ONE PIECE~重力の魔人~   作:ネコガミ

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短いですが区切りがよかったので投稿します
あと2話ぐらいで過去編をまとめられるだろうか…(汗


第7話

「それじゃみんな、行ってきます」

 

家族のみんながわたしを見送るためにガープさんの船が止まっている入江にやってきた

ユカリお姉ちゃんとヒカリはもう泣いてしまっている。可愛い顔が台無しよ2人とも。

 

「アカリ、元気に頑張るのですわ!」

「アカリお姉ちゃん!何かされたらヒカリに言うのです!斬り落としてやるのです!」

「ヒカリ…どこでそんな言葉を覚えたのよ」

「お頭さん達が言っていたのです!」

 

なにやってるのよお頭さん!お母様がお話しにいったらどうするの!

 

「あらあら、山賊さん達と後でお話しをしないといけないわね」

「シオリ…ほどほどに加減してあげるのだ」

 

お頭さん…御愁傷様

 

「そろそろ出航するぞアカリ」

「わかったわガープさん。お母様、お父さん、ユカリお姉ちゃん、ヒカリ、みんな元気でね!」

「いってらっしゃい、アカリ」

「いつでも帰ってくるのだアカリ」

 

ユカリお姉ちゃんとヒカリはお母様に抱きついて泣いているわね…

お父さんはそれを見て羨ましそうにしているわ

 

「出航じゃ―――!」

 

ガープさんの号令で船が動き出す。わたしはみんなが見えなくなるまで手を振る。

家族のみんなも同じく手を振ってくれた…いってきます、みんな!

 

 

 

 

海軍本部に到着してからは座学を中心に海の事を勉強していった。

ガープさんにスカウトされたわたしだけど、海兵としては新米だから仕方ないことだと思う。

 

航海術や書類の書き方、算数や悪魔の実の知識なんかも教えてもらった

《六式》という超人的体術もあるみたいだけど、それは追々教えてもらえるみたいね

但し、できるかどうかは本人次第らしいわ

 

海兵になった以上、座学だけではやっていけない。後方支援専門だろうと海賊と

戦うことになる事もあるから戦い方を学ばないといけない

 

そして、同期の人達と手合わせをしていったのだけど、わたしは連戦連勝をした。

2種類の覇気を使えて、悪魔の実の能力もあるから年齢の近い少年少女達では

正直なところ相手にならないのよね。

 

そんなわたしに刈り上げた独特の髪型をした女の子が手合わせを挑んできた

 

 

 

 

「強いわねあなた、私と勝負しない?」

「あなたは?」

「私はベルメール!東の海のココヤシ村の出身よ!」

 

東の海は最弱の海と称されている場所だ。勇ましい女の子だけど、勝負になるかしら?

 

「わたしはシラカワ・アカリ、ワノ国の出身よ」

「アカリね、よろしく!それじゃ、勝負しましょう!」

 

そう言って彼女は模擬銃の銃身部分を持って構えた。銃身の長い銃を棒代わりに使うのかしら?

わたしも模擬剣を構える、お母様に散々鍛えられた基本の構えだ

 

「それじゃ、行くわよ!」

 

ベルメールが模擬銃を振りかぶり叩きつけてくる。わたしは1歩横に動いて避ける

 

「よっと!」

 

そう掛け声を出してベルメールは上段からの攻撃を横殴りに変えてくる。

今までの人達はまだ体が出来てないからか、一振りごとに体が流れていたのだけど、

彼女はそうならずに攻撃を繋げてくる…予想以上ね、でも

 

「甘いわ!」

 

横殴りにしてきた模擬銃をわたしは模擬剣で受け止める。このままこれを後ろに流して

お腹に寸止めしてこの勝負は終わりね

 

そう思った時、模擬銃の本来の持ち手部分を剣に引っかけられて引っ張られてしまう。

前につんのめるようにして体勢を崩したわたしはベルメールに場所を入れかえるようにして

地面に転がされてしまう。

 

「ふふん、私の勝ちね」

 

仰向けになったわたしに馬乗りになったベルメールは模擬銃の銃口を

わたしの額に突きつけて勝ちを宣言する…海軍に来てから初めての完敗だった

 

 

 

 

ベルメールとの手合わせから2年程、わたしとベルメールは幾度も手合わせをして

今では親友と言えるほど仲が良くなった。ちなみに手合わせはわたしが勝ち越している。

でも、覇気も能力もないベルメールに今も何度も負けている。

 

「はいベルメール、今日の戦利品」

「ご馳走様、アカリ」

「はぁ…」

「どうしたのよアカリ?」

「…なんでベルメールは時折、見聞色の覇気でも読めない動きをしてくるのかなって」

「う~ん、女のカン?」

「なによそれ」

「あっはっはっは!いい女の特権よ♪」

 

今日の手合わせの勝利報酬として、わたしのおごりでデザートを食べているベルメールが

そう言ってくる。この2年で散々思い知ったことだけど、わたしと違って

彼女は天然の天才なのよね

 

「明日はわたしがおごってもらうからね」

「やれるものならやってみなさい」

 

そう言ったベルメールと顔を見合わせて笑う。うん、こういうのっていいわよね

 

「そう言えばアカリ、今度の任務ではどこにいくのよ?」

「シャボンディ諸島ね」

「シャボンディ諸島かぁ…マックスが言っていたけど、あまりいい所じゃないみたいよ」

 

マックスは先月、ベルメールが付き合い始めた先輩海兵でガープさんに直接鍛えて

もらっているガープさんの直弟子でもある。所謂、若手のホープね

 

「そうなの?」

「昨日のデートの時に言ってたわ、できればもう行きたくないって」

 

デート…

 

「幸せそうねぇ」

「あいつが中尉に昇進したからお祝い代わりにデートしたんだけど、

 思ってたよりもヘタレだったわ」

「ヘタレって…」

「デートの終わりに目をつぶってやったのに、狼狽えるばかりで何もしてこないのよ?

 十分にヘタレじゃない」

 

確かマックスって今年15歳だったはずよね

 

「マックスは15歳で成人したけど、ベルメールはまだ12歳だから遠慮したんじゃない?」

「いいえ、あいつはただのヘタレよ。ムカついたから胸ぐら掴んで引き寄せてこっちから

 キスしてやったら顔を真っ赤にして固まっていたもの」

「うわぁ…」

 

なんというかベルメールらしいのだけど…ヘタレ認定されちゃったマックスが憐れね

 

「マックスがロリコン呼ばわりされないといいんだけど…」

「その覚悟も無しに年下の私に告白をしてきたほうが悪いわね」

「まぁそうなんだけど…」

 

ベルメールとマックスの馴れ初めは2ヵ月前の任務で一緒になったのが始まりだ

 

航路の巡回中に白ヒゲの傘下と交戦することになり、その戦いの最中にマックスが

海に投げ出されてしまった。彼は悪魔の実の能力者だから泳げなかったのだけど、

その彼を助けたのがベルメールなのだ

 

そのお礼にマックスがベルメールを食事に誘ってからも幾度か会ったりしている内に

マックスがベルメールに本気で惚れてしまい、先月ついに告白をした。

 

ベルメールは『告白するのが遅いわよヘタレ!』とか言っていたけど、

顔を真っ赤にしていたから照れ隠しで言っただけでしょうね…羨ましい

 

「まったく、私のファーストキスだったっていうのに雰囲気もなにもなかったわ」

「その割りには随分と顔がにやけているみたいだけど?」

「う~ん、今日のデザートは甘いわね♪これが幸せの味ってやつかしら?」

 

わたしも素敵な恋人が欲しいなぁ…妬ましい

 

「ぜっっったいに明日はベルメールにおごらせてみせるからね!」

「あっはっはっは!やれるものならやってみなさい!」

 

こうして親友とのいつもの日常が過ぎていく。そして後日、わたしは1ヶ月程

シャボンディ諸島に短期赴任することなったのだった




この世界では戦国時代よろしく、15歳で成人とさせていただきます
助長、蛇足の拙作ですがよろしくお願いします

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