まじっく★すぱーく   作:草賀魔裟斗

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今回の話は♠Aと♠2の間です
分かりにくい書き方で申し訳ありません
♠は主にspadeを軸に話を書きますが
♥はハート怪盗団を中心に書いていきます


♥A

世の中にはHEROと呼ばれる人々が少なからずいる

それに憧れる人も多い

そして彼女もまた、HEROに憧れる少女である

 

先日の23:50

ビルの周りを警察が包囲していた

ここの警察は我々の知る警察ではない

異能力者の逮捕または射殺…

後者のほうが圧倒的に多いが

それを目的とした機関であり

他国の軍にも勝るとも劣らない力を有している

エリート集団だ

しかし非異能力者が圧倒的に多く

殉職者が多いのも実情である

しかし、その脅威の軍事力と強行手段も辞さない冷徹さから

マッドポリス…MPの略で呼ばれる場合が多い

そんなMPの隊員の視線がビルの屋上に向けられる

そこにいたのは四人の少女だ

そのうちの一人が古びた本を手にしていた

MPの一人が叫ぶ

「ハート怪盗団だ!一斉に撃て!」

ハート怪盗団も説明しなければなるまい

彼女たちはハート怪盗団を名乗り

汚職を行っている政治家等の書斎から古い小説を盗むという奇っ怪な怪盗団である

「ほら霊夢、防御してくれ」

霊夢はハート怪盗団にいるときは素顔が表に出るのを防ぐため狐の仮面で素顔を隠しているので魔理沙は霊夢に小声で告げた

「ったく…すぐこうなる」

霊夢は鎖に変化する能力を応用し

弾丸の速度を殺した

原理は弾丸を鎖に一時期に変化させ

進行方向と反対に伸ばす

弾丸は目視では伸びている風に見えるが実際に伸びているわけではなく

弾丸を鎖型にするそして質量のある残像が重ならせ鎖状にしている

例えるなら鎖の存在をコピー&ペーストしているのだ

そのため、弾丸自体の質量とは別のまた大きな質量を持ったものが逆方向へと強大な力で弾丸を引っ張るため勢いが消える

あとは鎖をもう一度、弾丸に戻し

キャッチする

その際、質量のある残像は消える

驚くのはそれを一瞬にしかも複数個、こなしてしまうことだ

霊夢を初めspadeの面々は異能力者の中でも指折りの精密性を誇るだろう

「え…」

MPもさすがに狐に摘ままれたような顔をして呆然と立ち尽くした

「んじゃな、MPの諸君、お勤めご苦労様であります!」

そういうと魔理沙達の周りを光が包んだ

刹那の閃光に皆、目を閉じる

次の瞬間には魔理沙達の姿は何処にもなかった

 

「いやーいい仕事したなーまさか、赤外線センサーがあんなに張り巡らしていたとはなー」

都内某所

魔理沙達三人はそこにいた

「仮面の子はどうしたの?」

紫色の気弱そうな少女が魔理沙に問いかけた

「いつもどーりさ、素顔を見られないように仮面取ってもいい場所に飛ばした」

「本当便利よね、あんたのピカピカ能力」

金髪の少女が嫌みげにいった

「そりゃねーだろアリスー…ピカピカ能力て…ま、便利なのは認めるぜ、凡庸性の高さが売りだからな」

「凡庸性の高さなら…鎖の子のほうが高いと思う…あの鎖で縛るだけでなくて貫く、銃弾の相殺、金庫、精密機械の破壊に鍵の解除…なんでもできるわよ」

魔理沙が苦笑いをした

「パチェ…あいつに比べちゃダメだぜ…あいつは私の知る異能力者の中でも指折りに強い奴だ…お前らも気を付けろよ?あいつがまじになったらここにいる全員、瞬きする間もなく死ぬぜ」

パチェとこパチュリー・ノーレッジが反応した

「へえ…そんなに強いんだ」

「異能力の鉄則よ…なんでもなさそうな能力ほど、強いの」

アリスが肩を竦めた

魔理沙は何かに気づいたように二人を止めた

「そこまで殺気が漏れるんだったら…わざわざ隠れなくてもいいだろ」

赤ずくめの集団に取り囲まれてしまった

「…うそ」

パチュリーが呟いた

「…めんどくさそうな奴らだな…」

「街灯はここからでも届くでしょ?なら行けるじゃない?」

「あぁ…さっさと終わらせて夕飯食おうか」

魔理沙が短剣を持つように構えた

すると街灯の光の一部が魔理沙の手の中で反射し剣の形を形成していく

その剣で赤ずくめの集団に斬りかかる

斬られた集団の団員の拳銃はまるで溶かされたチョコレートみたいにドロドロになる

「この剣には触らない方がいいぜ…私の特性だ、出力はどっかのアニメのロボットのビームサーベルくらいはあるぜ、人間とかしてもお釣が来るな」

赤ずくめの集団は距離をとり一斉に発砲しだした

魔理沙は光剣を槍に変えて弾丸を弾き飛ばす

「結構居るし…さっさと終わらせたいからあれするぜ」

「はぁ?光量は足りるの?」

魔理沙が懐中電灯を取り出した

「こんだけありゃ十二分だぜ」

「もう、あんたは人使いが荒いわね」

アリスがパチュリーに触れる

二人が消えたように周囲に溶け込む

それを見計らい魔理沙は自分の体に懐中電灯を押し当てた

「死にたくねぇやつは伏せな、…マスタースパーク!」

魔理沙の手に光球が出来上がり回転しながら出力をあげる

光球が魔理沙の身長くらい大きくなると魔理沙の手から離れる

光球はターゲットである赤ずくめの集団に一直線に飛ぶと段々、解放されたように膨らみそして爆発を起こした

赤ずくめの集団は蒸発するように消滅した

魔理沙とパチュリーとアリスを残し赤ずくめの集団は全滅した

「もう…マスタースパーク使うなら本当、先に云いなさい」

パチュリーとアリスが急に現れた

「魔理沙…殺したの?」

「いいや…パチェは見るの初めてか?爆発したわりには周囲の建物が壊れてねぇだろ?」

パチュリーは周りを見渡した

建物の損壊はなかった

「確かに…」

「まぁ殺そうと思えば焼き殺せるが…それをしたらHEROじゃねぇだろ?だからその辺のビルの屋上に転送した」

パチュリーはほっとしたように胸を撫で下ろす

「私は大怪盗ではなくてだな…HEROになりてぇんだ…人殺しはしねぇよ」

「HEROならMPに入れば良いんじゃない?」

アリスの一言に魔理沙は肩を竦めた

「暴力による正義は独裁だよ、それは純粋な正義ではない…純粋な正義は全員がHEROだと認めるやつのことさ…悪党も一般人も全員がHEROと呼べば…それは本当のHEROであり純粋な正義なんだ…」

パチュリーが首を傾げた

「簡単にいうと悪を殴り殺すのが正義ではねぇってこった!んじゃ飯食おうぜ、腹減ったよ」

魔理沙が後頭部で手を組み先を歩いた

「アリスは魔理沙の正義論は初めて聞いたの?」

「出会った時に聞いたわ、だから私はここにいるのよ…どう?惚れ直したでしょ?」

パチュリーは優艶に微笑んだ

「いえ…魔理沙はアリスの物だから…ただ…悪くはないわね」

パチュリーはアリスに向かった

「先に行っててくれる?…私は野暮用があって」

アリスはガラケーをワンタッチで開く

そしてポチポチと弄りだす

パチュリーは何かに気づく素振りを見せた

淡い紫の髪が宙を舞う

「そう…早くしなさい、愛しの魔理沙があんたの晩御飯を所望よ」

アリスは携帯を開いてメールを見せる

その画面を見るとパチュリーはふっと微笑んだ

「分かったわ」

「じゃ」

アリスが魔理沙のあとを追う

「何の真似かしら」

「ごほ…ごほ…」

絞り出すように辛そうな咳が聞こえる

「パチュリーさん…お久しぶりです」

「コア…変わったわね…殺気が冷たくなった…さしずめ、あんたの差し金でしょう…レミィは今更、私に執着はしないだろうし」

コアはにやりと笑った

「あなたに認められないと…ごほ…小生は…本当の意味で小悪魔にはなれません」

小悪魔は銃をパチュリーに向けた

「無駄よ…誰があんたの育成係だったと思っているのよ…」

「無論、小生はパチュリーさんに育てられました…だからこそ、小生はパチュリーさんを越えて…必ず彼のお方を越えねば成らない…構えてください、パチュリーさん、小生が彼のお方を越えるために」

パチュリーがため息をついた

「小生は主に男が使う一人称よ?いい加減直しなさいな」

「小生は小生です、変える気は毛頭ありません」

「そう…なら越えてみなさい」

パチュリーの腕が紫に濁った液体が包む

その液体は路面に落ちるとジューと煙をあげ溶け始めた

「あら…怖いかしら?」

「怖くなどありません…小生は…」

小悪魔とパチュリーの間を黒龍が食らう

「そこまでよ小悪魔、戻りなさい」

ビルの上に幾つかの人影が見えた

「待ってください!お嬢様!小生は!」

「…パチュリー…戻ってきてくれるかしら」

「何で今更…私はもう組は抜けたのよ悪いけどね」

「そう…残念ね…何で今更かを説明しましょう…私たちは今から全面戦争をするのよ」

パチュリーは顔をしかめた

「組が全面戦争?…どこのバカよ」

「ダイヤモンド・クロウスと言ったかしら」

「最強の傭兵集団じゃない…なんで…」

「私達はよくある、秘密文書を強奪しにわざわざ、英国まで兵と幹部を行かせたわ…でもね作戦は失敗、雇われ軍隊、ダイヤモンド・クロウスのせいでね…お陰さまで敵さんには警戒されるわ、散々よ…何より奴ら、誰も殺さなかったの…お陰さまでこっちの面子は丸つぶれ…だから殺しにきたの」

「相も変わらず、プライドなんかで動いているのね…私は違うわ…あんたらとは違うのよ…ごめんだけど、組には戻れない、あいつとの約束を果たすまでは…」

パチュリーの瞳に朽ちた剣が見えた

「そう…残念、他を当たることにするわ…じゃねパチェ」

人影は次々と消えていったが小悪魔だけ悔しそうに…いや、希うようにパチュリーを見た

「この街に住むならいずれ決着はつく…次は真剣に相手をしてもらいます、デザートサーペント…パチュリー・ノーレッジさん」

「ハイハイ…わかってるわよ」

パチュリーが魔理沙を追う

「この街に住むならいずれ決着はつく…か…近くに決着を着けなきゃいけなくなる気がする…貴方はこんな未来を望んだのかしら…ならどうして…私に…」

パチュリーは紙切れを見た

小説の切れ端だろう

「私は貴方の言ったようにこれにあう小説を探すだけ…そのために殺しをやめた…それが…私の望んだ未来だから…」

パチュリーが立ち止まり夜空を見上げた

そこに彼の人の影を思い浮かべ微笑んだ

そしてこう力強くいった

「私はここにいる…!」

パチュリーは闇に消えていった




MPは即興で立てた設定ですが
なんか警察だけ世紀末なんですよね…
ちなみに警察には今のところ、異能力者はいません

そう今のところ…はね…

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