Roar!   作:渋川 武志

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SCENE-6 昼休み② JKだって・・・

-教室 

永井と篠田は机を合わせて向かい合って弁当を食べていた。

 

永井「ねぇ・・なんで女子ってくだらない話しか、しないのかな?」

 

篠田「いや、いきなりどうしたの?」

 

永井「ずっと疑問に思ってたんだよね。男子ってさ、バカなことしても許されてる感あるじゃん?」

 

篠田「あーね」

 

永井「でもそれを横目にいつまでも子供なんだからって

   なんだか上から目線の言葉を投げかけなければいけないのが女子じゃん?

   おかしくない?」

 

篠田「いや、まぁ全体的にあなたの発言おかしいけどね?

   別にそんな言葉投げかけなくてもいいでしょ?」

 

永井「つまりね・・私はバカになりたいの!!」

 

篠田「もうすでになってるけどね?」

 

永井「違うの!男子見たく子供みたいなバカなことしてはしゃぎたいの!!!!

    もうJKとかいって大人ぶった素振りすんの飽きたのー!!!」

 

篠田「は・・はぁ・・」

 

篠田「じゃあすればいいんじゃない?」

 

永井「そう、で、今日の放課後なんかしようと思うんだけど、何する?」

 

篠田「ねぇナチュラルにうちが入ってるのはなんで?」

 

永井「当たり前でしょ!恵と私は一心同体でしょ!?入学式の日に約束したじゃない!?」

 

篠田「いや、してない。したのはとりあえず卒業までぼっちにならないために

   一緒に行動しようっていう約束ね」

 

永井「ええ!?あの約束そういう意味だったの!?」

 

篠田「いや、言葉のまんまだけど。よくあの言葉から一心同体なんて解釈できたね」

 

永井「そんな悲しいこと言わないでよ・・・・恵・・」

 

篠田「楓・・・・」

 

永井「もう私たちれっきとした友達じゃない!!!

   入学してから2年間、奇跡的にクラスが一緒で

   ずっと一緒に行動してきたじゃない!!」

 

 

篠田「学校ではね」

 

 

永井「はっ・・・!?」

 

篠田「気づいた・・・みたいね」

 

永井「よくよく思い返してみれば・・・学校にいる間はずっと一緒にいたけど

   休日はおろか、一緒に帰ったことすらなかった!!!」

 

篠田「私はあくまでも約束の範囲内でかえでと一緒にいたまでなのよ」

 

永井「がくっ・・・そんな・・・・嘘だ・・・・・」

 

篠田「だからあなたとの関係も・・・卒業までってこと・・・」

 

永井「わたしは諦めないわ・・・」

 

篠田「え?」

 

永井「私は卒業までに恵の真の友達になって見せる!!」

 

 

 

食堂から教室に戻る途中、中島は廊下からこの一部始終を目撃してしまった。

 

中島「・・・なんの茶番だ?」

 

飯島「寸劇やってんだろ?十分バカだぜあいつら。いつもは3人でやってんだ」

 

中島「高校3年間で知り合える同級生って結構少ないのかもな」

 

飯島「いまだにこんなやついたのかってなるしな」

 

中島「しかしあれに今まで気付かなかったのはびっくりだな」

 

飯島「ただなあの寸劇の内容の冗談と本当はフィフティフィフティなんだぜ」

 

中島「ガチの変人じゃねーか」


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