Roar!   作:渋川 武志

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SCENE-21 アレクサンドロス

 

 

永井「ただいまー」

 

永井は部屋に戻る。

 

永井「はぁ・・・疲れたァ」

 

永井「・・・・」

 

 

 

永井はペットを飼っていた。

ハムスターである。

 

 

 

永井「ただいまー、アレクサンドロス」

 

ハムスターの名前はアレクサンドロス。マケドニアの王からとったわけではない。

単に語感が気に入っただけらしい。

 

 

アレク「・・・・へっ」

 

にやけたような面をするアレク。

 

永井「お前は本当にかわいくないよなぁ・・・。

   ハムスターってもっとかわいいと思ってたのに」

 

永井「もっとかわいい顔できないの?」

 

永井が種をあげる。

 

永井「ほら、かわいく食べてみな」

 

アレク「ぺっ」

 

 

 

種を永井の顔に投げつける。

 

 

 

 

 

 

永井「・・・・・・・・」

 

永井「あんたね・・私があんたの飼い主なのよ?

   飼い主に逆らうとどうなるか・・わかってる?」

 

 

アレク「へへへっ」

 

 

 

アレクは中指を立てた感じの素振りをした。

 

 

 

永井「・・・・・・」

 

その時、永井の心の中の何かがはち切れた。

 

 

永井「うあああああああああああ!!

   今日という今日は許さんぞアレクサンドロス!!!」

 

 

アレクはかごから放り出された。

 

 

アレク「へーい」

アレクはマッチョポーズをとった。

 

 

永井「人間様を舐めるなよあああああ」

 

アレク「へいっ」

 

アレクは永井の腕を伝って顔に到達。

 

 

 

 

そして・・・みだれひっかき!!

 

 

永井「ぎゃあああああああああああああああああああああああああ」

 

 

アレク「へへへっへへへ」

 

 

永井はアレクを顔から話すため、つかんでベッドに投げ飛ばした。

 

 

アレク「へーい!!」

 

アレクは落ちていた紙にこう書いた。

 

『昨晩はおたのしみでしたね♪』

 

永井「なっ!!?」

 

 

ハムスターアレク。飼い主のすべてを知っている。

 

 

 

 

永井「お前マジで殺す!!!まじで殺す!!」

 

 

 

永井はアレクを潰そうとベッドにフライングダイビング。

 

 

しかしアレク、賢い。

 

普通にベッドから降りて、逃げる。

 

 

永井「逃がすもんか・・・」

 

永井がアレクを追いかける。

 

 

そして玄関先にまで追い詰めた。

 

 

永井「残念だったわね・・・アレク。あんたの世界はここでおしまいよ」

 

アレク「・・・・・・へっ」

 

アレク、にやけた顔をした。

 

 

アレクは手を上に上げた。

 

永井「無駄な抵抗を・・・あんたは小動物。所詮人間様には勝てないのよ」

 

アレクはメモ帳に書いた。

 

アレク『一人では勝てない。だから仲間と一緒に戦うのさ』

 

永井「仲間?あんたに仲間なんて・・・・」

 

その刹那!!”茶色いあの人間の天敵”たちが永井の足元を囲んだ。

 

 

 

 

 

永井「ひぇっ・・・・・・・・・」

 

 

 

アレク「にぃ!!」

 

アレクは手を振り下した。

 

 

永井「いやあああああああああああああああああああ」

 

永井の体にGが昇ってきた。

 

 

永井「あああああああああ-」ガタンッ

 

 

そして永井は気絶した。

 

 

アレクはまたメモ帳に書く。

 

 

アレク『楽しかったぜ、お嬢ちゃん』

 

 

アレク「へっ」

 

 

アレクは気絶して泡を吹いている永井を背に、かごの中に帰っていった・・・。

 


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