ONE PIECE~重力の魔人~   作:ネコガミ

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本日の投稿5話目です


第66話

「昨日はすまなかった!シュウ!」

 

拠点の外に出た私を見つけたエースが土下座で謝罪をしてきている

 

「酒に酔っていたとはいえ、宴の席であんなことをしちまったのは詫びても詫びきれねぇ!」

 

あの後、マルコが酒で潰したと言ってきたのだが

どうやらエースの記憶はハッキリとしているらしい

 

「頭を上げてください、エース」

「すまねぇ!」

「そんな状態ではまともに話しも出来そうにないので頭を上げてください」

 

エースが地面に手をつけたままで頭だけを上げた

 

エースの顔を見ると今にも泣きそうに見える…見聞色でエースの感情を感じとってみるが

どうやら演技ではなさそうですね

 

「謝罪を受け入れます。なので立っていただけますか?エース」

「すまねぇ、シュウ」

 

エースが地面から手を離したところでその動きが止まる

 

「どうかしましたか?」

「いや…足が痺れていてな…」

 

苦笑いをしてくるエースに私も笑顔を返す

 

「あ~…シュウ?」

 

私の笑顔を見たエースの顔が引き吊っている

 

私はゆっくりとエースに近寄っていく

 

「ちょ、ちょっと待てシュウ!話せばわかる!」

 

エースの言葉による制止を無視してそのまま近づいていく

 

この時の私の顔は愉悦に満ちていたでしょう

 

私はエースに近づきその痺れている足に指を伸ばしていく

 

私の指が足に触れた時、エースの叫び声が拠点に響き渡った

 

 

 

 

「くっそ~、ひどい目にあったぜ…」

 

エースの叫び声で、すわ敵襲か!と白ひげ一味が拠点の外に出てきたのだが

そこにいたのは私と痺れた足をつつかれて悶えているエースだけだった

 

事態を理解した一同は大笑い

 

そして我先にと痺れているエースの足をつつきにきたのだった

 

「まったく、みんな大人気ねぇぜ」

「先に大人気無く決闘を仕掛けたのは貴方でしょう?」

 

私の言葉にエースが項垂れる

 

「それで、決闘はどうしますか?エース」

「…受けてくれるのか?」

「そういう約束ですからね」

 

酒の席の戯れ言として無かった事にされると思っていたのかエースが驚いている

 

「なぁシュウ、決闘を受けてくれるのなら条件を変えてもいいか?」

「…話しだけでも聞きましょう」

 

昨日は白ひげの一言で決闘の条件が決まったがそれを覆す程の条件なのでしょうか?

 

「もう親父の息子になれとは言わねぇよ」

 

エースが頭を掻きながら苦笑いをしている

 

そして一呼吸置いたエースは帽子を指で弾いて私に条件を告げた

 

「俺が勝ったらシュウは俺の義弟になる」

 

ニッと笑いそう告げてきたエースを見た私は笑いが込み上げてきた

 

「ククク…失礼しました。では、私の方も条件の変更を願いましょうか」

「あぁ、何でも言ってくれ」

 

私はエースが出した条件に見合うだろうものを告げる

 

「私が決闘に勝ったのなら、エースは私の友となっていただきましょう」

「おし!その条件飲んだぜ!」

 

その言葉と共にエースが拳を突きだしてくる

 

私は自身の拳をエースのものと合わせる

 

これで決闘の約定の成立ですね

 

「こういう話となりましたがよろしいですか?白ひげ」

「グララララ!当事者同士で話が纏まったのなら文句はねぇよ!」

 

白ひげが認めた事でこの決闘は正式に私とエースのものとなった

 

「よっしゃ!それじゃ決闘を始めようぜ、シュウ!」

「えぇ、ですが見届け人はどうしますか?」

「あ~、親父でいいんじゃないか?」

 

勢い込んだものの私達の決闘はいきなり躓いてしまった

 

「ニューゲートは病み上がりだ。見届け人は私が引き受けよう」

 

悩んでいた私達にレイ養祖父さんが名乗りを上げてくれた

 

「ではお願いします、レイ養祖父さん」

 

見届け人が決まったことで私とエースは距離を取って見合う

 

「おっとシュウ、昨日の詫びってことで1つ俺の情報を教えるぜ」

「…謝罪なら先程受けましたよ、エース」

「あれだけじゃあ俺の気が済まねぇんだ…」

 

エースは頭を掻いて私に願ってくる

 

どうにも憎めない相手ですね…

 

昨日の一件でも面倒だとは思ったが嫌いにはなれなかった

 

そして、決闘前に相手に情報を伝えるという非効率な事をするエースに

私は好感を抱いている

 

これがエースという人間の魅力なのでしょう

 

「…わかりました。ですが、これで貸し借り無しとしましょう」

「ありがとよ、シュウ」

 

一言礼を言ったエースが手を顔の横まであげる

 

そして、エースの手が火へと変化した

 

「俺が食った悪魔の実は自然系《メラメラの実》だ」

 

エースの火への変化は手から腕へ、そして体全体へと拡がっていく

 

「見ての通り俺の体は火そのもの…そして火を自在に操る」

 

帽子等の衣服まで火へと変化していたが次第にエースの形を構築していく

 

何事も無かったように元の姿に戻ったエースは斜に構える

 

そして、左手を腰に当て右手の人差し指で帽子を弾き不敵に笑って宣言する

 

「油断していると、火傷するぜ」

 

キザな立ち振舞いだがエースがやると不思議と嫌味には見えない

 

「さて、そろそろいいかな?」

 

見届け人であるレイ養祖父さんが私とエースに確認をとる

 

双方が頷きいよいよ決闘が始まる

 

「それでは、始め!」

 

レイ養祖父さんの合図でエースが構えをとる

 

私は初めての自然系能力者との戦いに気を引き締める

 

「まずは挨拶代わりだ。火傷するなよ、シュウ!」

 

エースが右拳を引いて構える

 

「火拳!」

 

気合い一閃の声と共にエースが右拳を突き出す

 

そして、エースの突き出された拳から放たれた火の大波が私へと押し寄せてくるのだった




これで本日の投稿は終わりです

また来週お会いしましょう^^

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