ONE PIECE~重力の魔人~   作:ネコガミ

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本日投稿3話目になります


第86話

「それでは行ってきます」

 

あの後、ワームホールからビールの入った大樽を取りだし家で飲み始めた

 

ガープさんは食べるのがメインだったが、私はベルメールさんとノジコに絡まれ

ガッツリと酒を飲まされる事になった

 

2人共美人だし絡まれるのは嫌ではないのだがウワバミなので飲むのに付き合うのは

少々…いや、かなり疲れる

 

まぁ、ナミを迎えに行く事もあったので私は早々に寝たのだが、寝る前に追加の

酒樽を要求されて渡したら朝まで飲んでいたようだ

 

「行ってらっしゃい。私達は畑仕事をしたら一寝入りするわ」

「私に寝不足を注意しておいて自分達がなってどうするのですか…」

「あっはっはっは!久しぶりに思いっきり飲めたもんだからついね!」

 

私はベルメールさんの言葉に頭を抱える

 

「シュウ、行く前にビールの樽を置いていってよ」

「…後でナミに文句を言われても知りませんよ、ノジコ」

 

そう言いながらも私は酒樽を置く

 

「ガープさん、後はお願いします」

「おう!シュウがいない間にネズミめが来たらお灸を据えてやるわい!」

 

頼もしいガープさんの言葉を受けて私は踵を返す

 

「さて、オレンジの町に行くにはシェルズタウンから向かう方が早いですね」

 

そう呟きながら私はワームホールを開きシェルズタウンに転移した

 

 

 

 

「なんとか準備が終ったわね」

 

わたしは今、シロップ村の北側の坂の上にいる

 

昨日シロップ村に到着すると、私達を鼻の長い青年のウソップが待ち構えていた

 

どうやら海を見ていたら私達の船を見掛けたみたいね

 

その後、色々あってルフィがウソップを気に入ったようで行動を共にしていたのだけど

そうしたらとんでもない事がわかってしまったわ

 

今日、シロップ村を海賊が襲う計画をウソップが聞いてしまったの

 

その事をウソップがシロップ村の人達に教えたのだけど、普段からウソをついていたので

ウソップの言葉はシロップ村の人達に信じてもらえなかった

 

そこでウソップは海賊がシロップ村を襲う事をいつも通りのウソにする為に

1人でシロップ村を守る事を決意する

 

そんなウソップを粋に感じたのかルフィとゾロがシロップ村の防衛に参戦したわ

 

わたしは…早くココヤシ村に帰りたかったけど、シロップ村が海賊に襲われる事が

どこか昔のココヤシ村に重なってしまってシロップ村を出る事が出来なかった…

 

だから仕方ないと腹を括って私もシロップ村の防衛に参戦する事にしたわ

 

そして、今回襲ってくる海賊達の上陸予定地点である北側の坂に

私、ルフィ、ゾロ、そしてウソップが陣取っているというわけ

 

「ししし、早く来ねぇかなぁ?」

「あぁ、ずっと寝てたせいで体が鈍っちまったからな。解すのにちょうどいい」

「お前らぁ!もう少しマジメにしろぉ!」

 

ルフィとゾロの会話にウソップがツッコミを入れている

 

でも、膝が震えてるわよウソップ

 

「ウソップ、あんたよくこんなに油を集められたわね」

 

北側の坂には油が満遍なく撒かれている

 

この坂を登ろうと思うなら砂を撒いたりと手間がかかるでしょうね

 

「ふふん、俺様は日々芸術(アート)に余念がないからな。他にも落書き用のペンキや

 落とし穴を掘るためのスコップの場所等、シロップ村で俺が知らない場所は無いぜ!」

「あんた…普段からそんなにイタズラしてるの?」

 

シロップ村の朝はウソップが大声で村中にウソをつくことから始まると

聞いた時は頭が痛くなったわ…

 

「ししし、いいじゃねぇか面白ぇし」

「手応えのある奴がいるといいんだがな」

 

わたしは2人の言葉にため息を吐く

 

ルフィとゾロは東の海のルーキーとしては間違いなく強いわ

 

でも、覇気を使っている気配がまったく感じられないのよね

 

もし襲ってくる海賊達にルフィみたいに特定の方法じゃないと

攻撃が効かない相手がいたらと考えると不安になる

 

後は2人が防衛を忘れて敵に突っ込んでいく事ね

 

…なんか2人が突っ込む未来しか見えなくて不安になってきたわ

 

 

そんな事を考えて頭を抱えていると、どこからか雄叫びのような声が聞こえてきた

 

「…何この声?」

 

わたしは見聞色の覇気を使って気配を探る

 

風に乗って流れてくる多くの気配を南側に感じる

 

「あ―――っ!?」

 

ウソップがいきなり大声をあげた

 

「どうしたのよ?」

「南側にも上陸出来る場所があるのを忘れてた―――!」

 

こんな時になんで忘れるのよ!

 

ウソップが振り向く時に大きく腕が振られる

 

その腕はわたしに当たりそうになるけど見聞色を使っていたのが幸いして避ける事が出来た

 

「もう、危ないわね!」

「悪りぃ!俺は先に南側に行く!お前らも早く来いよ!」

 

そう言ってウソップは1人で走って行った

 

「南側って行ったら暖かそうな方だな!」

「こっちが北側ならあっちの方だろ」

 

続いてルフィとゾロが走り出すのだけど、2人共明後日の方向に走り出した

 

「本当に…何をやってるのよあんた達は!」

 

時間が無いのでルフィとゾロを放っておいてわたしも南側に走り出す

 

8年もの間ベルメールさんと海賊専門の泥棒として鍛えられた脚力で直ぐに

ウソップに追い付き、南側の上陸地点の坂で海賊達を迎え撃つのだった




次の投稿は13:00の予定です

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