ONE PIECE~重力の魔人~   作:ネコガミ

57 / 162
本日投稿6話目です


第54話

「肩が凝ってしまったわい」

「いつもちゃんと提出せんか、バカ者が」

 

書類の処理を終わらせたガープさんとセンゴク元帥に連れられて

私とレイ養祖父さんは演習場に向かっていた

 

そして、演習場にたどり着くとそこには大きな男性がアイマスクをして寝ている姿と

隣で寝ているライト少年の姿があった

 

「何をサボっているんだ、バカ者共が!」

 

センゴク元帥の怒声が演習場に響く

 

「あらら、言われちゃったよ、ライト」

「俺の事じゃなくてクザンさんの事だろ、常識的に考えて」

「2人共だ!」

 

悪びれる様子もなく起き上がる2人に私達は歩いて近付いていく

 

「それで、ガープ中将とセンゴク元帥が揃い踏みですが…何かあったんで?」

「クザン、ちょいとライトを借りるぞ」

「あらら、ライトも大変だねぇ…ご自由にどうぞ、ガープ中将」

 

気の抜けるような声でクザンと呼ばれた男性はガープさんに応える

 

「ちょ、クザンさん!俺を売るのかよ!」

「若い内の苦労は何とかって言うでしょ?頑張んなさい、ライト」

 

眠そうに欠伸をしながらクザンさんはライト少年を押し出す

 

「ちっ、それでジ…ガープ中将、俺に何の用で?」

「おう、ライト。お前に手合わせをしてもらいたい相手がいるんじゃ」

「はぁ?なんで俺がそんなこと…」

 

そう言いながらもライト少年は私とレイ養祖父さんの方を見てくる

 

「で、どっちが相手なんだ?」

 

ふむ、傲慢と言える態度ですが察しは良いようですね

 

「シュウが相手じゃな」

「シュウ?聞いた事ねぇな…一応聞くけど、ジイさんの方じゃないだろ?」

「そっちはレイリーじゃな」

 

ガープの言葉にライト少年が目を見開く

 

「は!?レイリーって、シルバーズ・レイリーか!?」

「そうじゃ」

「なんで《冥王》がこんなとこにいるんだよ!

 シャボンディ諸島にいるんじゃないのか!?」

 

ライト少年が驚愕の表情のままに叫んでいる

 

「センゴク、海軍では彼のような少年兵にまで私の情報が廻っているのかな?」

「…いや、将校かシャボンディ諸島に赴任する一部の者達だけだ」

 

レイ養祖父さんが見定めるようにライト少年を見ている

 

「…何だよ、原作でこんな事あったか?俺がガープに捕まったから

 展開にズレが出たのか?いや、そもそも海賊を始めていきなりラスボスの

 ガープに遭遇するとかどんな無理ゲーだよ…」

 

ライト少年が何かぶつぶつと呟いている

 

「そうすると、彼個人が私の事を知っていたのか」

「ライトは勉強嫌いだが物事を良く知っている…だが、後先考えずに

 突っ走ってしまうところがあるが、若い故に仕方ない事だろう」

 

センゴク元帥がライト少年の人物をそう評していく

 

「ガープは彼を拾ったと言っていたが?」

「まだ12歳だというのに海賊の真似事をしていたのは事実だ。ガープがライトの

 故郷に送っていったのだが、ライトの親御さんに落ち着かせたいと言われたようでな

 それで礼儀見習いとしてガープが海軍本部まで連れて来たのだ」

 

12歳ということは私の3つ下ですか

 

「言動はアレだが、根は善良だ…だが、少々人見知りが激しくてな

 それを悟らせまいとああいった態度をよくとる」

 

まるで手の掛かる息子を語るようにセンゴク元帥が話していく

 

「相変わらず苦労しているようだな、センゴク」

「あぁ、だがそれに見合うだけの物をライトは持っているのだぞ、レイリー」

「ほう?なにかな、センゴク」

 

センゴク元帥は不敵に笑いながらレイ養祖父さんに告げる

 

「ライトは三大将すら持たない覇王色を含めた3種類の覇気の才を持っている」

「ほう…あの少年がね…」

 

レイ養祖父さんがライト少年を興味深そうに見る

 

「そして、海兵として有用な悪魔の実の能力も持っている…将来の海軍将校候補だ」

「なるほど…と、いうことらしいよ、シュウ」

 

どうやらレイ養祖父さんは私の為に情報を引き出してくれていたようだ

 

だがセンゴク元帥の表情を見るとその事をわかっていたようだ

 

「話してよろしかったのですか?」

「ライトは自分の才能を理解している。そのせいか、少々傲慢になっている所があってな…

 ガープの言葉じゃないが、シラカワ君がライトに勝てるのなら

 ライトの鼻っ柱を折るのに丁度いいだろう」

 

《仏のセンゴク》

 

その頭脳を持って数多の修羅場を潜り抜け海軍元帥にまで登り詰めた男

 

世の噂程度しか聞いた事がありませんでしたが…どうやら喰えない御仁のようですね

 

「それじゃそろそろ始めるかのう。クザン!暇なら審判でもせんか!」

「あらら、これはさっさと撤退してた方がよかったかねぇ…」

 

クザンさんが頭を掻きながら演習場の中央に向かう

 

「それじゃ、向こうに模擬戦用の武器があるから適当にとってきてちょうだい」

 

クザンさんの指差す方向を見ると幾つもの木製の武器があった

 

私は木剣を手にして演習場の中央に向かう

 

そこには既にライト少年が待っていた

 

「はぁ?武器を使うのかよ、だっせぇ!男なら素手だろうが!」

 

ライト少年が挑発するように私に言ってくる

 

だが、見聞色で感じるライト少年の気配は侮りに近いもののように感じる

 

「それに、刀なら未だしも直剣?なんだそりゃ!流行も知らないのかモブが!」

 

これが狙って挑発しているのなら大したものですが…さて、どうでしょうか?

 

「生憎、これしか扱い方を知らないものでして」

「はっ、すかしやがって!オリ主のこの俺が、モブのお前を

 きっちりと踏み台にしてやんよ!」

 

そう言ったライト少年が構えるがブンタ御祖父さんのような圧力は全く感じない

 

いや…むしろ隙だらけですね

 

だが、彼は3種類の覇気に悪魔の実の能力も有している男です…

油断しないようにしましょう

 

私もワノ国の修行で身に付けた構えをとる

 

「あ~、ケガしないようにね。面倒だから…それじゃ、始め」

 

なんとも気の抜けるクザンさんの開始の合図で私とライト少年の手合わせが始まった




次の投稿は19:00の予定です

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。