ONE PIECE~重力の魔人~   作:ネコガミ

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本日投稿4話目です


第152話

「はっはっは!俺の息子ながら凄い奴だ!」

 

黒ひげ一味の末路を見届けたシャンクスが息子であるシュウを称賛する

 

「ベックマン、1つ聞いていいか?」

「何だ?」

 

笑いを収めたシャンクスが副船長のベックマンに問い掛ける

 

「シュウと黒ひげの戦いなんだが、一見すると黒ひげを出血させていたシュウが優勢に

 見えただろうが、実際にはシュウの方が黒ひげよりもダメージが大きかった」

 

シャンクスの言葉にベックマンが頷く

 

「あのまま戦いを続けていれば黒ひげが勝った筈だ。なぜ黒ひげは決着を急いだんだ?」

「俺は白ひげの存在が原因だと思っている」

「白ひげの存在?」

 

そう言いながらシャンクスはベックマンの言葉に首を傾げる

 

「黒ひげがこの場に現れた理由を言っていただろう?『白ひげの首を取りに来たと』」

「確かにそうだな…」

 

「そして黒ひげはガープに対して白ひげを『お宝』と表現していた。黒ひげには白ひげの

 首を確実に確保するべき何らかの価値があったんだろう」

「それが黒ひげが決着を急いだ理由か?」

「おそらくな」

 

シャンクスはベックマンの答えに1つ頷くと後ろに振り返る

 

「と、言うことらしいな、ナミ」

 

シャンクスが振り返った先にはライフルを肩に担いだナミの姿があった

 

「シュウはその事も含めて読みきっていたのかしらね、お養父さん?」

「さあな。シュウの恋人であるナミがわからないものを俺が知る筈もないだろう」

 

そう言ってシャンクスは肩を竦める

 

「しかし、随分と派手にライフルを撃っていたな」

「弾代はお養父さん持ちだったからね♪」

「はっはっは!ちゃっかりしてるぜ!」

 

そう言って笑うシャンクスにつられる様にナミも笑う

 

「シュウの事を頼んだぜ、ナミ」

「えぇ、任せて」

 

そう言ってナミはシャンクスにウインクする

 

「そうだ、お養父さん。礼服を用意しておいてね」

「ん?どういう事だ?」

「わたしとシュウの結婚式に出席してもらうからよ♪」

 

ナミの言葉にシャンクスが目を見開く

 

「本当か!?いつだ!?」

「今回の一件が落ち着いたらかしら?」

「ベックマン!礼服はどこで仕立てたらいい!?」

「落ち着け、シャンクス」

 

慌てるシャンクスの姿に、赤髪海賊団の者達が笑うのだった

 

 

 

 

シュウが身体を穴だらけにして倒れている黒ひげに歩み寄っていく

 

「ジラ…ガワァ…!」

「おや、それほどの状態になっても意識があるとは…驚異的な精神力ですね」

 

既に死んでいてもおかしくない状態の黒ひげだったが、生存しており、

なおかつ意識まであったのだった

 

そんな黒ひげに油断無く備えながら、シュウはある人物達と話をする為に

ワームホールを開いた

 

「エース、聞こえますか?」

「おう?シュウか!聞こえるぜ!どうした?」

 

「黒ひげの意識がまだあるのですが、貴方が落とし前をつけますか?」

 

シュウの言葉に少しの間、エースは沈黙する

 

「いや、ティーチをそこまで追い詰めたのはシュウだ。俺は皆が

 俺の為に来てくれただけで満足さ」

「そうですか」

 

そう言ってシュウはエースとの間に開いているワームホールを閉じようとする

 

だが、ワームホールが閉じる前にエースが話し出した

 

「おっと、言い忘れてた!シュウ、ありがとな!」

「ククク、どう致しまして」

 

今度こそエースとの間のワームホールを閉じたシュウは、別の人物と話を始める

 

「エースは黒ひげの首をいらないそうです。なのでお買い上げいただけませんか、

 センゴク元帥?」

「ふむ、そやつの首にはどんな価値があるのかね?」

 

「白ひげの下で20年以上海賊として生き抜き、独立してから直ぐに七武海に成り上がった

 男です。インペルダウンを破った男をルーキーと発表するよりも多少は世間の心象が

 良くなると思いますよ」

「なるほど…いくらで売ってくれるのかな?」

 

「今回の一件が終わった後の宴…その費用を海軍持ちという事でいかがですか?」

「…わかった。それで手を打とうか」

 

シュウがセンゴク元帥との間のワームホールを閉じる前に、センゴク元帥の大きなため息が

聞こえてきたのだった

 

「さて、そういうことですので、貴方は《金獅子のシキ》に続くインペルダウンを

 破った男として名を残す事になります」

「ジラガワァ!」

 

こうして白ひげ一味と海軍本部の戦争は一応の終わりを迎える

 

だが、黒ひげは意識を失うまで血を吐きながらもシュウの名を呼び続けたのだった




次の投稿は15:00の予定です

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