Roar!   作:渋川 武志

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SCENE-7  昼休み③ そういうの好きだったりする

-教室

 

吉森「はぁ・・・なぁ彰、昼持ってきてる?」

 

彰「いや、学食行くつもりだけど」

 

吉森「んじゃ一緒に行こうぜ」

 

彰「ああ」

 

二人が学食に入ろうとしたその刹那

 

 

十文字「おおおおおらあああああああああああああああ」

 

吉森「!?」

 

彰「伏せろ!吉森!」

 

 

吉森と彰は瞬時に身を伏せた。

 

 

十文字はしゃがんだ2人の上を飛び越えた。

 

 

十文字「ジャンボホットドッグ5つ!!」

 

おばちゃん「はいよ」

 

彰「またあの女か」

 

吉森「十文字 ラッキー。幸福と書いてラッキーと読む難読名前所持者の一人」

 

彰「あいつ、いっつもチャイムと同時に全速力で走ってここに来るんだ」

 

吉森「なんで?」

 

彰「森吉はあんまり学食こねーから知らねーのか。

  毎日10食しか作られないジャンボホットドッグを5つ手に入れ

  一日1食の巨大ラーメンを食べるためだ」

 

吉森「うぇ!!食いすぎだろ・・・つか食えんのか!?」

 

彰「ああ、毎日食べてる。残しているところを俺は見たことがない」

 

 

吉森「うお・・すげぇな。聞いただけで吐きそうだ・・・。

   って、俺さっきから量にばっか目がいってたけど

   ジャンボホットドッグて一個300円じゃねーか。

   それに巨大ラーメン一個800円!?」

 

彰「そうだ、彼女は毎日2300円の昼食をとっている」

 

吉森「あいつんち金持ちなのか?見た目完全ヤンキーだけど」

 

彰「まぁそれなりの金持ちらしいが、主に彼氏からの貢ぎ金で生活しているらしい。

  目撃情報によると50代くらいの社長と付き合ってるとか」

 

吉森「援交!?」

 

彰「ま、そーだろうな」

 

吉森「まぁ・・・顔は結構可愛いしな・・・意外と」

 

彰「そういってあいつに告白した男子は俺らの学年だけでも100人近くいる」

 

吉森「おいマジか、つか男子そんなにいたのか」

 

彰「もっとすごいのは、それのすべてにOKを出していることだ」

 

吉森「公開不倫!?」

 

彰「だからあいつ、彩南の公衆便所って言われてんだぜ」

 

吉森「何だろう、遠回しなんだろうけどストレートだな・・・」

 

吉森「・・・・・・」

 

吉森「なぁ、俺もイケるかな?」

 

彰「は?何言ってんのお前?今の俺の話聞いてた?」

 

吉森「いや、聞いてたさ。・・でもなんかその・・」

 

彰「お前この前雑食は嫌いだって言ってたじゃないか!」

 

吉森「いや・・食わず嫌いはよくないかなぁって」

 

彰「そういう問題じゃねぇだろ!?つか、食う気満々かよ!?」

 

吉森「うーん・・・」

 

彰「なぁ、いいからとりあえず飯食おうぜ・・?」

 

吉森「ああ」

 

飯を食っている最中もずっと十文字のことを見ていた吉森だった。

 

 


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