仮面ライダーディゴッド世界を救う旅   作:侍魂

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第三十一話現代と未来

陸たちは銀色のオーロラの中に入ると鳴滝を追いかけそして違う世界に辿り着く。

 

夏美の世界・・・

 

「ここは、夏ミカンの世界……」

 

「夏美さんの世界なんですか?」

 

「ああ。ここは夏ミカンの世界だ。俺が少しの間世話になった世界でもある」

 

陸には来た事無い世界だったが士には見覚えがある世界だった様だ。

 

陸たちの目の先には鳴滝がボーッと辺りを眺めていた。

二人は鳴滝と対面する。

 

「鳴滝!お前は何者だ?」

 

「追いついて来たのか。良いだろう教えてやる。私は未来のお前だ!」

 

鳴滝は正体を表す。驚くことに門矢士とそっくりの容姿になった。

 

「未来の俺だと!?」

 

「俺は愛する人も、仲間も破壊してしまった」

 

「貴方が破壊したんですか?」

 

「そうだ……」

 

(何か隠している)

 

鳴滝は歯切れが悪そうに答える。陸は何か可笑しいと感じていた。

 

「お前の目的は?」

 

「俺は過去の俺を殺し未来を変える」

 

「なら俺はお前を止める」

 

「やってみろ!」

 

鳴滝はディケイドとは真逆の色のバックル、黒色のダークディケイドバックルを装着してカードを装填する。

 

<<カメンライド・・・ダークディケイド>>

 

カードが装填されるとダークディケイドに変身する。

ディケイドに似てはいるが、バックルの色が黒に変わり

全身の色も黒みがかかった灰色になっており、アーマーが金色になっていた。

陸もディゴッドに変身する。

 

「陸!」

 

士もディケイドに変身し加勢しようとするが鳴滝が呼び出した銀色のオーロラが行く手をふさぎ前に進めない。

 

「士さん!」

 

「ディケイドお前は後でゆっくり相手してやる。世界の救世主、まずはお前から破壊する」

 

二人はライドセイバーとライドブッカーソードモードで二、三回斬り合い距離を取る。

 

「この力で地獄に落としてやる」

 

ダークディケイドはバックルにカードを装填する。

 

<<カメンライド・・・エターナル>>

 

ダークディケイドはダークディケイド・エターナルブルーフレアーに変身した。

 

「夏が変身したライダーか……そのライダーにはこれだ」

 

ダブルの世界で戦った事を思い出しながらカードを装填した。

 

<<カメンライド・・・ダブル>>

 

格闘能力に優れた、ディゴッド・ダブルサイクロンジョーカーに変身する。

 

<<アタックライド・・・サア、オマエノツミヲカゾエロ!>>

 

「さぁ、お前の罪を数えろ!」

 

「今更数えきれるか!」

 

二人は渾身の力を込めて殴り合う。しかしエターナルの方が強く、ディゴッドは負けてしまう。

「ならこれだ!変身!」

 

<<ファイナルカメンライド・・・ダブル>>

 

バックルにカードを装填した。

ディゴッド・サイクロンジョーカーエクストリームに変身する。

 

<<アタックライド・・・プリズムビッカー>>

 

「はぁぁ!!」

 

ディ・エクストリームはプリズムビッカーを呼び出しダークディ・エターナルに斬りかかる。

 

 

「ふん!」

ダークディ・エターナルはナイフ型の武器エターナルエッジを使いディ・エクストリームの攻撃を受け止める。ディゴッドは距離を取ると直ぐにカードを装填した。

 

「これで決める!」

 

<<ファイナルアタックライド・・・ダ・ダ・ダ・ダブル>>

 

「ビッカーチャージブレイクー!!」

 

盾から剣を引き抜きエターナルへと斬りかかる。

 

「俺もだ」

 

<<ファイナルアタックライド・・・エターナル>>

 

エターナルエッジに長大な緑色刃が伸びエターナルも斬りかかり

二人の剣が激しく火花を散らしぶつかり合う。そしてダークディ・エターナルはディ・エクストリームを斬りつけ、ディゴッドは通常形態に戻ってしまう。

ダークディケイドも通常形態に戻った。

 

「俺は未来から来た……過去のお前たちが勝てるはずがないだろ?」

 

「お前は本当に世界を破壊したのか?」

 

「何が言いたい?」

 

「剣を交えてみて俺にはお前が破壊者には見えない。何か理由があるんじゃないのか?」

 

「そうだな。話してやるか」

 

鳴滝は未来の事を語りだす。

 

「……俺は夏美と一緒に暮らし幸せだった。ユウスケや他の仲間と会うのも楽しかった。だが急に世界が俺を残し崩壊した」

 

鳴滝は苦しそうに思い出しながら話す。

 

回想・・・

 

「士君!今日は何処に遊びに行きましょうか?」

 

「夏ミカンの行きたい所で良いんじゃないか?」

 

「士君!私は夏美です!結婚してもうだいぶ経つんですよ!良い加減私の名前を呼んで下さい!」

 

「良いじゃないか。減るもんじゃないんだし」

 

「減りますよ!色々と!笑いのツボ!」

 

「あはは!笑いのツボは反則だろう」

 

「フン」

 

「士!また夏美ちゃんを怒らせたのか?」

 

「ユウスケまたお前この世界に来たのか」

 

「良いじゃんか。仲間の家に遊びに来ても」

 

いつも通り平和な日常を過ごしていると突然世界が止まる。

そして崩壊していく。

 

「士君!助け」

 

「夏美!!」

 

士は手を伸ばすが夏美は消える。

 

「俺が破壊したのか!!ディケイドがこの世界を破壊したのか!!」

 

未来の士は崩壊した世界を力無く渡り歩き、そして"謎の世界"に着く。そこから過去に辿り着きディケイドを抹殺し未来を変えようとしたのだった。

 

 

「俺は夏美が消えた後。直ぐにディケイドドライバーを見ると赤黒く光、そして俺が持っているドライバーに変化していた」

 

「……急に世界が崩壊したのか?」

 

「ああ。近い未来ディケイドが世界を破壊する。その前に俺が過去の俺を殺し未来を変える」

 

「話は分かった。士さんは破壊者じゃない。鳴滝、貴方もだ」

 

「俺は破壊者だ」

 

「なら俺が絶対に過去の貴方に、士さんに世界を破壊させない」

 

「笑わせるな。俺を今止めれないお前が俺に破壊させないだと?」

 

「俺は諦めない。士さんの力で!ディケイドの力でお前を止める!」

 

「やってみろ!!」

 

「変身!!」

 

ディゴッドは士を殺させない為に、鳴滝に自分を殺させない為に戦う気持ちを高める。

 

<<ファイナルカメンライド・・・ディケイド>>

 

ディゴッド・ディケイドコンプリートフォームに変身した。

 

<<アタックライド・・・ライドブッカー>>

 

ライドブッカーを呼び出しソードモードに変える。

 

「行け」

 

<<カメンライド・・・リュウガ>>

 

ダークディケイドはバックルにカードを装填しリュウガを召喚する。

召喚されたリュウガが襲いかかってくる。拳を突きつけると、ディ・コンプリートフォームは受け止め、ライドブッカーを使い斬りとばす。

 

「リュウガにはこのライダーだ」

 

<<アタックライド・・・龍騎>>

 

アタックライドの力を使い龍騎サバイブの幻影を呼び出した。

 

<<ファイナルベント>>

 

リュウガはファイナルベントを装填して暗黒龍ドラグブラッカーが召還される。

自らの体を空中に浮かせ、ドラグブラッカーが放つドラグブレスをまとい跳び蹴りを叩き込む。ドラゴンライダーキックを放つ。

龍騎とは逆で左足で使用していた。

 

<<ファイナルアタックライド・・・龍・龍・龍・龍騎>>

 

リュウガのドラゴンライダーキックが迫ってくる。だがディゴッドは冷静にカードを装填する。龍騎サバイブもディゴッドと同時に動きがシンクロされる。

 

「はぁぁ!!」

 

ディゴッドと龍騎サバイブの動きがシンクロしライドブッカーを振り下ろし二人は炎の刃を放つ。

リュウガとドラグブラッカーは同時に消滅する。

 

 

「何故私にそこまで構う!?お前とは関わり合いがないはずだ!?」

 

「話しを聞いてお前は悪い奴じゃない」

 

「それだけの理由でか!?」

 

「理由はそれだけで十分だ」

 

鳴滝は解う。何故破壊者である自分をそこまでして助けようとするのか。何故関わりのない自分を助けようとするのか。

 

陸は答える。鳴滝は悪い奴じゃない、だから助けると。陸は困っている人がいたら必ず助けるだろう。理沙や栞を助けた様に。そしてオリジナルの世界を救った時の様に。

 

二人は決着を着けるためにカードをを装填する。

 

<<ファイナルアタックライド・・・ディ・ディ・ディ,ディケイド>>

 

<<ファイナルアタックライド・・・ダ・ダ・ダ・ダークディケイド>>

 

二人の目の前にはディメンションが現れ、

飛び上がりディメンションを突き抜けながらキックをする。二人のキック同士が激しくぶつかり合う。実力は鳴滝の方が上で負けそうになる。しかし……

 

「絶対に止める。はぁぁ!!」

 

ディゴッド・コンプリートは想いを込めると……段々と力が上がっていく。遂にはダークディケイドを打ち負かした。

キックをくらわせその衝撃でダークディケイドドライバーは砕けダークディケイドの変身が解けた。そしてディゴッドも変身を解く。

 

「鳴滝さん。貴方は夏美さんや小野寺さんたちの分も幸せに生きるべきだ」

 

「陸君……」

 

「士君幸せに生きて下さい!」

 

「士!俺たちの事は気にするな!」

 

「夏美……ユウスケ……分かったよ」

 

鳴滝には夏美やユウスケの声が聞こえた様な感じがした。そして過去の自分を消し自分も消えようとしていた気持ちが薄れていくのを感じていた。まるで冷たく凍っていた氷が春の暖かい日によって溶ける様に。

 

 

「陸。過去の俺、その先を真っ直ぐ行け。そうすれば終焉の世界に辿り着ける」

 

鳴滝は銀色のオーロラを呼び出す。

 

「分かった。ありがとう」

 

「陸君。これを持っていけ!」

 

ダークディケイドが持っていた黒色のケータッチを渡す。

 

「鳴滝さん。ありがとう」

 

陸が持つと黒色のケータッチは変化する。ディゴッドをモチフにする様に黄色のケータッチに変化した。

陸は銀色のオーロラに入っていく。士も入ろうとすると鳴滝が話しかける。

 

「過去の俺、色々すまなかった」

 

「全くだ。だがしょうがないから許してやる。今度ディケイドの事を教えろ!それで許してやる」

 

「過去の俺、ディケイドドライバーには気をつけろ」

 

「どういう事だ?」

 

「ディケイドドライバーは大ショッカーが作り上げたのは知っているな?」

 

「ああ」

 

「大ショッカーは俺が裏切った保険の為にディケイドドライバーにある機能付けた。それは……世界を破壊する機能だ」

 

「何だと!?そんな機能を!?だがそれだったら俺を殺そうとするよりディケイドドライバーを破壊すれば良かったんじゃないのか?」

 

「それは俺も考えたさ。だが駄目なんだ。ディケイドドライバーを破壊しても直ぐに再生する」

 

「だいたい分かった。先ずは世界を守る。そしてお前の仇をついでに取っといてやるよ」

 

「ありがとう。ディケイドドライバーの事はどうするんだ?」

 

「おいおい考えるさ」

そう答えると銀色のオーロラに入る。

陸と士はハイパーショッカーとの決戦の場所、終焉の世界に急ぐ。

 

そして着くと……

守護者たちとオリジナルのライダーたちが金色のドラスに敗北していた。

 

「理沙!!」

 

ドラスは変身が解除された理沙に追撃しようとしていた。

 

 

 




仮面ライダーディゴッドを読んでくださってる皆様ありがとうございます。
SOURさんの作品、仮面ライダークライム〜世界を旅する男〜とのコラボをさせて頂く事になりました。本編が終わったら書いていきたいと思います。

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