ONE PIECE~重力の魔人~   作:ネコガミ

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第84話

「それではアーロン達を連れて行きますので後はお願いします」

 

あの後、私がアーロン一味を倒した事はすぐに広まり、アーロンの支配下にあった

村々で歓喜の声があがったのだった

 

アーロン達を拘束していた時に海獣の海牛が出現したが、こちらの言葉を多少理解できる

ようだったのでココヤシ村と周辺の村に被害を与えるのならば捌くと話し合いをしたら

海の向こうに去って行ったので大丈夫だろう

 

そして、今は交渉の為にアーロン一味を海軍本部に連れて行く所だ

 

「わかったわ。アーロンパークの中に残されていたお金はちゃんと分けておくわね。

 もっとも、今回の宴やアーロン達のせいで出来なかった結婚式なんかでパーッと使うから

 どの村でもほとんど残らないでしょうけど」

 

私の言葉にベルメールさんが応えてくる

 

これからはアーロンに搾取されないので戻ってきた税はあぶく銭として使う予定のようだ

 

「それと、アーロンパークの打ち壊しの方は大工の親方を集めて相談しておくわ」

 

アーロンの支配の象徴であったアーロンパークは支配下にあった村々が合同で

打ち壊しを行うことに決まった

 

これを祭り、宴として大々的に行うのだがその為の準備とココヤシ村を守る為に奮闘していた

ナミを待つため少し時間がかかることになる

 

だが、ココヤシ村を始めとして他の村の人達も笑顔で準備に奔走している

 

「おそらくですが、ゲストを1人連れて帰ると思いますのでそれもお願いします」

「わかったわ、こっちの事は気にせずにシュウの思う通りにやっちゃいなさい」

 

ベルメールさんが私の肩を叩きながらそう言ってくる

 

ベルメールさんの言葉に私は笑顔で頷き、アーロン達を連れて海軍本部に転移した

 

 

 

 

海軍本部に転移した後はちょっとした騒ぎになった

 

賞金稼ぎをしていた時は毎回討伐の証だけを持って海軍本部を訪れていて

賞金首を生かして連れて行った事がなかったからだ

 

なんだかんだと少し問答があったが今はアーロン達を引き渡してガープさんの執務室にいる

 

「すまんがもう少し待っとってくれ。センゴクもキリのいい所で書類整理を終えて

 こっちにくるじゃろうからな」

 

既にガープ中将には今回の交渉の事をおおまかにだが伝えてある

 

事の詳細はセンゴク元帥を交えて詰めるとの事でお茶を飲みながら待っている

 

そして、しばらくお茶を飲みながらガープさんと雑談しているとセンゴク元帥がやってきた

 

「待たせたね、シラカワ君」

「いえ、予定も伺わずに訪れたのは私の方ですから」

「うむ、その謙虚さを少しでもガープが持ってくれるといいのだが…」

 

そう言いながらセンゴク元帥がチラリとガープさんを見るが、ガープさんはどこ吹く風と

言わんばかりに鼻に小指を突っ込んでいる

 

…この祖父にしてあの孫ありといった所ですか

 

「さて、ガープからある程度聞いているが…改めてシラカワ君から聞かせてもらおうか」

 

私はセンゴク元帥の言葉に頷き話始める

 

「海軍第16支部のネズミ大佐…彼の対処に手を貸していただきたいのです」

 

私の言葉にセンゴク元帥とガープさんが頷く

 

「その対処にあたって東の海の海軍支部の上層部と話し合いとなると思いますが

 その際にアーロン達の身柄と討伐の手柄を手札としてお使いください」

「それは助かるが…本当にいいのかね?」

 

私はセンゴク元帥の言葉に頷く

 

「私自身の手でアーロン達を倒しココヤシ村を解放する事が出来ましたので構いませんよ」

 

そう言いながら私はお茶を一口飲む

 

「ですので、解放後のお祭り気分に水を差す輩の対処をお願いします」

 

ガープさんにはネズミ大佐がアーロンと癒着していた事、ナミが集めた財宝を奪いに

くるだろう事、そしてアーロンが集めた税を証拠品として取りにくるだろう事を話した

 

そして、ガープさんからその事をセンゴク元帥に伝えてもらってあるのだ

 

「それと、アーロン達から証言を得るために司法取引で1人ぐらい

 解放してしまっても構いません」

「…いいのかね?」

 

私はセンゴク元帥の言葉に微笑みながら答える

 

「私は今回の事の当事者ですから事の顛末をそれとなく知ることも出来るかと…

 そして、解放されたアーロン一味の者が過去の恨みから何者かに討たれて

 海に消えてしまうのもよくある話しかと…」

 

私の言葉にセンゴク元帥がため息を吐き、ガープさんが豪快に笑う

 

「ぶわっはっはっは!強かになったのう、シュウ!」

「…はぁ、そこまで君の想定の範囲なのかね?」

 

センゴク元帥が少し疲れ気味に言ってくる

 

ふむ、どうやら日々の激務で疲れているようですね

 

私のせいではありませんよ

 

「それと、ネズミ大佐が接収にきた現場を抑える方を派遣願います」

「センゴク、儂が行くぞ」

 

ガープさんの言葉にセンゴク元帥が頭を抱える

 

「…仕方ない、書類は私の方で処理をしておく。ガープ、お前の隊を後発させて東の海に

 送るから出発前に一言伝えておけ」

「わかったわい」

 

センゴク元帥が眼鏡を外して眉間を揉む

 

「シラカワ君、すまんがしばらくガープの世話を頼む」

「えぇ、ガープさんは二度も私の命を救ってくれた恩人ですので歓待させていただきますよ」

 

私の言葉にガープさんが豪快に笑う

 

「…これは一人言なのですが、シェルズタウンにコビーという青年がいます。

 その青年は明らかな力の差がある海賊を相手に膝を震えさせながらも啖呵をきる胆力と

 正義感を持っています。その青年は海軍将校を夢見ていてシェルズタウンの海軍に入ったと

 思いますが、東の海で埋もれさせるには惜しい人材かと…」

 

私の言葉にセンゴク元帥が今日初めての笑みを見せる

 

「異動の手続きはこちらで進めておく。ガープ、お前の目に止まる相手ならば

 電伝虫で私に一報入れろ」

「センゴク、其奴を預かるのは儂だろうな?」

「お前の所にはライトがいるだろうが」

「ライトはローグタウンに行っとるから暇なんじゃ」

「暇ならちゃんと書類を提出せんかバカ者が!」

 

変わらぬ2人の掛け合いに私は笑ってしまう

 

その後、私達の話し合いは終わり其々がネズミ大佐対処の為に動き出す

 

私は副官のボガードさんに話しを伝えたガープさんを伴いココヤシ村に転移した




本日は5話投稿します

次の投稿は9:00の予定です

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