サヨが斬る!   作:ウィワクシア

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第二十話

   侵入者を斬る(後編)

 

突然現れた侵入者は600年前に作られた兵器「臣具人間」であった、生物型帝具に引けをとらない再生力をもちサヨ達は苦戦を強いられていた。

 

 

 

「あなたのマスター近くにいるんでしょ、どこ?」

 

むろん、あっさり言うとは思えない、何かの反応はすると思っていた、だが。

 

「マスター?なんだそれはそんなもの知らん!」

 

「知らんって、それでも生物型!?」

 

生物型ってマスターに忠実じゃなかったの、臣具だからそういう欠陥があるのかな、サヨはそう受けとることにした。

 

 

サヨとシェーレ、そして臣具人間は互いに構えている、するとラバが駆けつけてきた。

 

「突然糸の反応があったから駆けつけてみれば、奴は一体?」

 

「気をつけて、あいつは臣具人間よ」

 

「臣具人間?マジか、本当にいたのかよ」

 

「ラバ、知ってるの!?」

 

「ああ、噂でだけど」

 

さすが帝都で貸本屋やってるだけあってそういう噂に詳しい。

 

 

「あいつ以外に誰かいる?」

 

「いや、周りにあいつ以外いないよ」

 

 

「そう、じゃあラバの糸であいつを捕らえて」

 

「わかった」

 

ラバの加入で臣具人間から余裕が消えていた。

 

「さすがに三対一はきついな、ならば」

 

臣具人間は深呼吸をしてシェーのポーズをとった。

 

 

 

「奥の手発動!!」

 

 

 

「奥の手!?臣具なのに、マスターがいないのに使えるの!?」

 

サヨ達は臣具人間の奥の手に警戒している、その瞬間臣具人間はマインに飛びかかり、マインを拘束し窓から飛び降りた。

 

「しまった、ハッタリ!!」

 

 

自分達が一杯食わされたことに苛立った。

 

 

臣具人間はマインを捕まえ逃走している、いずれは追いつかれる、そう思った臣具人間はある行動にでた。

 

 

「ちょっ・・・」

 

 

いきなり臣具人間はマインの胸ぐらをつかんだ、そしてそのままマインの衣服を引きちぎった。

 

 

ビリビリビリ

 

 

 

「いやああああ!!」

 

 

マインの胸があらわになった、臣具人間は大興奮している。

 

「おおおお!!これこそ最高のちっぱいだー!!」

 

 

「み、見るなあー!!」

 

 

マインはあわてて胸を隠すも。

 

 

「よし、このちっぱいにベロチューをしておひらきとするか」

 

「や、やめろー!!」

 

「どうしてやめなければならないんだ、そのちっぱいとのベロチューを」

 

 

 

臣具人間はいやらしい顔つきでマインの腕をつかんで胸を再びあらわにした、そのまま臣具人間はマインの胸にしゃぶりついた。

 

 

「やああああああ!!」

 

 

マインの目から涙があふれだした、悔しさと恥ずかしさでいっぱいだった。

 

「こ、こんな奴にこんな辱め・・・やだ、パンプキンさえあればこんな奴・・・」

 

 

臣具人間はマインのちっぱいにベロチューをしてご満悦であった、だが、その時。

 

 

ズウウウウン!!!

 

 

後ろに何かが轟音とともに落下してきた、臣具人間が後ろを振り向いたその時。

 

 

 

グシャッ!!

 

 

 

突然臣具人間の頭部が木っ端みじんに砕かれた、そのまま地に倒れた。

 

 

「・・・」

 

マインは呆然としていた、目の前に見たことがない大男が立っていたから。

 

 

「・・・逃げろ」

 

 

男はマインに無表情で告げた、マインは胸を隠して逃げ出した。

 

「誰?味方なの?」

 

マインにはわからなかった、だが今はこの場を離れることしかマインにはできなかった。

 

 

バチッバチッバチッ シュュュゥゥゥ

 

 

 

臣具人間は砕かれた頭部の再生が終わった。

 

 

「まったく、愛のひと時を邪魔をするとは無粋な奴だな」

 

 

臣具人間はぼやきながら男を睨んだ、男はまったく動じず。

 

「変態に無粋呼ばわれされる言われはない」

 

 

「確かに僕は変態だ、だが・・・」

 

 

臣具人間は男にダッシュをした、臣具人間の手の平から刃が飛び出した。

 

 

「強い変態だよ」

 

 

ズバッ!!

 

 

臣具人間は男の左腕を斬り飛ばした、そのありさまを駆けつけたサヨ達は目の当たりにした。

 

「腕が・・・」

 

宙に斬り飛ばされた腕を見て絶句したが、その瞬間。

 

 

 

バチッバチッバチッ シュュュゥゥゥ

 

 

 

男の腕が突然再生を始めた、そして一瞬で元通りに腕が再生した。

 

「再生した!?まさかこの人も臣具人間?」

 

 

「それは違うぞ、サヨ」

 

頭上から声が聞こえた、サヨもよく知っている人物、ナイトレイドのボスナジェンダの声が、ナジェンダは空中から降りてきた、フードを被った一人の人間とともに。

 

「ボ、ボス?」

 

「スサノオは臣具などではない、スサノオは生物型帝具、帝具人間だ」

 

「帝具人間?」

 

突然のナジェンダの登場にサヨは呆然としている。

 

 

「臣具人間か、噂に聞いていたが実在したとはな」

 

ナジェンダは臣具人間を見ても取り乱していなかった。

 

 

「生物型相手ではお前の出番はなさそうだ、後ろに下がっていろチェルシー」

 

「了解」

 

すぐさまフードの人は後ろに下がって行った、声を聞く限り女性のようである。

 

 

「さて、さっそく奴を片付けるぞ」

 

「あの、帝具ということは奥の手あるんですか?」

 

サヨはナジェンダに質問するとナジェンダは。

 

「当然ある、だがこんな奴に使うのはもったいないからな」

 

いったいどんな奥の手なんだろう、とサヨは思った。

 

 

「あっ、ボス、気をつけてください、そいつ女性にいやらしいことをしてきます」

 

「何だと?」

 

 

「そんな真似はさせん、断じてな」

 

ラバは臣具人間の魔の手からナジェンダを命を懸けて守る決意を固めている、だが。

 

 

 

「安心しろ、僕は年増などに興味はない、僕が愛するのは美少女だけだ、

 そんな年増こっちから願い下げだ、ひっこめ年増!」

 

臣具人間はおもいっきり言い放った。

 

な、なんてことを・・・サヨはこれから起きるであろう出来事を想像し青ざめている、だが、ナジェンダは静かだった。

だがサヨには嵐の前の静けさに感じた。

 

 

ズズズズズズ

 

 

ナジェンダから何かがあふれてきている。

 

 

「・・・スサノオ、マスターとして命ずる、 その不愉快極まりない臣具人間をチリ一つ残さず殲滅しろ!!!」

 

 

ナジェンダの顔はまさに鬼神そのものだった。

 

 

「了解」

 

スサノオは冷静に返答した。

 

 

「うわあ、ナジェンダさんぶちギレている・・・」

 

「そりゃそうよ、あんなこと言われたら・・・」

 

サヨとラバはナジェンダを見て萎縮している。

 

「・・・」

 

サヨはあることを考えていた。

 

「ねえ、ラバ」

 

「何だい?」

 

「ボスっていくつなの?」

 

サヨは前にもナジェンダの歳は少し気になったが聞かずじまいになったが今回は聞かずにいられなかった。

 

 

「言ってなかったっけ? 25だよ、来年の3月で26」

 

「25!!? (思ってたよりも全然若い)」

 

サヨ本日最大の驚きであった。

 

「何だよその反応、もっと年上と思っていたのかよ?」

 

ラバは眉をひそめてサヨを睨んでいる。

 

「(まずい、そうだ) 違うわよボスは数年前に軍を抜けた時にはすでに将軍だったんでしょ、

  つまりもっと年少の時に将軍になったってことじゃ」

 

サヨは話題をそらしてきりぬけようとした。

 

 

「そういうことか、ナジェンダさんは二十歳の時に将軍になった」

 

「二十歳!?そんな若さでなれるものなの将軍って」

 

再びサヨは驚いた。

 

「驚くのも無理ないよ、なにしろ二十歳の女将軍は150年ぶりだったからさ、その当時は盛り上がったんだぜ」

 

ラバの顔はなにげに自慢げである。

 

 

「・・・しかし、しばらくしてもっとすごい奴が現れてしまう」

 

「それってもしかして」

 

サヨの心当たりはあの人物しかいなかった。

 

 

「そう、エスデスだよ、奴は18で将軍の地位に就いた、帝国軍史上初の十代女将軍の誕生さ」

 

ラバの顔に戦慄が走っている。

 

 

「18って、私よりたった二つ上なだけじゃない、それで将軍だなんて信じられない、ううん、

 ボスの二十歳も充分凄すぎる」

 

サヨはナジェンダをみつめて思った。

 

 

「(すごいわね、ナジェンダさん)」

 

サヨはナジェンダを一人の女性として尊敬した。

 

 

「何をしている二人とも集中しろ!!」

 

ナジェンダは二人に叱責した。

 

「おっと、いけねえ、集中、集中」

 

ラバは気合いを入れなおした。

 

「でも村雨の呪毒は生物型には効かないし」

 

「俺の糸もきついな、せめて核の位置がわかれば」

 

サヨはふと思い出した。

 

「そういえばあいつ下半身から再生したわ」

 

「本当か」

 

スサノオはサヨに確認をする。

 

「うん、あと私あいつの左足首斬りつけたけど」

 

「そうか」

 

スサノオは臣具人間を観察し始めた、すると臣具人間はスサノオに斬りかかった、スサノオも攻撃を防いだ。

 

 

 

「僕は臣具だから奥の手はない、だが、基本能力は圧倒的な差はないぞ、お前の核はその胸の勾玉だろ、だが僕の核の位置はわからないだろ、その分僕が有利だ」

 

 

臣具人間はほくそ笑んでいるがスサノオはまったく動じていない。

 

「いや、お前の核の位置はだいたい見当がついた」

 

「ハッタリだ!」

 

 

臣具人間はスサノオの言葉をハッタリととらえ無防備にスサノオに突っ込んで行く、スサノオは臣具人間の攻撃を受け流し臣具人間の右足を斬り飛ばした、切断された右足が宙を舞った、その瞬間、臣具人間の表情は一気に青ざめた。

 

 

「やはりお前の核は斬り飛ばした右足か」

 

「な、なぜだ、なぜわかった」

 

臣具人間はまったく理解できなかった。

 

「お前、つねに左足を前にだしていたからな、妙だと思った」

 

「たったそれだけで・・・」

 

「注意深く観察していれば難しいことではない」

 

「くっ、だがすぐにくっつければ」

 

臣具人間は飛ばされた足を拾おうとするも。

 

「させん!」

 

スサノオは臣具人間を力いっぱいぶっ飛ばした。

 

「よし、あとは奴の核を潰すだけだ」

 

スサノオは核がある右足のところへ向かおうとした。

 

 

「待って、それはアタシにやらせて!!」

 

スサノオは声がしたほうに向いた、そこには着替えなおしたマインとシェーレがいた。

 

「そいつにはさんざんいやらしいことをされたからね、その恨み晴らしてやる」

 

マインは復讐の炎を燃やしていた、スサノオはマインにまかすことにした。

 

 

「や、やめろ、ちっぱい!!」

 

臣具人間の顔は恐怖で引きつっていた。

 

 

「誰かちっぱいだー!!」

 

マインの怒りの銃撃が右足に炸裂した、内部にあった核が銃撃で木っ端みじんになった、その瞬間、臣具人間の体が白煙をあげボロボロと崩れていく。

 

 

「ぐわああああああ!!」

 

 

臣具人間は崩れ落ちる体を支えられず膝を屈した。

 

「く、くそ、最後にその股間にベ・・・」

 

その瞬間、臣具人間の頭が銃撃で木っ端みじんになった、臣具人間の体は完全に崩れ落ちて塵となった。

 

「ふざけるなー!!」

 

マインは顔を真っ赤にして激怒した、臣具人間との戦いは幕を閉じた。

 

 

「終わったな」

 

ナジェンダの怒りは消えていた。

 

「はい、圧勝でしたね」

 

サヨはスサノオの強さに感情が高ぶっている。

 

「当然だ、帝具が臣具に遅れをとるわけないだろう」

 

ナジェンダはクールであった。

 

「スサノオって人すごく強いし分析力も高い、これからすごく頼りになりそう」

 

サヨが感激しているとナジェンダが。

 

「ところでサヨ」

 

「?」

 

なんだろうとサヨが思っていると。

 

「お前、私の歳を聞いた時えらく驚いていたな、そんなに私は25に見えないか・・・」

 

ナジェンダは笑顔だが明らかに怒のオーラがあふれ出ていた。

 

 

「(こ、これはやばい、そうだ)」

 

サヨは妙案を思いついた。

 

「ところでボス、二十歳で将軍になられたんですね、ほんとすごいですね」

 

サヨは話題をそらして乗り切ろうとした。

 

 

「若くして出世することはそういいものではないぞ、それは激戦が絶えなかったということだ

 現に上官、同僚、部下が大勢死んでいった」

 

ナジェンダは寂しそうに語った。

 

そうか、その通りね、サヨは自分の配慮のなさを後悔した。

 

「す、すいません」

 

「別に謝る必要はない、私達は戦いのない世界を目指して戦っているのだからな」

 

「はい、その通りです」

 

サヨは笑顔で返答すると、ナジェンダはアジトを見て。

 

「帝国にここを発見されてしまった以上このアジトは放棄だな」

 

「あの、あの臣具人間は単独行動だったんで帝国には知られていないんじゃ」

 

「いや、万が一のことがあるかもしれん、やはり放棄だ」

 

「そうですね、でも、もったいないですね」

 

サヨはアジトの放棄に寂しさを感じた。

 

「ああ、このアジトにはいろいろ思い入れがあるからな」

 

 

ナジェンダはアジトが完成した日を思い出していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

アジトが完成した日、ナジェンダはアジトを眺めている、その隣にアカメがいた。

 

 

「いよいよ私達のアジトが完成したな、ナジェンダ」

 

アカメは完成したアジトを見て感激している。

 

「ああ、ここから私達の戦いが始まるんだ」

 

ナジェンダも興奮せずにいられなかった。

 

「腐敗した帝国を打倒して民が安らかに暮らせる国を造るため私は戦うぞ」

 

「ああ、共に戦おう」

 

「これからもよろしく頼むぞナジェンダ・・・ボス」

 

「ああ、よろしく頼む」

 

二人は笑顔で左の拳を合わせた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ナジェンダがアジト完成の日のことを思い出していると、仕事で帝都に赴いていたレオーネ、ブラート、イエヤスが帰ってきた。

 

 

「あれ、ボス、戻ってたんだ、てかその人誰?」

 

レオーネ達はイマイチ状況が把握していない。

 

「レオーネ達がいない間大変だったんですよ、特にマインが・・・」

 

シェーレはレオーネ達にいきさつを説明しようとすると。

 

「わー!!ちょっとシェーレ、余計なこと言わないで!!」

 

 

マインがあわてて止めようとするも。

 

 

「なになに?じっくり聞かせてよ」

 

レオーネは興味津々である。

 

「あんまりしつこいと撃ち抜くわよ」

 

マインの脅しにレオーネはまったく怯んでいない。

 

「ねえねえ、そこのあんた教えてよ」

 

レオーネはスサノオに質問した。

 

「ああ、それは・・・」

 

「ダメ!!」

 

マインはあわててスサノオの口を手でふさいだ、その光景を見てナジェンダは。

 

 

「私達はなんとか激戦を戦いぬいてきた、これからも激戦が続くだろう、新しい国を造る日まで私達を見守ってくれ

アカメ・・・」

 

 

東の空から朝日が昇った、いままでで一番眩しい朝日だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ついに帝具人間スサノオが登場しました、ナイトレイドの戦力が増加しました、物語がさらに盛り上がります、それにしても自分の文章全然うまくなりません、他の皆さんはどうやって上達しているのでしょう、とにかくこれからもよろしくお願いします。

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