ONE PIECE~重力の魔人~   作:ネコガミ

106 / 162
本日投稿5話目になります


第103話

棘のマントの上からルフィに殴り飛ばされたクリークだったが流石に5000人の部下を

率いていた一味の頭だけあって直ぐに立ち上がる

 

そして、強い衝撃を与えると爆発を起こす『大戦槍』を手にしたクリークは身に付けている

総重量1トンを超える武装とそれを扱う自らの力を《武力》と称した

 

それらの武力を用いてクリークが戦いを優位に進めて行くが死を恐れぬ

ルフィの信念に少しずつ押され出していく

 

「ゴムゴムのぉ―――!」

 

ヒレの足場に座礁していたクリーク海賊団本船のメインマストをルフィが駆け上がって行く

 

狭い足場を踏み外せば能力者には致命的となる海へ落ちるという情況を作り出し

ルフィへ重圧を掛けようとクリークが誘い込んだのだ

 

この様な情況を作り出したクリークの戦いの巧さは海の男として

確かな経験を積んできたからだろう

 

駆け寄ってくるルフィにクリークが大戦槍を振り下ろし爆発が起こる

 

だが、ルフィは怯まずに踏み込んでいく

 

そして…

 

「バズーカ!」

 

ルフィのゴムの収縮を利用した諸手での掌底突きがクリークの腹に叩き込まれる

 

ルフィの一撃に寄りメインマストから弾き出されて海に落ちていくクリークだが

鎧の恩恵に依りダメージが無いからか高笑いをしている

 

「ゴムゴムのぉ―――!」

 

そんなクリークを意に介さずにルフィは二度諸手を伸ばして飛び上がる

 

後先を考えないルフィの行動にクリークが目を見開き固まる

 

「バズーカ!」

 

二度叩き込まれたルフィの諸手での掌底突きはクリーク自慢のウーツ鋼の鎧を破壊して見せた

 

だが…

 

「てめぇも一緒に落ちやがれ、カナヅチ野郎!」

 

クリークはルフィを海に引きずり込むべく網を投げてルフィを捕らえる

 

捕らえられたルフィだが網の隙間から手足を出すと全身を捻り上げて両足で

クリークの顔を挟み込む

 

「たまにいるのさ、一度敵と決めたら死ぬまで戦っちまうバカな奴が」

 

どんな情況でも怯まないルフィに驚愕しているサンジにゼフが教える

 

「時には100の兵器よりも腹に据えた1つの槍が勝ることがある。それが信念だ!」

 

信念…と、サンジが反芻するように呟きルフィの戦いを見届けて行く

 

「ゴムゴムのぉ―――!」

 

両足でクリークの顔を挟み込んだルフィが全身を使ってクリークの巨体を持ち上げる

 

捻られたゴムの反発作用によって横回転を加えられながら

クリークが空高く持ち上げられていく

 

そして…

 

「大槌!!」

 

勢い良くヒレの足場に頭から叩きつけられたクリークは意識を失う

 

だが、この一撃により戦いの決着がつき緊張が解けたルフィも全ての力を

出しきっていたために意識を失ってしまう

 

ゆっくりと目を閉じたルフィはそのまま海へと落ちていったのだった

 

 

 

 

「世話になったな、サンジさん」

 

海に落ちたルフィをサンジが助け出した後、賞金首ですら無いルーキーに敗れたクリークが

自暴自棄になって暴れだすがギンが腹に一撃入れてクリークを抑え込んだ

 

そして、戦いに敗れたクリーク海賊団をまとめ上げたギンが立ち去る前に

サンジに挨拶をしている所だ

 

「もう一度、俺が憧れた男であるドン・クリークとやり直してみる…命があったらな」

 

そう言ったギンは口から血を吐き出す

 

「なぁ博士。あんた、あいつの毒を治す薬とか持ってないのかよぉ?」

 

ウソップの言葉に答えるように私はワームホールから錠剤を1つ取り出す

 

賞金稼ぎ時代に毒を使う賞金首と戦う機会があったので

休養の時に既存の毒の中和剤を少しずつ製薬していたのだ

 

私が錠剤を取り出すのを見たサンジが私の手から錠剤を

引ったくるようにして取るとギンに錠剤を投げ渡した

 

「サンジさん…」

「いいから、とっとと飲んじまえ」

 

サンジに促されギンが毒の中和剤を飲み込む

 

「あ~あ、薬だって無料じゃないのに…」

「ククク、戦いの見物料としておきましょうか」

 

呆れるように言うナミを私が宥めているとクリークを担いだギンが踵を返す

 

「達者でな、サンジさん」

 

そう言ったギンはクリーク海賊団が立ち去る為にゼフが提供した小船に乗り込む

 

未だに気絶しているクリークに代わりギンが指揮をして船を出航させて

クリーク海賊団は海の向こうに去って行くのだった

 

 

 

 

「なぁ~、俺の仲間になれよ~」

 

クリークとの戦いを終えてボロボロになったルフィを代金を持つと言ったゼフの依頼で

治療するとルフィが目を覚ました

 

そして、戦いを見届けた私達はココヤシ村に帰ろうとしたのだが

こうしてルフィに勧誘を受けている所である

 

しかし、このルフィの諦めないしつこさというか信念を見ていると彼は将来大物に

なるのではと思えてくるから不思議だ

 

「い・や・よ!」

 

ハッキリと断るナミにルフィが口を尖らせながらブーブーと言っている

 

「ルフィ、近々ココヤシ村を中心として宴をするので良かったら立ち寄ってください」

「おう!肉を一杯用意しておいてくれ!怪我を治すには肉が一番だからな!」

 

確かに筋肉の栄養としてたんぱく質が必要だがルフィはそれを知っているのか?

 

…多分、直感とか本能だろうな

 

「わかりました。では、また会いましょう」

 

その一言を皮切りに私とナミはベルメールさん達と合流する

 

サンジが涙を流しながらベルメールさんとノジコとの別れを惜しんでいる

 

手を振ってくるバラティエのコック達に手を振り返した私達は

ワームホールによる転移でココヤシ村に帰還したのだった




これで本日の投稿は終わりです

また来週お会いしましょう^^

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。