後日談
陸たちが世界を救って数日……
「えっ!?僕も明日から学校に行けるの!?」
陸君といつかの約束。僕はずっと学校に行ってみたかった。僕と同じ年齢の人がいて賑やかなそんな場所、陸君たちと勉強して笑いながら他愛のない話しをするそんな日常に憧れていた。本当に僕も行けるんなんて夢みたいだ……
「いつから行けるの?」
「明日から行けるみたいだ」
陸君の話では明日から僕も学校に行けるらしい。どんな所なんだろう?
日付が変わり次の日の朝・・・
栞の部屋・・・
僕は朝起きるとセーラー服を着て見た目を整え最後に持ち物の確認をする。うんこれでOKかな~
するとトントンとノックの音が聞こえドアを開けると陸君が入ってきた。
「おはよう準備出来たか?」
「おはよう!うん!昨日の内に準備しといたよ!それよりどうかな?僕のセーラー服姿♪」
「凄く似合ってる可愛いよ」
「えっ!?うん//ありがとう//」
まさか冗談で聞いてみたら凄く似合っていて可愛いって//駄目だ恥ずかしくて今陸君の顔を見れないよ//絶対僕の顔真っ赤だ//
しばらく時間が過ぎてやっと顔の火照りが冷めてきたよ。それと同時にもう少しで学校に行けると思うと緊張が襲ってくる。
「緊張するな~」
「大丈夫。何時通りの栞でいれば」
「うん!ありがとう陸君!」
陸君に抱きつく。陸君も満更でもないみたい。やっぱり陸君に引っ付くと落ち着くなぁー
ノックがされてドアが開く。あーあ来ちゃったか……
「はいはい。落ち着いたら離れましょうか」
「理沙ちゃん!もう少しだけ!」
「駄目!!」
「あはは」
こういう日だけど何時も通りの日常みたいだ。陸君たちとの旅が終わってからの。あっ!そろそろ学校に行く時間だ。
「そろそろ行こうか」
「ええ!」
「う、うん!」
あっ……やっぱり緊張する。陸君は僕のそんな心情に気づいているみたい。そっと優しく手を繋いでくれた。
「ありがとう♪」
「だ・か・ら!私の前でラブコメするのやめてくれるかしら!?」
理沙ちゃんはそう叫んでいるけど今回は僕の事を思って引き離さない。本当に僕には勿体無いぐらいの大切な友達だよ
神白中学校・・・
今日から僕が通う学校、神白中学校。
生徒数は多くもないし少なくもない。平凡な人数の学校みたいだ。
確か昔、白色の神様が現れて独裁者の国王から国を救った事で呼ばれているらしい。
「転校生を紹介します!入ってきて!」
スーウ・ハーア・スーウ・ハーア
僕は息を整え
「は、初めまして!僕の名前は雨宮栞だよ!よろしくね♪」
僕は自己紹介をして最後にウインクして終わる。ちょっとふざけすぎたかな?でも僕らしく自己紹介は出来たと思うけど……
「ボクっ娘キターッ!!」
「めちゃくちゃ可愛い!!」
「何処から来たの!」
「今何処に住んでるの!」
「運動は得意?良かったら部活入ってよ!」
「えっ!ちょっ、ちょっと待って!」
あわあわ、凄い勢いで質問攻めを受ける。何から話せば良いやら
「ストップ。一人ずつ質問してやってくれ」
「分かった!」
「うん、そうだね」
「分かったわ」
さっきまであんなに騒いでいた人たちが嘘の様に静かになり一人ずつ質問してくる。凄いや!やっぱり陸君は!陸君のことをぼーっと眺めていると
「何処から来たの?」
いけない、いけない見惚れてる場合じゃないよね
「隣町から転校してきたよ!」
うん我ながらちゃんと答えれたと思う。
「雨宮は好きな人はいるのか!」
「うん♪いるよ!」
チラッと陸君を見るけど気づいてなさそうだ。
馬鹿!鈍感!やっぱり僕の気持ちが伝わるまで時間がかかりそうだね。
自己紹介が終わり先生は僕が座る席を指示しようとすると
「じゃあ席は…」
「はい!はい!こっちに来てよ!あっ!お前変われよ!」
「嫌だよ!お前が変われよ!雨宮さんは僕の横に座るんだ!」
「本当に男子って馬鹿ね…。あっ雨宮さん。神谷君の横が空いてるから座ってね」
「分かった。ありがとう」
「あっ!?」
男子の悲鳴が聞こえその男子たちを見つめる女子たちの冷ややかな視線。
あはは!何だか面白いクラスだな。でも何で男子は叫んでるんだろ?不思議だな
男子たちは自分と仲良くなる為座って欲しかったが栞には伝わらない。
他人の事には鋭いが自分への好意になると鈍感になる。陸と栞二人はやはり良く似ている似た者同士の様だ。
一限目国語
授業、授業最初は国語だったたよね♪うん、何とか分かるかな
二限目数学
疲れた~二限目の授業は数学だね
駄目だ~全然分からない!
何これ!暗号!暗号なの!?Xって何!?
Yって何!?分解するの!?
はぁー全然駄目だ。僕は陸君の方を見るとスラスラとノートを書き問題は簡単に答えを書いていた。うん。流石だ。
理沙ちゃんの方を見ると陸君程ではないけど答えを書いてる。
あれ!?もしかして僕ってお馬鹿なの!?
三限目英語
英語かー僕違う国にも行ったこあるから英語は得意だ……と思う。えっ?英語はどんな結果だったかって?問題なかったよ……はぁー
四限目体育
今から体育!身体を動かせるんだよね!
今回は運動部にいっぱい誘われるぐらい大活躍だったよ♪断ったけど運動部に入るのも悪くないのかもれない……
昼休み……
「雨宮さん!一緒に食べようよ!」
「ごめん僕陸君たちと」
「ごめん今から俺たち用事がある」
「ええ。ごめんね!」
陸君と理沙ちゃんは怪しくそわそわしていた。
「……怪しいけど、うん分かった。ごめんねそう言うことだから僕も一緒に食べさせて貰っても良い?」
二人っきりで怪しいけどクラスメイトと仲良くなる為だ今は良いかな。はぁー やっぱり羨ましいなー
僕はせっかくクラスメイトが誘ってくれてるのに心の中でつい溜息を吐いてしまう。
「うん!一緒に食べよう!」
「なら俺たちも!」
「男子は向こうに行ってて邪魔よ」
「えっ!何だよそれ!」
「私たちは雨宮さんと食べるんだから!」
あはは!面白いクラスだなぁー仲良くやっていけそう。
やっぱりみんなと一緒に食べたいな。うん決めた!
「皆で食べようよ!」
「雨宮もそうやって言ってるんだからさ!良いよなぁ?」
「仕方ないわね。変な事するんじゃないわよ!」
うん!これで皆と食べれるよね。だけど何で男の子たちは僕の近くに座りたがるんだろ?不思議だ。
栞はそんな風に思うが男子たちは牽制しあってようやく栞の近くに場所を取れたみたいだ。
女子たちは純粋に栞と仲良くなりたいのもあるが陸と仲良いのを女の勘が告げ陸の事をもっと教えて貰おうとしていた。
頂きますっと誰かが言うと皆が一斉に弁当を食べ出す。
やっぱり転校初日だから質問攻めだけど皆と仲良く話せた。
もちろん僕からもちゃんと質問したけどね♪
だけどねやっぱり学校での陸君の事ばかり聞いちゃった//
陸君の事を聞く度に 血の涙を流すだったけ?
そんな感じの言葉通り男の子たちは涙を流していた。何でだろう?
女の子たちは逆にキラキラした顔でキャァーって黄色い声援をしていて、
中には悔しそうな顔をしている子もいたかなー
やっぱり陸君は人気あるなー
他の子には絶対負けられない!そう心に誓う僕であった。
こうして僕の昼までの出来事は終わる。
(あーあ陸君と一緒に食べたかったな~明日こそは一緒に食べるぞ!)
栞は気づいてないが……
隠れながらドアから覗いている白髪の少年と黒髮の少女がいた。
「良かった……大丈夫そうだな」
「全く陸は……栞なら大丈夫なのに……まあ私は陸と二人っきりでお弁当を食べれるから良いんだけど」
そうは言っているが理沙も心配なのかチラチラ栞の状況を確認している。
「じゃあ屋上で弁当を食べようか」
「ええ!」
二人は屋上に行き弁当を食べ仲良く教室に戻る。その後栞が不貞腐れ怒っていたのは言うまでもない。
五限目、六限目。
授業は順調に終わった。
「栞また明日な!」
「雨宮さんまたね!」
「うん!バイバイまた明日!」
僕はクラスメイトや新しく出来た友達に別れを言い、陸君たちもクラスメイトに別れを言っていた。そして陸君たちと家に帰宅する。
「栞今日はどうだった?」
「うん!凄く楽しかったよ♪」
こうして僕のワクワクドキドキの一日が終わる。
栞が学校に通い始めて一週間後の放課後・・・
「陸君!僕と一緒に帰ろうよ♪」
「陸!私と帰りましょう!」
「昨日は理沙ちゃんが帰ったよね?」
「一昨日は栞が帰ったわよね?」
穏やかだったクラスの空気がピリピリし始める
「今日はわたし(僕)と帰る(んだ)の!!」
「三人で帰れば良いんじゃないのか?」
「却下!!」
(あーあまたやってるな……それにしてもなんでここまで分かりやすいアピールしてるのに神谷君は何で気づかないんだろう?)
クラスメイトは皆々思っていた。
今では陸を巡って二人が争う風景が日常になる
「ごめん今日は用事がある。先に帰っていてくれ」
「えっー!」
「何かあったの?」
「何もないよ。ただ大事な用事があるだけだ」
「……分かったわ。先に帰ってるから。行きましょう栞!」
「ごめん少しだけ陸君と話してから帰るよ」
「分かったわ」
理沙は何かある事を察して家に帰って行く。クラスメイトたちは次々に帰宅しクラスには陸と栞二人っきりになる。
「陸君……もしかして僕の所為?」
「何がだ?」
「最近怪しいスーツの人たちが陸君を監視しているよね?」
「気づいていたのか……」(誤魔化しきれないか)
陸は誤魔化し切れないと観念して栞に話す。
「俺たちがドラスを倒して数日……俺は守護者の力を使い栞の生活に必要な物を作ろうと思ってた…だけど使う前に俺の家にある物が届いた」
守護者の力……陸たちが旅をしていた時、家が違う世界に移動したり、世界を移動した時服が変わったり、役割、職業がついたりそれは守護者の誰かが力を使ったか過去の陸が力を使ったのだと陸は考えていた。
「もしかしてそれって……」
「戸籍や住民票。中学校に通う為の証類や制服。この世界で生きる為に必要な事が用意されていた」
「それをしてくれたのがあのいかにも敵って感じのスーツの男たち?」
「ああ」
「大丈夫なの?」
「大丈夫だ」
「もし陸君に迷惑かけるなら僕は学校何て行かなくても良いよ」
「駄目だ!!」
(……!?)
普段は冷静で友達に絶対に怒鳴らない陸が大声をあげる。
「ごめん怒鳴って」
「僕はキミにこれ以上迷惑かけたくないよ」
陸は栞の頭に手を乗せ優しく言葉をかける。
「栞……俺は迷惑じゃない。嬉しいんだ。まだ数日だけど栞が楽しそうに笑って本当に嬉しそうに毎日学校に行って。そんな顔みてたら全然迷惑じゃない」
「陸君……ありがとう」
「ああ」
「でもね陸君!僕も陸君が苦しんでいるんだったら、悲しんでいるんだったらどんな所でもどんな世界でも直ぐに駆けつけて助けるよ!」
「はは」
「あっ!!陸君今笑ったでしょ!?酷いなー僕真剣に言ったのに」
「ごめんごめん。ありがとうもし困った事があったら必ず栞を呼ぶよ」
「うん」
陸は撫でていた手を離そうとすると栞は手を掴み止める
「もう少しだけ…撫でてて」
「分かった」
数分後・・・
「じゃあ俺は行くよ」
「うん!気をつけてね!」
陸は栞と別れると何処かに歩いて行く。
わざと人の少なそうな道を通ると謎の黒いスーツを着た男たちが陸に群がる。
「ずっと監視していたみたいけど俺に何の様だ?」
「お前の力を見せてもらう」
スーツの男たちは突然殴りかかり陸は拳を受け止めると一人ずつ拳や蹴りを決めて倒していく。
「良い加減出て来たらどうだ?」
隠れていた人物が現れる。さっきのスーツの男たちを従える赤髪の男が現れた。
「すまない。君を確かめさせてもらった。流石だな。雨宮栞だったなその女の子の制服が届いただろ?」
「お前が栞に贈ってくれたのか?」
「そうだ。我々が雨宮に必要な物を作り用意した。まあ君なら助けなどなくても何とでも出来まと思うがね」
「ありがとう。余り力を使いたくなかったから助かった。だけど何で助けてくれたんだ?」
「君に借りを作りたかったからだ。自己紹介をする。私は"ソードの長官"天王寺
「俺は神谷陸。仮面ライダーディゴッド。世界を救いし仮面ライダーだ」
この出会いはとある"高校"の誕生と三年後の世界の滅亡の危機を解決する為に、強大な力を持つライダーたちを一つに集めたチーム"を結成する為に必要な最初の出会いだった。