ONE PIECE~重力の魔人~   作:ネコガミ

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本日投稿3話目です


第101話

「もう、二度と負けねぇ!鷹の目にも!シラカワにも!」

 

ゾロが刀を天に突き上げ号泣しながら誓っている

 

圧倒的な力量差を目の当たりにしても心折れないその信念は称賛ものだ

 

だが、何故に私にも負けないと言うのだろうか?

 

私は剣を使うが純粋な剣士ではありませんよ

 

「シラカワ、良き手合わせだった」

 

黒刀を背中に背負ったミホークが私に話し掛けてくる

 

今回はなんとか引き分ける事が出来たがこれが命のやり取りとなる決闘だったら

この結果にはならなかっただろう

 

「まさか既に壁を超えているとは思わなかったがな」

 

ニヤリと笑いながらミホークがそう言ってくるが正直な所自覚はない

 

「貴様の父親もそうだった…1つ海を超える度に大きくなっていった」

 

私の父さんも?

 

「シラカワ、貴様が何を成したのかは知らぬがこちら側に来た事を自覚しろ」

 

成した…アーロンを倒した事でしょうか?

 

確かにアーロンを倒したあの時、目の前が晴れたような感覚がありましたが…

 

「奴に良い土産話が出来た。シラカワやあの麦わらの小僧の事を肴に酒を飲むとしよう」

 

どうやらミホークは父さんに酒を集りにいく気らしい

 

「さらばだシラカワ。機会があればまた手合わせを頼もう」

 

そう言ってミホークは踵を返す

 

「ロロノア!高みにて貴様を待つ!」

 

ミホークはそう言い残して己の船に乗り込む

 

そして、私が渡したワインを楽しみながらミホークは海の向こうへと去って行った

 

ミホークが去るのを見届けた私はナミ達の所へと転移をして戻る

 

戻った私を待っていたのはクリーク海賊団を含めた注目の視線だった

 

「この場にいる全員があんたの動向が気になるのよ」

 

首を傾げていた私にベルメールさんがそう言ってくる

 

「東の海では明らかに異質とも言える力を持ったあんたがここにいるんだから

 海賊達が二の足を踏んでも仕方ないでしょう?」

 

どうやらこの場を取り巻く微妙な空気は私とミホークが色々とやり過ぎた結果のようだ

 

私が1人納得をしているとナミが私のコートの裾をそっと掴んでくる

 

「いかがでしたか、ナミ?」

「…格好良かったわよ、シュウ」

 

ナミは少しの間俯いていたがすぐに笑顔を見せてくれた

 

「シュウ、ゾロの治療をしてくれてありがとな」

 

ナミの笑顔に見惚れているとルフィが近くに来て礼を言ってきた

 

「構いませんよ、ルフィ」

「そうか、じゃあ仲間になれよ」

「話の脈絡が繋がってませんよ、ルフィ」

 

相変わらず勧誘をしてくるルフィに苦笑いをするしかない

 

「そこのてめぇ!てめぇは俺達と敵対すんのか?!」

 

そんな声に振り向くとクリークの姿があった

 

「うちの客に手を出すな!」

 

私が答えようとしたその時、オーナーのゼフが代わりに声を上げていた

 

「今回の一件はうちのボケナスが発端だ。悪いが客人は手を出さねぇでくれ」

「わかりました。こちらに手を出されない限り静観しましょう」

 

私がゼフの言葉に返事をするとクリークが笑い声を上げる

 

「てめぇでてめぇの首を締めるとはな!」

 

そう言って笑うクリークに続いて海賊達も笑う

 

「そう言う訳だ!奴は気にしなくていい!行けぇ!」

 

クリークの号令でバラティエを巡る戦いが再開される

 

戦いが再開されるとルフィはゾロ達の所へと向かった

 

海賊狩りとして東の海では名が売れているゾロを討ち取り

名を上げようとする輩がいるからだ

 

ゾロを狙い押し寄せる海賊達はルフィに次々と海に叩き落とされている

 

ウソップもスリングショットを用いて活躍を見せている

 

シロップ村で別れてそれほど時が経っていないが海での経験が彼を成長させたようだ

 

目をコック達の方へと移すとしばらくの間はバラティエのコック達が優勢だったが、

パールと名乗る全身に盾を纏った大男が姿を見せると戦況は逆転した

 

パールが両手に持った盾でコック達を薙ぎ払って行く

 

そんな情況を見たサンジが動き出した

 

「フ~…クソジジイは大人しくしてろよ」

「ふん!ボケナスが」

 

パールが暴れているヒレの足場へとサンジが跳び下りる

 

煙草を吹かし、ズボンのポケットに両手を入れたままサンジがパールを見据える

 

「鉄壁!故に無敵!」

 

パールが両手の盾でサンジに殴り掛かるがサンジは余裕を持って避ける

 

そして、パールの盾に覆われていない顔を蹴り抜いた

 

「鉄壁がなんだって?」

 

紫煙を吐き出しながらサンジが言うとパールが二度サンジに殴り掛かる

 

だが、先程の光景の繰り返しのようにサンジはパールの顔を蹴り抜く

 

体が大きい故かパールは打たれ強いようで倒れないが鼻血を流した事で慌て出す

 

「危険!危険!」

 

パールは両手に持った盾を打ち合わせるとそれで起こった火花で盾に火をつけた

 

そして、パールは隠し持っていた鉄球にも火をつけると辺りにばらまき出した

 

「あいつらバラティエを奪うんじゃなかったの?」

「たまにいるのよねぇ…後先考えずに本能で動いちゃう奴が」

 

ナミの疑問にベルメールさんが答えを返す

 

パールを止めようとサンジが蹴り飛ばすがそれが逆効果となりパールは更に暴れだす

 

暴れるパールが投げた火のついた鉄球がバラティエの店内に向かって行く

 

だが、オーナーのゼフが義足の右足を一振りするとその風圧で鉄球の火を吹き飛ばした

 

「片足でもこの程度は造作もねぇ」

 

そんなゼフの様子を見たサンジは頭を1つ掻いてからパールとの戦いを再開する

 

そして、サンジがパールを圧倒して行くのだが俺はこちらに近づく気配を見聞色で感じとる

 

その気配に目を向けるとクリーク海賊団の1人であるギンがゼフに奇襲を仕掛けて

ゼフの義足を折ることに成功する

 

義足を失ったゼフを人質にとったギンはサンジに抵抗を止めることを要求した

 

そして、ゼフを人質にとられたサンジはパールにボロボロにされていくのだった




次の投稿は13:00の予定です

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