Roar!   作:渋川 武志

23 / 24
SCENE-23  七十転八百倒

水嶋「はい、さようならー」

 

水嶋「・・・・・・・・」

 

 

 

そして職員室に戻る。

 

 

 

 

水嶋「ふぅ・・・・」

 

 

自分のデスクに腰を掛ける。

 

水嶋「・・・・・」

 

 

 

高原「水嶋先生?」

 

水嶋「なんですか?」

 

 

ちょっと鋭い目でにらまれる。

 

 

高原「あ・・・えっと・・コーヒー・・飲みますか?」

 

水嶋「結構です」

 

高原「あ・・そうですか・・・・」

 

 

 

※高原 清隆は新人教師。体育科の先生。

 

 

 

高原「今川先生・・なんで水嶋先生って・・

   あんなに怖いんですか?男性不信なんですか?」

 

 

今川(女性の年配の先生)「いや、そういうわけでもないと思うけど・・・。

   なんか、ここに来た時からあんまり他の先生と話したりしないのよ・・・。

   仕事とか業務の話はするんだけどね・・プライベートは本当に謎だわ」

 

高原「そうなんですか・・・・。ちなみに水嶋先生おいくつか知ってますか?」

 

今川「女にそういうこと聞いちゃダメ」

 

高原「すみません」

 

 

 

水嶋「(あぁ・・・早く帰って人撃ちてぇ・・・。

    ああもうなんか人の頭の上に照準が見える・・)」

 

 

水嶋「・・・・・・・・・」

 

 

天野「水嶋先生、今日は金曜日ですし!みんなでどっか呑みに・・・」

 

 

水嶋「結構です。お気遣いありがとうございます」

 

 

天野「あぁ・・・・そうなっちゃう?」

 

 

※天野はおじさんの先生。日本史の先生。

ちなみに安央のクラスの副担である。

 

 

 

水嶋「よっしゃ!仕事終わり!じゃ、帰ります!!お疲れ様でした!!!」

 

 

 

 

颯爽と帰宅する。

 

 

高原「ターミネーターみたいな走り方するんだなぁ・・・・」

 

 

水嶋は自転車通勤である。

 

 

 

 

水嶋「さっさと帰るぞ!!」

 

 

 

自転車に乗った瞬間。

 

 

 

 

 

 

ぷしゅー・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

水嶋「・・・嘘だろおおおお!!」

 

水嶋「な・・パンク・・・パンクしやがった・・・」

 

水嶋「ああ・・自転車屋は今から行ったら帰宅が11時・・・夕飯、お風呂を入れたら

   ゲーム開始時刻は0時を過ぎる!!それはヤバイ!!

   さすがに睡眠時間を削るのはダメだ!」

 

 

 

 

水嶋、午後10時03分、決断の時。

 

 

 

 

 

水嶋「走って帰る!!!」

 

 

 

 

 

水嶋「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお」

 

 

 

水嶋「動け!!動け私の足いいいいいいい!!」

 

 

 

 

水嶋は坂道も、下り坂もすべて走る・・・。

 

 

 

 

しかし、下り坂ではスピードを落とすべきだった。

 

 

 

 

 

 

 

水嶋「きゃっ」

 

 

水嶋は足を滑らせてしまった。

 

 

 

水嶋「うああああああああああああああああああああああああ」

 

 

 

 

 

ドンがらがっしゃん!!!!・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

水嶋「う・・・・あ・・・腕折れたかも・・・

   つか・・たて・・・・ない・・」

 

 

 

※高低差10m程の下り坂でこけました。

 

 

 

 

 

水嶋「・・・誰か・・リトライ・・押して・・・・」ガクッ

 

 

 

 

 

 

-翌日

 

 

 

安央「おはようございうぇえええええ!?」

 

 

水嶋「おはよう・・・徳河」

 

 

安央「え・・何があったんすか!?フルアーマーじゃないっすか!?」

 

水嶋は全身プロテクターのようなアーマーのような

包帯で巻かれた矯正器具を付けていた。

 

 

水嶋「ちょっとな・・・こけただけ」

 

 

安央「こけてそんなんなりますか!?

 

 

 

水嶋「とにかく・・これにはあんまり触れないでね」

 

 

 

安央「いや、みんな触れるでしょ」

 

 

水嶋「あ、そういう意味じゃなくて、物理的に触れるな。

   痛いから」

 

 

安央「先生なんで休まなかったんですか?」

 

 

 

 

 

水嶋「・・・教師だから!!」

 

 

 

水嶋はそういって保健室に入っていった。

 

 

 

水嶋「いてて・・・ダメだ・・立ってられない・・」

 

 

 

 

安央「身体は大事にした方がいいぜ・・・先生。嫁入り前なんだから・・・」


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。