Re:ゼロから始める異世界生活~希望の剣掲げしサイヤの戦士~ 作:ファイナルスラッシュ
「はっ!」
気がつくとトランクスは街中にいた。しかし、そこは明らかに西の都ではなかった。
「そうか、俺は着いたのか。異世界に......」
そこはまるでおとぎ話や、RPGに出てくるような街並みであった。人々の服装もいかにもそういう物にでてきそうなものだ。
「おーい、そこの変わった服装の兄ちゃん。うちのリンガ買っていかないか?」
八百屋であろう店の店主がリンゴと思われる果実を持ってトランクスに話しかけてきた。
「(リンガ?そうか、世界が違えば物の名前も変わってくるのか。)すみません、俺ついさっき田舎からここに来たばかりでお金持ってなくて。それなのにすいませんがお願いしたいことがあるのですが......」
トランクスはその後、店の主人であるカドモンに色々なことを教わった。ここが親竜王国という別名を持つルグニカという国であることやその歴史、半年ほど前にこの国の王や王族にあたるもの達が全て病により死亡した事。新たな王を選ぶ王選が始まること。その話を聞いたトランクスは一つ確信を得た。
「王族全員の死亡......まず間違いないなくザマスが関わっているな。」
カドモンからサービスでもらったリンガを食べ歩きながらトランクスは情報を整理していく。この世界に旅立つ前に彼はある程度の情報を神から得てはいた。しかし、神に説明する時間がほとんどなかったことからかなりおおざっぱではあったものの。
(神様からの話では、ザマスが現れたのは確か半年前。直接ではないにしろザマスが何かしら関わっていることは間違いないな。)
ぐぅぅぅぅ
(まずいな、マイが亡くなってから食欲がなかったとはいえここ数日ほとんど口にしてなかったのがいけなかったな。まさか準備もほとんどなく飛ばされるとは......何にしてもまず食料と寝床を確保しないとな。)
リンガを口にして食欲を刺激された体がさらに栄養を求めようと腹を鳴らしてトランクスはまず目先の事をどうにかせねばと考える。元々サイヤ人はあまり燃費がいい方ではなく、ハーフとはいえトランクスも例外ではない。このままでは情けない話行き倒れなんてこともありえる。
「ん?なんだ、この気は?」
トランクスはこちらにかなりのスピードで向かってくる気を感じとるがそれはこの周辺にいる人間たちと少し違和感を感じるようなものであった。
「おーい!そこの兄ちゃんどいてくれー!」
「おっと!」
トランクスがよけると、そこを金髪の少女が駆け抜けていった。
「わるいな、じゃあなー!」
走り去って行く少女を見つめトランクスは。
「間違いない、今の女の子だ。妙な気の持ち主は。」
「あ、あのー!」
そこにまた今度は銀髪で耳が少しとがった少女がトランクスに話しかけてきた。
「すいません、いますばしっこい金髪の子供が来なかったですか!?」
「え?ええ、確か向こうの方に。どうかされたんですか?(なんだ?この子からも変わった気を。いや、これは......気が2つ?)」
トランクスはどういうわけか目の前の少女から気を2つ感じることに疑念を抱いた。
「それが、とっても大切な物を盗まれてしまって。どうしても取り返さないといけないんです!」
「......そうだったんですか。(さっきの子、盗賊だっということか。)でしたら俺も手伝います。俺にはさっきの子の気配というか、えっーと。まあ、居場所を感じることができますし。」
「え、手伝ってくれるんですか!?あ、でも会ったばかりの人にそんな...。」
「いえ、気にしないでください。困ったときはお互いさまといいますから。」
元来正義感が強いトランクスには目の前で困っている人がいるのに見過ごすという選択肢はなかった。
「あ、そうだ。自己紹介してなかったね。俺の名前はトランクスといいます。君の名前は?」
「え?あ、えっと......わ、私は......」
「エミリア。彼には名乗っても大丈夫なんじゃない?悪いやつには見えないし。」
突然声がしたかと思うとトランクスの目の前に子猫が現れた。
「うわっ!なな、なんだ?」
「おおー、いい反応だね?僕は精霊のパック。よろしくねー。」
(そうか、さっき感じたもう一つの気はこの猫のものか。)
「ああ、よろしく。で、君が......エミリア、でよかったかな?」
「...へ?あ、うん。私はエミリア。よろしくね。」
(.......何か訳あり見たいだな。)
「じゃあ、いきましょうか?」
「はい、よろしくお願いします」
どうも、トランクスです。まさか、あの子が盗賊だったとはな。さて、エミリアから盗んだものを返して貰わないと......なんだこの邪悪な気は?人間だとは思うが。正直いって今はベストコンディションじゃないからな。一気に行くしかない!
次回!VS腸狩りのエルザ!これが超サイヤ人だ!
絶対見てください!