まじっく★すぱーく   作:草賀魔裟斗

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シンゴジラも地上波放送されましたねぇー
その前にDVDで見てたんですけど…
ほぼ覚えてなかったです…いやぁもう、ほぼ初見w

まじ★すぱ久々の更新です
アプリが変わってから書きにくくて作業がなかなか進みませんでした(´・ω・`)




♦4

街中を…クラウド達が走った雑踏を魔理沙は息を切らしながら走っていた

その目は真剣そのものでいつものヘラヘラとしたオーラはなかった

「魔理沙!」

霊夢の声で我に帰ったように表情が若干緩む

「どうした?霊夢」

「どこにいくの?」

霊夢の軽く息切れをしていた

「天子のところだ…更にいうなら永江衣玖の所だな」

「衣玖って…私に電流を流した?」

「あぁ、天子よりは話が解るやつだ」

「…知り合いなの?あの二人と」

霊夢の目をしばらく見たあと、魔理沙は目をそらした

「八坂財閥って知ってるか? 」

「異能力奴隷で栄えた企業よね、巨大になりすぎ、財閥になった…でも今は解体されたと聞いてるわ。日本で奴隷産業なんて…流行るわけなかったのよ…で?それがどうしたの?」

「そうだ、八坂財閥の解散後は二つに別れたんだ、一つは今まで通り奴隷産業を生業とする父親が経営する、八坂人材派遣株式会社、もう一つは異能力による再生可能エネルギー産業を生業とする娘が経営する八坂新エネルギー電力株式会社…まぁ霊夢もいった通り日本で奴隷産業は流行らなかった…しかも父親側はAM論者だったんだ」

AM論者…アンチミュータント論者

異能力者は人間にあらずという考え方の持ち主

異能力者の存在は日本に溶け込もうとしてはいるがこのAM論者が居なくなることはなかった

AM論者の特徴として異能力者を徹底的に排除しようと活動する人が多い

人間としても見ておらずただの異形の物としか見ていないため

殺しもする…彼らにとっては異能力者は物質なのだ

邪魔ならば消すし利用価値があるなら無くなるまで搾り取ろうとする

だが大抵は強い抵抗にあうか能力で逆に殺されるかどちらかである

「それでその旦那の元にとある子供が産まれた…異能力つーのは遺伝物質は関係ない…親に異能力者がいなくても突然、異能力者が生まれる事がある…その緑色の髪をした小さな女の子は…」

魔理沙が何かを耐えるように空を見上げた

「動物と対話する異能力を持っていた…そう…捨てられる前の早苗だ」

「う…そ…」

霊夢はショックを受けたようだった

「霊夢も知っての通り異能力者の誕生には3つ種類がある、一つは私のように血縁者全員が異能力者になる、ウィザード型、この場合、虐待の心配はないが、一家心中などの危険性がある…一つは霊夢のように人工的に作られるゴーレム型…ゴーレム型は心中や虐待のリスクは少ないがその実験が非人道的な場合が多く倫理的な問題がある、また、実験を行った会社や団体を恨み、大量殺人…なんて笑えないことになる場合もある…だがここまでは私らの心の問題だ、実験に関しては当てはまらないが、他はすべて異能力者が強い意思を持ち、現実と向き合えば解決するものが多い…が早苗の型…フランケン型は心中や怨恨のリスクがない代わりに虐待や育児放棄のリスクが高くなるんだ…早苗は…どちらも経験してる…それは親の都合だ、子供に罪はなく…どうすることもできない、問題だ」

霊夢がうつむいて聞いた

「しかもその親は…早苗を自分の子であることを隠し、世間には(身寄りのない異能力者の子供を預り大切に育てている)っていう体を装い、裏で虐待をしてやがったんだ、早苗の腕にはその当時付けられた火傷の痕がある…根性焼きぽかった…その後、十分過ぎるほどの義援金と同情だけすいとり早苗を殺そうとした…早苗は周囲の一部の職員の助けもあり間一髪逃げたらしいがな…そのまま山をさ迷っている内に春音に出会い今に至るんだ…その事実が露天して、八坂人材派遣社は経営難に陥った…でも八坂は八坂の名字と今まで早苗を利用して得た義援金を利用して違う巨大な財閥とくっつきほとぼりが冷めるまで姿をくらまそうとした…それに早苗を利用しようと思った!八坂は!早苗を探し出すと虐待の事実を隠蔽して!早苗を無理矢理連れ戻し、その財閥の息子と結婚させようとした!許嫁だと嘘までついてな!私がその場にいなきゃ…早苗はまた!虐待される所だった!」

魔理沙がそれだけ言うと霊夢の顔を見た

霊夢が怒りと悲しみが混ざったような複雑な表情をしていた

「早苗はあんなんだから…騙されやすいと思う…だからこそ…私がきちんとしてやんねぇといけねぇんだ…」

「話は…解った…」

霊夢がフラフラとどこかに行こうときずびを返した

「どこへ…」

魔理沙は霊夢から発せられる異常な殺気に気づいた

「霊夢!…全員は殺すなよ、早苗を逃がした職員も居ることを忘れるな」

霊夢はゆらりとうなずくと怪しげに闇に消えていった

「クラウドのやつ…ショックで倒れねぇと良いんだが…あの話をしたのは間違いかな…」

魔理沙は呟くと思い出したようにクラウドたちを追った

「…霊夢…」

影で誰かが呟いた

 

一方。spade事務所では

「…さてと、あたいは少し出るよ」

チルノが急に言い出した

「ん?用事か?」

「ちょっと晩酌しに」

「は?あのな…今の状況分かってんのか?」

「元spadeの問題にいちいち首を突っ込んでられないよ、あたいは自由にやらせてもらうよ」

チルノは手をぷらぷらさせながら事務所をでた

「あいつ…」

 

ジャズが流れるようなbar

言い争う声が聞こえた

「…神奈子…どうして私の言うことが解らんのだ?」

「分からない…異能力だって人間だ、それを平気で道具として使っていい訳がない」

言い争うをしている

片方はガタイのいい、黒いスーツの男に囲まれたスーツの男

ひょろりとしていてまるで骸骨だ

片方は身長の高い女

男とは違ってボディーガードのような人間はいない

「異能力者が人間だと?ふざけるな、あれは人間なんかではない…単なる物質だ、奴隷としてでも利用価値を見いださせてやっってるんだ、それ私が奴隷としてあれらを管理すれば治安が保たれ、私は儲かるウィンウィンじゃないか」

「その考えを改めない限り、私の会社は貴方の会社と合併はしないし結婚もしない、早苗にも手は出させんぞ、ゲスめ」

女ははっきりと意思を感じられるような口調でいい放った

「どうしてだ!お前は異能力者<バケモノ>ではないだろう!」

「バケモノって言うな!」

神奈子が怒鳴った

「バケモノ…か…八坂君…君にそれを言う資格はないよ」

グラスが透明な音を鳴らす

その音と挑発的な言葉に男女は振り向く

そこにはカウンターに座りグラスをゆっくりと振るチルノがいた

「あなたは…?」

「…」

チルノはspadeの証、♠のトランプを見せた

「spade!?」

「異能力者!」

八坂は立ち上がり警戒した

「…奴隷企業をいつまでも黙認するわけには行かなくてね…でも、あたいらとしては穏便に事を進めたいのさ…」

「何が穏便だ!貴様らなんて信用しないぞ!殺せ!撃ち殺せ!」

ボディーガードが機関銃を構えた

「やめて!父さん!」

「殺れ!今すぐに殺れ!!」

ボディーガードが機関銃のトリガーを引く

激しい閃光と銃声が店内に響く

神奈子は耳をふさいだ

しばらく鉄の雨は続いた、雨が止むと八坂がニヤリと笑った

「マスター…店を凍らせちゃった…ごめんね…」

「いえいえ…銃弾で穴が空くよりかは幾分かましですよ」

八坂の目の先には何食わぬ顔でマスターと会話するチルノと

彼女と自分らを遮っている氷壁だった

「まぁ後でお湯かけたら解けるさ…」

「貴様…!」

「ん…どうしたんだい?狐に摘ままれたみたいな顔して…何も珍しくないただの異能力による銃弾回避じゃないか」

「…!思い出した…お前は…」

チルノの半身に霜が降りる

「さて、交渉も決裂したし、機関銃で撃たれたんだ…正当防衛も働くだろ…マスター、八坂神奈子さんをカウンターの下へ」

マスターはうなずくと神奈子をカウンター下に誘導した

「…八坂君、まずは君に謝らなければならない事がある…君、天子と衣玖って奴雇って早苗を探させているらしいな…天子天子と衣玖と早苗はグルでお前を嵌めようとした…結果、異能力と殺気のコントロールが一時的に効かなくなる電撃波をspadeの霊夢って奴に流したらしい…そして魔理沙から霊夢は早苗の過去を知った…まぁ、結論を言おう、今、君の会社は霊夢に襲撃されているよ」

八坂はハンっと鼻で笑った

「一人で私の会社を壊滅させる気か?元々、私の職業は裏向けだ、本社ビルは要塞、社員も常時武装をしている…そんなところに一人で出向くなんぞ、自殺行為…」

「ちなみに霊夢はリリーホワイトの娘だ、能力を受け継いだな」

八坂から血の気が引いていった

 

「クラウドくん」

咲夜と小悪魔が立ち止まった

それを見てクラウドも立ち止まる

「あれが…衣玖…」

「そうだ…間違いない」

クラウドは殺気の籠った視線を衣玖に向けた

「おや…貴方は…そうか…君達は作戦の事を…」

クラウドが剣を構えた

「一つ聞こう…なぜ霊夢を攻撃した」

衣玖は考えるように顎に手を当てた

「ふむ…それを説明する前に私の異能について…私の異能は周知の通り稲妻を起こす能力です…しかしそれに加え」

衣玖がポケットからミュータントストーンを取り出した

ネックレスのような形になっている

「このミュータントストーンがあります…この石の能力が人間の感情の抑制を無くす能力です…まぁ無くすではなく弱めるの方が近いかもですが…その弱める感情も任意です…私は稲妻にのせてこの異能を霊夢さんに掛けました…計画どおりにね」

「計画…?なんの計画だ?」

 

廃屋、ビル

「計画?」

パチュリーも天子から同じような説明を受けていた

パチュリーの頬には切り傷が

天子の皮膚の一部は爛れている

「えぇ…異能力者の私たちがAM論者の味方をするわけがないでしょ」

「それも…そうね…貴方ら旧異能力者解放戦線が早苗を八坂ん家に連れ戻す…なんて事考えにくいわ」

「そうね…だからリリーホワイトの娘…あー霊夢?だっけ?を利用して八坂を潰そうと画策したわけ…本来であれば理性を失わせたspadeの隊員を八坂に捕まえさせそれを助けにきたspadeが奴隷産業の証拠と早苗に関する資料を掴み、それを世間に公開し八坂の企業を潰そう…と思ってたんだけど…spadeにはリリーホワイトの娘がいるっていうじゃない?…もう、その娘をけしかければすべて終わると思ったのよ」

パチュリーがため息をつく

「あんたね…間違ったわ人選…なぜ霊夢なのよ…」

「はぁ?」

パチュリーがうつむきぎみに何かを案ずるように言った

「いい?霊夢のバックには…ダイヤモンド・クロウスがいるのよ…そのリーダーと霊夢は恋人関係よ」

「は…はぁ!?」

 

「そう、総領娘様がお考えになったので私はそれを執行したまでです、致し方ありませんでした…これも異能力者解放の一手なのです」

クラウドが怒りに任せ衣玖を掴みあげた

「貴様!霊夢を人殺しにする気か!」

「致し方ありませんでした、と申した筈です、私どもだって異能力者を駒のようには使いたくはありませんでした」

「…待てよ…お前の話が正しければ…霊夢は…」

クラウドを激しい立ちくらみが襲った

「今頃本社ビルで殺戮の限りを尽くしていますよ」

 

「うわぁぁぁぁぁぁぁ!!」

ガタイのいい男が叫びながら銃を射つ

しかし銃弾はすべて鎖に変わり鎖は男を貫く

「…」

闇にうっすらと霊夢の顔が見える

その瞳はうつらでスモークがかかっているようだ

 

「…」

クラウドが体勢を崩した

「クラウドくん!」

「雲殿!」

小悪魔と咲夜が駆け寄ってクラウドを支えた

「…重ねてお詫びを申し上げます…」

衣玖は深く頭を下げた

「霊夢さんに危害が加わる事や、霊夢さんの犯行を露天させるような事は致しません…このような作戦に二度と関わるような事もありません…ので今回だけは多目に見ください…」

「あ…ぁ…」

クラウドの目の焦点が合っていなかった

まるで魂だけ抜けたようなそんな目だ

「失礼いたします…」

衣玖はそうだけいうと去っていった

「…クラウドくん、たてる?」

「…あぁ…」

クラウドが立ち上がった

「すまない…俺は八坂社ビル方へ行く…霊夢は俺が守る」

クラウドが本社ビルの方へ走っていった

「…大丈夫かしら…」

「雲殿なら平気だ…あの目はまだ腐ってない…それより咲夜さん…パチュリーさんは…」

向こう側から二人の人間が走ってきた

「パチュリーさん!!」

小悪魔の目の色が変わった

「あら?咲夜に小悪魔じゃない、久しぶりね」

「パチュリーさん!小生は…ずっと…」

「心配してくれたのね、ありがと…咲夜も裏切り者の私のために…」

咲夜がにこりと笑った

「いえ、私はパチュリーさんの事を裏切り者なんて思った事はありませんよ」

「そう…ならありがと」

咲夜が頭を下げた

「パチュリーさん!怒りのほうは…」

小悪魔が心配そうにパチュリーを見た

「あぁ…バカらしくなった…喧嘩してる相手があれよ」

パチュリーが指差した先には天子が涙目になりながら

「衣玖ぅ~どこよ~衣玖ぅ~!」

と衣玖を探している

霊夢のバックにダイヤモンドクロウスがいると言ってからこの調子だ

「これでよく、リリーホワイトなんかより私のほうが優れてるなんて言えたわね」

「あはは…」

咲夜は愛想笑いを浮かべながら空を見上げた

 

「霊夢!」

本社ビル前で霊夢はへたりと座り込んでいた

「大丈夫か!?霊夢!」

「クラ…?どうしてここに…ここはどこ?」

霊夢は虚ろ虚ろになりながら答えた

「…大丈夫だ、心配は要らない…これは悪い夢だ」

まるで自分にも言い聞かせるようにクラウドは言った

本社ビルは炎に包まれていた

これでは証拠も残るまい

「…夢?」

クラウドは霊夢を立ち上がらせて抱き締めた

「そうだ…夢だ…だからきっと覚めて元の世界に帰れる…帰れるんだ…!」

クラウドはきつく霊夢を抱き締めた

「クラ…いたいよ…」

「わ、悪い…」

霊夢は自分の手を見た

手にはベッタリと血がついていた

はじめは何が起きているか分からなかったが火で包まれているビルをみて察し始めた

すると激しい吐き気に襲われたらしく口を押さえた

「考えるな!」

クラウドの制止もむなしく霊夢の思考は止まらなかった

すると風のように霊夢に接近する影が一つ

影は手慣れた手つきで霊夢を気絶させた

「早苗…」

「何してるんですか…クラウド!!」

早苗はクラウドを掴みあげた

そうクラウドは衣玖にしたように

「ッ」

「これは、なんですか…霊夢さんは…霊夢に何をさせたんですか!?」

「俺を疑っているのか…俺が霊夢にこんなことをさせたというのか!?」

クラウドが早苗の胸ぐらを掴む

「…貴方でなければ一体、誰が!」

「落ち着け、二人とも」

魔理沙の声が響いた

「魔理沙さん!」

「クラウドは関係ねぇよ…こいつはただ霊夢を助けに来ただけだ…天子がやった…理由は解らんがな…クラウドも激昂するな…霊夢は無事だったんだ、幸いにもな」

「幸い…幸いだと!どこが幸いだ!霊夢は…霊夢は…!」

「人殺しになった…か?お前が思っているより霊夢はずっと大人だし、裏側の人間だ…そんな過保護になることはねぇよ」

魔理沙の冷静な口調に二人も落ち着きを取り戻していく

「霊夢を運ぶ…大丈夫だ、皆で口裏合わせて夢だったと、思わせる…この重みは霊夢には背負わせねぇよ」

「…あ…あぁ」

「んじゃ、こーど開始だ、ワゴン車を取ってくるから待ってろ」

 

翌日

霊夢が目を覚ますとクラウドの部屋だった

「クラの…部屋…」

霊夢が起き上がるとクラウドが部屋の隅で寝ているのが見えた

クラウドの頬には涙の跡があった

「泣いてたの?…私が人を殺したから…?」

霊夢がため息をついた

「どうしよう…つい熱くなっちゃった…クラを泣かせたんじゃ彼女失格じゃん…」

霊夢は音をたてずに去っていった




約6000文字…これが妥当な数字ってやつですね(白目)

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