ONE PIECE~重力の魔人~   作:ネコガミ

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本日投稿2話目です


第74話

「やだ!俺はシュウが断る事を断る!」

 

私はルフィの勧誘を断ったのだが逆に断られるというおかしな状況になっていた

 

その様子を見ていたフーシャ村の人達はため息を吐いている

 

「だから、俺の仲間になれ!」

「私にはやるべき事があります。なので、なんと言われようと貴方の仲間になりませんよ」

 

そう言った私にルフィは満面の笑みのままガープさんの手紙を渡してきた

 

意図はわからなかったが渡された手紙を読む

 

手紙には海賊になんてならずに~といった感じでルフィを海兵にしようとする

ガープさんの言葉が書かれている

 

手紙を読み進めていくと最後の方で今までと違う事が書かれていた

 

『どうしても海賊になって海に出るのならシュウを頼れ。ルフィの事じゃから

 航海術は持っておらんじゃろ?ルフィが海兵にならんのは残念じゃし諦めておらんが

 航海早々に遭難されるよりはマシじゃからな。 じいちゃんより愛を込めて』

 

手紙を読み終えた私は頭を抱える

 

そして確認の為にルフィに問いただした

 

「ルフィ…貴方は航海術を持っていないのですか?」

「おう!持ってねぇ!」

 

腕を組み胸を張って言い切るルフィにまた頭を抱える

 

「だから俺の仲間になれ!」

 

ガープさん…わかっていて私を手紙の使いにしましたね…

 

恩人のあの豪快な笑い方が今は憎たらしく感じる

 

さて…どうしましょうか?

 

私は顎に手を当てて考える

 

ルフィが航海術を持った者を仲間にするまで同行するのは構いません

 

ですが、その前にココヤシ村を開放したい

 

ルフィにその間待たせましょうか?

 

…何故かルフィは待たずに海に出ていくと確信してしまいますね

 

私はため息を一つ吐き頭を抱える

 

まんまとガープさんの企みに乗せられた思いがある

 

ガープさんとて数十年の間、人を率いる立場にあった人です

このぐらいはやっても不思議ではないですね…

 

私はチラッとルフィを見るとルフィがニッと歯を見せて笑う

 

その笑顔にはガープさんの面影がある

 

殴りたい、その笑顔

 

私はまた、ため息を吐いてしまう

 

ルフィを見捨ててココヤシ村に向かいましょうか?

 

それで私は胸を張ってナミ達に会うことが出来るのか?

 

…仕方ないですね

 

これも私がガープさんの手紙を届けると決めたから起きた事です

 

その責任は取らなければなりません

 

私はまた少し思考する

 

ココヤシ村を救うことは譲れない。そしてルフィに同行する…

この2つを果たす条件を考える

 

思考を纏めた私はルフィに考えを告げた

 

「ルフィ、貴方の仲間にはなりませんが同行はしても構いません」

 

私の言葉にルフィはしししと笑う

 

私は条件を受け入れなかった場合は即座に転移することを決めて

ルフィに話しを続けるのだった

 

 

 

 

「ルフィ、貴方の仲間にはなりませんが同行はしても構いません」

 

なんだ、シュウは仲間になってくれねぇのか

 

でも一緒にくるならその間に仲間に誘えばいいや

 

「ですが、同行するにあたって幾つか条件があります」

「条件?なんだ?」

 

シュウが仲間になるなら何でもいいぞ

 

「一つは船の進路を必ずココヤシ村に向ける事です」

 

ココヤシ村?

 

「私にはココヤシ村で成すべき事があります。その為にココヤシ村に向かう事を

 譲る事は出来ません。これを認められないのならば立ち去らせていただきます」

 

俺はシュウの言葉に頷く

 

「別にいいぞ。俺はココヤシ村がどこにあるのかわからねぇけどな」

「私が知っているのでそこは問題ありませんよ」

 

へぇ~、俺は海図を見ても方角とかぜんぜんわかんねぇのにやっぱシュウはすげぇな

 

「なんかココヤシ村でやる事があるって言ってたけど、俺も手伝うか…」

 

そこまで俺が喋るとシュウからもの凄い圧力がきた

 

「例え貴方がガープさんの孫であろうと私の成すべき事に

 手を出すのならば…叩き潰しますよ」

 

シュウの圧力で力が抜けて地面に膝をつきそうになる

 

俺は腹に力を入れて耐えた

 

「…わかった。悪かったな、シュウ」

「いえ、私も大人気ない対応でした」

 

そう言ったシュウからは圧力が消えた

 

…背中の冷や汗が止まらねぇ

 

だけど顔が笑っちまう

 

…思った通りシュウはすげぇ奴だ!

 

「もう1つの条件ですが、道中で補給の為に他の村などに寄った時に

 航海術を持った者を仲間にした場合、私は単身ココヤシ村に向かわせてもらいます」

 

そうすると、シュウを仲間にするには航海術を持った奴を仲間にする前に

シュウを仲間にしなくちゃならねぇって事か

 

「いいぞ」

「それではその条件で同行させていただきます」

 

シュウが差し出してきた手を握り返す

 

ししし、絶対に仲間にするからな!

 

「お―いマキノ!シュウの分も食料をくれ!宝払いな!」

「ふふふ、はいはい」

 

マキノが笑いながら港を離れていく

 

「食料代は自分で持ちますよ、ルフィ」

「いいから俺に任せろって、船長だからな!」

 

俺の言葉にシュウがため息を吐く

 

しばらく待っているとマキノが村の男衆を使って食料を入れた樽を持ってきてくれた

 

「ルフィ、お待たせ」

 

ししし!いよいよ冒険の始まりだ!

 

「出航だ―――!」

 

俺の号令で船は動き出す

 

フーシャ村の皆は船が見えなくなるまで手を振ってくれていた




次の投稿は11:00の予定です

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