サヨが斬る!   作:ウィワクシア

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最近蒸し暑くなって結構こたえます。


第百六話

磁力を斬る

 

 

 

アカメが死んだ・・・数ヶ月前に知らされた時はガク然とした、いずれは自分達の手で殺してやろうと思っていたからだ、困難な任務をこなしてきたのも全てはアカメを殺すための力をつけるためであり、革命軍のことなどはっきり言ってどうだっていいんだ、こんなことならアカメが革命軍に入った時に殺しておけばよかったと思う、だがもう手遅れである、アカメを殺せないのなら革命軍を抜けてもよかったのだがメラ様の名誉のために抜けるわけにはいかなかったのである、こうなったら開き直って任務の際の殺しを楽しむだけである。

 

 

 

 

今回の任務は賊の討伐で思う存分殺しを楽しめる、そう意気込んでいると賊が現れた、数は数十人で結構多い、でも多い方がより楽しめて都合いい。

 

 

あっという間に二人は囲まれてしまった、だが二人に怖がっている様子は微塵もない。

 

 

「結構いますわね」

 

「うん、でも私達の敵じゃないよ」

 

「さっさと蹴散らしますわよ」

 

「うん、今はどっちが多く殺せるかの競争だから」

 

「今回は変顔はほどほどに」

 

「わかった、姉様」

 

 

一方、賊達は突然現れた少女達にテンションが上がっていた、こんなへんぴなところに現れるとは思っていなかったからである。

 

 

「なかなか可愛いじゃないか」

 

「ああ」

 

「特にあの太股が・・・」

 

 

双子の藍色のミニスカートから伸びた太股に興奮している様を見て周りの賊は結構引いていた、その当人はそれがどうしたと言わんばかりである。

 

 

「俺が変態だと言いたいのか、それがどうした、俺達にまともな奴などいないだろう」

 

「そりゃそうだ」

 

 

賊になった時点でまともな人間を捨てている、それを改めて連中は認識したのであった。

 

 

「こんな稼業だ長生きはできん、ならば太く短く面白おかしく生きるまでだ」

 

「そうだな」

 

「じゃあ、とっととおっぱじめるとするか」

 

「顔は傷つけるなよ、殺した後も楽しみたいからな」

 

「お前もいい趣味してるじゃねえか」

 

「そうだな」

 

 

賊達はいやらしい顔つきで雑談を楽しんでいる、その様子を二人はしっかり見ていた。

 

 

「全く男は本当に下品ですわね」

 

「そうだね、さっさと殺しちゃおうよ」

 

「では、行きますわよ」

 

 

 

突然二人の少女が消えた、何だ!?と思った瞬間、男の首が空中に飛んでいる、それは二、三、と増え続けていた。

 

 

「なっ!?」

 

 

その首が仲間の首だと認識するのに数秒時間がかかった、それを行ったのが二人の少女だとさらに数秒かかった。

 

 

その間に仲間の数人の首が飛んだ、弄ぶはずだった少女達に逆に弄ばれてしまったのである。

 

 

 

こんなはずではなかった、全くこんなはずではなかった、あのガキ共の服を破り捨てて悲痛の泣き声を肴にして犯して楽しむはずだった、だが今は・・・

 

 

さらに数人が切り倒されてしまった、その強さは自分達よりはるかに上であった。

 

 

「何だ、あのガキどもバケモノか!?」

 

「ずらかるか!?」

 

 

ずらかる?あんなガキどもに恐れをなして逃げ出したらとことんナメられてしまう・・・

 

 

「バカ言うな、あのガキどもすげえ速さだが数は圧倒的に俺達が上だ、全員で一人に一斉にかかって殺すんだ、それしかねえ!」

 

「そうだな、やるぞ!」

 

 

残った賊は一人に狙いをつけて取り囲んだ、囲まれたのはミーラであった。

 

 

「全員で私に狙いをつけて潰すつもりですか・・・」

 

 

 

セコいやり方であるが知恵なしの賊共にしては知恵を絞った方であろう、確かにこれだけの数を一人で相手をするのは多少骨である。

 

 

「ですが私には無意味ですわ」

 

 

ミーラは刀を握った右腕を頭上に上げた、その動作を見たロリスはジャンプして左手で握った刀をミーラに向けて刀に念じた、するとミーラの体がロリスの方に引っ張られたのである。

 

 

その様を見た賊達は混乱し騒ぎ出した。

 

 

「何が起こった!?」

 

「空中移動しやがった!」

 

 

賊達はミーラが移動したかのように見えるが実際はそうではない、お互いの刀が引き寄せたのである。

 

 

 

臣具 「磁生双刀」  

 

 

二本の刀で構成される臣具である、性能は強力な磁力を発生するもので念じることでS極、N極両方に変えることができ引き寄せたり反発させたりすることができるのである、磁力の対象はそれぞれの刀に限定される。

 

 

現在ミーラの刀はS極、ロリスの刀はN極である、それゆえ引き寄せられたのである。

 

 

「ロリス!」

 

「うん、姉様!」

 

ロリスは刀に念じS極に変えた、その瞬間反発力が生まれミーラは賊の集団へ突っ込んで行った。

 

 

「お覚悟!」

 

 

勢いのままミーラは次々と賊を切り捨てて行った、賊は何が起こったのか全くわからず完全に混乱してしまった。

 

 

「何なんだ!?」

 

「知るか!」

 

「俺は逃げるぞ、やってられるか!」

 

 

賊達は一目散に逃げだそうとした、もちろん双子は見逃すつもりはない。

 

 

「姉様!」

 

「ええ!」

 

 

今度はミーラが刀をS極に変えてロリスを引っ張り上げた、引っ張り上げられたロリスは逃げだそうとする賊を片っ端から切り倒していった。

 

 

「一気にかたずけますわよ」

 

「うん、姉様」

 

 

二人は一人、また一人と賊を切り倒していく、何人か命ごいする者もいたが無視して次々と切り倒していった。

 

 

 

賊を切り倒していく様の中二人はこの刀をもらった日のことを思い出していた。

 

 

 

 

「それをやろう」

 

「・・・刀?」

 

「それは最強臣具と呼ばれた物の一つだ」

 

「何故私達に?」

 

「先日困難な任務を達成したからな、その見返りだ」

 

「別にお前のためにやったんじゃない、メラ様の名誉のためにやったんだ」

 

「思惑などどうでもいい、結果が第一だ」

 

「私達に渡していいんですか、いずれはこの刀でその首落とされることになりますわよ」

 

「お前達が弱すぎるから張り合いがないのだよ、これで少しは面白くなる」

 

「・・・いつか後悔させてやるよ」

 

「楽しみにしてるぞ」

 

 

 

 

本当にむかつくが奴との実力差はまだかなりある、今は絶対敵わない、だからもっと場数をこなさないと・・・

 

 

いつの間にか賊は残り一人だけになっていた、はっきり言って物足りなかった、だがこれで終わりではない、次の地点へ行き再び狩りを行うのだ。

 

 

「同時に切りつけますわよ」

 

「うん、姉様」

 

 

二人の斬撃は賊の両腕と首を切り飛ばした、目にも止まらぬ早業であった。

 

 

「とりあえずここは片付きましたわね」

 

「早く次行こうよ、全然物足りないよ」

 

「そうですわね」

 

 

二人は休憩もとらず次に向かうことにした、さらに強くなるためである、アカメの首を討ち取ることがかなわなくなった今となってはエヴァを殺し、メラルドの名誉を守ることが二人の目標なのである。

 

 




新しい臣具を載せました、文章が下手で性能がわかりづらいかもしれません、ようするに双子のコンビネーション技が強化されたと思ってください。

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