まじっく★すぱーく   作:草賀魔裟斗

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イライラしたらとにかく霊夢と誰かがイチャイチャするストーリーを書きたくなりました…
今回、クラウドと霊夢はバカップルです
そりゃ…もうね…寂しくなるくらい(´・ω・`)


♠2

妖夢が事務所でイライラしながら新聞を読んでいた

見出しに大きく"ハート大怪盗団、またも不可能犯罪を成功"と書かれていた

霊夢がその様子を見てため息をつく

「…」

「妖夢?どうしたの?怖い顔して…」

「どうしたもこうしたも、またこいつはやりがった!いつだってこいつはそうだ!私はなにもできない!」

「まぁまぁ…意外に怪盗も怪盗なりに悩んでるかもよ?」

霊夢がへらへらと笑う

「まさか…良いか?霊夢、人の物を盗むやつにな…ろくなやつがいない!」

「豪語したね…まぁいいよ、妖夢の考えを否定する訳ではないし…」

霊夢がニコッと笑った

「でも私はハート怪盗団は悪いやつでは無いと思うなぁ」

「どうして!?」

霊夢が資料の束を投げた

「私も昔、ハート怪盗団を探ってた時期があってね…それでターゲットを洗いざらい調べてみたんだ、真っ黒だよ…闇金のリーダー、覚醒剤の密輸業者の社長…今回のは金に汚い国家権力の犬…どう?」

妖夢が資料に一通り目を遠しため息をつく

「…たしかに…しかし…正義では無い…"盗む"は犯罪で、彼らは一般人だ」

霊夢がため息をついた

「断罪とか、正義とか…多分、そんな難しいこと、考えてないよ…純粋なんだ、誰よりも…そして楽しんでるんだと思う…盗みを」

「…」

「そして、誰よりもエンタテイナーだよ…きっとね」

妖夢が霊夢に疑いの目を向ける

「随分、ハート怪盗団を庇うんだな」「…心臓、ダイアモンド、幸福と死…すべては千切れてまた…繋がる」

霊夢がボソッと言った

妖夢は上手く聞き取れず首をかしげる

「なんでもないよ、ただ本当に悪いやつに思えないだけ…」

「そうか…ま、怪盗なんざただの目立ちたがりやか、純粋なバカかどっちかだろうぜ…」

妖夢が立ち上がりそっぽを向いて歩いて行った

「…誤魔化すのも大変ね…」

霊夢は、はぁとため息をついた

そのあと、霊夢は妖夢の残した新聞を手に取る

ハート怪盗団には目もくれず二面目をみた

「…」

霊夢は鋭い視線をその紙面に当てた

記事は中東で行われている内部紛争のことだ

そっと新聞を置くと霊夢は虚空を見上げた

「I can not do anything...I'm just looking ...Why... Why…」

その時、事務所の呼び鈴が鳴らされた

中にいる全員がびくっとはねあがる

「…お客さん?」

チルノが起きてきた

「みたいだね…数は50」

「だな…ドア越しにも分かる…かなりの手練れ集団だ…異能力で一気に攻めるぞ」

妖夢の作戦に了承したように二人は頷く

こういった襲撃はよくあること

裏社会においてspadeのことを知らない物は恐らくいない

邪魔物は早めに消しておきたいのが心情だろう

よく異能力集団や反社会的勢力の軍団に襲われる

その度に彼女たちは無傷で撃退している

妖夢がドアをあけた

外にいたのは外国の兵士だった

トランプのダイアを象ったマークの鎧を着ている

「…ッ!」

霊夢が50人を掻き分けて進む

奥にいるリーダー各の青年に蹴りをいれる

「リーダー!」

「貴様!リーダーに何をする!?」

兵士は霊夢に一気に銃口を向けた

「霊夢!?チルノ援護しろ!」

「りょーかい!」

チルノは兵士の足元を凍らせ身動きを取れなくする

妖夢は人差し指と中指を揃え銃に触れる

すると銃は真っ二つになり銃口だった部分が路面に乾いた音を鳴らす

そして両者ピリピリムードになっていった

「バカ!」

沈黙を破ったのは霊夢だった

「今まで何処にいたのよ…中東の戦争に言ったのかと思ったじゃない…バカ!バカクラウド!」

霊夢らしからぬ子供じみた罵声と感情的な叫び声に妖夢とチルノは言葉を失う

「すまない…暫く、世界を廻っていたんだ…気づけば1年か…早いもんだ」

「人の心配も知らないで~ッ!」

「分かってるさ…霊夢がいる限り…俺は死なないよ」

霊夢の目に涙が溜まる

「クラ」

霊夢がクラウドの胸に踞る

「早苗や魔理沙は元気か?」

「二人共、相変わらずだよ」

「そうか…」

クラウドと霊夢が立ち上がる

クラウドは妖夢とチルノに近づいてきた

「俺の部下が迷惑を掛けたな…すまない…何分、血の気の多い連中ばかりでな…俺はクラウド・ストライフ…霊夢からはクラと呼ばれている…こんなナリでも一応、最大の私立傭兵集団、ダイアモンド・クロウスのリーダーだ」

ダイアモンド・クロウスは世界最大の私立傭兵集団であり、傭兵や派遣兵商売市場をほぼ牛耳っていると言っても過言ではない

作戦の成功率は90%越えであり

スニーキングから敵の殲滅、駆逐まで、幅広い作戦に対応できる兵士を派遣してくれる

その分、値は張るがダイアモンド・クロウスを見るだけで逃げ出す兵士も少なくない

それほどの傭兵集団だ

彼らのリーダーであるクラウド・ストライフは元ならず者の隊員を統率している

隊員は全員、クラウドを慕っている

「ダイアモンド・クロウス…そんなことのお偉いさんが何の用だよ?」

妖夢がやや怯え気味にきいた

「依頼半分、霊夢に会いたかった半分だ…依頼については直ぐに話そう…」

クラウドは振り返った

「一班は西!二班は北!三班は俺に着いてこい!きっちり見張れ!鼠一匹入れるな!」

はっ!と大勢の声がすると兵士が散らばっていった

「さぁ…入ろうか」

 

ソファーと事務机を挟んで四人は向かい合っていた

「で、依頼の件だが…まさか、国がらみのことじゃねぇだろうな?」

「そこは安心してもらいたい、我々の秘密保持は完璧だ、国がらみのことなら俺らだけでなんとかする、そして形跡も残さない」

クラウドの右手はずっと霊夢の頭を撫でていた

霊夢はまるで尻尾をふる犬のように表情を緩める

チルノと妖夢はペースを狂わされる

「…具体的な内容を教えてくれ」

「あぁ…俺たちがイギリスのとあるマフィアの運送護衛任務をしていたとき…赤ずくめの集団に取り囲まれたんだ…雑兵は簡単に無力化できたが…リーダー恪の奴ら二人は異能力者だった…仲間が四人殺られた…悔しい限りだ…その集団を見つけ出し弔合戦がしたい…そのために力を貸してほしいんだ」

霊夢がピクリと反応する

「大体は理解した…で、その異能力者はどんな異能力なんだ?」

「片方はパイロキネシス…つまり自然発火だ」

「なるほどな…明瞭かつ、分かりやすい能力だ…助かる…で?もう一つは?」

クラウドが暗い視線を落とす

「…物質を鎖に変化する能力だ」

「!?」

妖夢とチルノが席を立つ

「バカな!同じ異能力があるだと!?そんなこと…」

「あるわけない…な普通は」

「そうだよ!あたいでだって分かるもん!」

「…」

霊夢がぼそりと呟いた

「…全て私の子供計画…」

「なにいってんの!?霊夢!あの計画は…もう」

チルノがあからさまに動揺した

妖夢は冷静に聞き返す

「なんだ?」

「…もしその計画で、そのドッペルゲンガーが産まれたのだとしたら…その時、話すよ」

霊夢が立ち上がる

「クラウド、話があるの…来てくれる?」

「あぁ…」

クラウドと霊夢が部屋の外へ出て行った

「全て私の子供計画…」

妖夢が下を俯く

「なぁチルノ…お前は…その計画の事を知ってるのか?」

「…うん…」

「言えないんだな…?」

チルノは力無く頷いた

「…異能力者が発見されて100年…今まで、全く同じ異能力者は居なかった」

「うん」

「異能力が一緒ということは脳細胞の構造が殆んど一緒ということだ…そんなことは…」

「ごめん…あたいには…何も言えない」

妖夢は短くそうかと言うと沈黙が産まれた

 

霊夢の自室に二人の姿があった

「…リリーは…なんて?」

「…さぁな…まぁお前以外を娘と呼ぶわけ無いだろ」

霊夢がうつむいた

「そうだね」

「…彼らは満足に死んでいった…そんな奴らの墓を掘り起こすようなことは俺がさせない…」

クラウドは暗い視線を落とす

「…ありがとう…クラは…変わらないな」

「変わったさ…俺もお前も皆も…」

「そうなのかな…私は変わらないよ…少なくともね…」

霊夢がうつむいた

「そうか…」

クラウドは 霊夢を抱き寄せた

「クラ…」

「でもな…そんな悲しそうな顔をしないでくれ…お前の悲しみは…俺の悲しみでもある…こうすれば…薄れるか?」

霊夢は顔を紅葉させニコリと笑った

クラウドはそれをみてほっと微笑んだ

「…ごめんね…心配かけて」

「大丈夫だ…お前を心配するのは慣れてる」

「もう…バカ…お帰り…」

「ただいま…」

沈黙が流れた

その沈黙はピリピリとはりつめた空気ではなく

まるで見守るようなまたは包み込むような静かな空気であった

 

「…」

「…」

居ても立っても居られずに覗き見にきた二人は後悔していた

「まさか…クラウドと霊夢が付き合っているとは」

「え?誰でも分かるよ?」

「え?」

妖夢がきょとんとチルノを見た

「妖夢って鈍いって言われない?」

「にぶっ!………言われる」

「…言われてるんだ…がんばれよーむ」

「チルノに慰められた…ムカつく…まぁこれ以上の覗きは野暮ってもんだな」

チルノと妖夢がドアから離れた

「で、チルノはどう思う?今回の件」

「…あたいは…あの件の確認がしたい…行こうか」

妖夢とチルノがにやりと笑った

「了解した…リーダーさん」




今回は用語を多めに入れてみました
詰め込み過ぎたかなと後悔なうです
用語集も平行して作ってたので投稿はかなり遅れました
用語集は………
データを保存していなくて…亡きデータになってしまいました
のでもう少しさきになりそうです

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