いていると。
もにもに
突然胸を揉まれる感触を感じた。
「って、何勝手に私の胸揉んでるのよ!」
チェルシーがサヨの胸を揉んでいた。
「いいじゃない女の子同士なんだから」
もにもに
「良くない!」
サヨはチェルシーを睨みつけるも。
「まあまあ、飴あげるから」
もにもに
「いらないわよ、そんなの」
「飴を悪く言う悪いコにはおしおきよ♥」
「ちょっ、ひゃああああ!!」
もにもにもにもにもにもに
チェルシーはサヨの胸を揉みまくっている。
「今から住居の建築に取り掛かる」
「頼んだぞ」
「マイペースだな・・・」
サヨがチェルシーに胸を揉まれまくっているのをまったく気にしていないナジェンダとスサノオを見てイエヤスは苦笑いしている。
一方その頃帝都では。
イェーガーズの本部、そこにエスデスとセリューが話をしている。
「どうだった?」
「はい、ドクターは当分研究に没頭するの一点張りで・・・いかがいたしましょう?」
セリューは困惑顔で報告した。
「かまわん、奴の好きにさせておけ、今は帝都内の賊の掃討に専念しろ」
「はい、隊長の寛大なお心に頭が下がります」
セリューはエスデスに敬礼すると部屋を後にした、エスデスは部屋に一人になると。
「ナジェンダ、今の内に余生を楽しんでおけ、他の賊を蹂躙したら次はお前の番だ、首を洗って待っていろ」
エスデスは凶悪な笑みを浮かべていた、まがまがしいオーラを全身から放ちながら。