ONE PIECE~重力の魔人~   作:ネコガミ

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本日投稿4話目です


第132話

「ゴムゴムのぉ―――!ブレット!」

 

ルフィの拳がクロコダイルの身体に叩き込まれる

 

だが、クロコダイルは歯を食い縛って義手でルフィを攻撃する

 

義手による攻撃で更に流血したルフィは膝をついてしまう

 

「させるかよ!」

 

膝をついたルフィを仕止めようと動いたクロコダイルを、ライトが殴り飛ばす

 

膝をついていたルフィは、息を大きく吸い込んで気合いを入れ直して立ち上がる

 

「そのまま休んでてもいいぞ、麦わら!」

「お前こそ休んでろ、ビリビリ!」

 

互いに悪態をつきながらも息の合っているライト達をクロコダイルが見据える

 

「…認めてやる、小僧共」

 

クロコダイルの言葉が地下に響く

 

「だが、この俺に勝つのはまだ早ぇ!」

 

クロコダイルの身体が砂となり渦を巻いていく

 

やがて渦は大きくなり、砂嵐となってライト達に襲い掛かる

 

ライト達は砂嵐に巻き上げられ、全身を砂に強かに打たれ傷をつけられていく

 

砂嵐が収まると、ライト達はドサッと力無く地面に落ちた

 

だが、直ぐに起き上がろうともがき始める

 

「ハァ、ハァ…何故起き上がれる?」

 

先程の技で息を切らしたクロコダイルが疑問の声を上げる

 

自身の最大級の技を受けても動く彼等の姿に、クロコダイルは取り戻しつつあった自信を失う

 

「俺が、お前をぶっ飛ばすんだ!」

「違う!俺がぶっ飛ばすんだ!」

 

ライトとルフィが、それぞれ立ち上がりながら雄叫びを上げる様に言う

 

クロコダイルは2人の気迫に一瞬身体が固まってしまう

 

その時、ライトとルフィは本能的に動き出した

 

「「おおおぉぉぉぉおおお!」」

 

《剃》で距離を詰めたライトがクロコダイルの腹を殴ってくの字に折り曲げる

 

そして、クロコダイルの身体を両足で突きあげる様にしてクロコダイルを上空へと飛ばす

 

ルフィは即座に反応して身体を捻り上げて、クロコダイルを追うように飛び上がる

 

「ゴムゴムのぉ―――!」

 

飛び上がったルフィの身体は捻り上げた反動で勢い良く横回転する

 

「スト―――ム!」

 

ルフィはまるで砂嵐のお返しをするように拳の嵐をクロコダイルの全身に叩き込んでいく

 

「おぉぉぉぉおお!」

 

ルフィはここで全て使いきるとばかりに拳を止めない

 

やがてルフィの拳の嵐が収まると、ルフィとクロコダイルは地面に無防備に落ちる

 

ルフィは大の字に倒れたままだが、クロコダイルが身体を起こす

 

「…小僧…共!」

 

クロコダイルの声に反応するルフィだが、限界を超えたのか起き上がる事が出来ない

 

バチバチ!

 

空気が爆ぜる様な音にクロコダイルが目を向ける

 

すると、そこには今までに無い程の電気を拳に纏わせたライトの姿があった

 

「こいつは、ちょっとシビレるぜ…!」

 

そう言ってライトは《剃》を使って踏み込む

 

「ライトニング・ナックル!(雷人の拳骨)」

 

右腕を覆い尽くす電気を纏ったライトの拳が、クロコダイルの身体に叩き込まれる

 

その拳は物理的な威力だけでなく、電気により内側から身体を焼いていく

 

ライトの一撃により限界を超えたクロコダイルは、ゆっくりと倒れていった

 

 

 

 

「…終わったか」

 

コブラ国王が倒れたクロコダイルを見ながらそう呟く

 

「えぇ…ですが、反乱軍への対処や、今回の一件を世界にどのように伝えるかの検討等

 やることはまだまだありますがね」

 

他にも、今回の一件について口裏を合わせる為の根回しやらもあったりと問題は山積みだ

 

シュウの言葉にコブラ国王は頷く

 

「わかっているよ、シラカワ博士。全ては王たる私の不徳が招いた事…

 その責任から逃れはせんよ」

 

そう言ってコブラ国王は娘であるビビへと目を向ける

 

「ビビ、しばらくは私の仕事を手伝ってもらうぞ」

「はい、お父様」

 

コブラ国王はビビの言葉に頷く

 

「一応言っておかぬと、また直ぐに外に行ってしまうかもしれぬからな、ハッハッハッ!」

「お父様!」

 

ビビがコブラ国王に抗議するように声を上げる

 

そんな父娘の様子に、シュウとナミは目を見合わせると笑うのだった




次の投稿は15:00の予定です

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