Roar!   作:渋川 武志

18 / 24
SCENE-18 真実

叶野「ふぅ・・・なんだこの背徳感・・・」

 

本当にファミレスに来ていた。

 

叶野「あ、安央が来た」

 

 

安央は6人の女を連れて来ていた。

 

 

叶野「何んだあいつ!?嘘でしょ!?」

 

叶野「あいつ?まさかさっきの吉森君って人のことか?」

 

叶野「被害者ってどういうことだよ。・・・ああ、なんかわかってきた。

   さっき話してた女がその吉森君に一目ぼれしたんだ!

   安央じゃなくて吉森君だったんだ!

   で、その吉森君って安央の友達なんだな。たぶん。

   会わせてって言ってたのは吉森君に会わせてって意味だったんだな。

   で、安央が人格に問題があるって言ってたのも吉森君のことだ。

 

   吉森君ってどんな奴なんだよ。

 

   まぁいいや。で、安央はその人格に問題がある吉森君にあの女を会わせたくないんだな。

   で、何か策を考えてあの女を説得しようとファミレスに呼んだんだな。

 

   うん、この状況に全く繋がらないぞ。

 

   まずあの6人の女は何者なんだ?

   安央、お前女トモダチいないって言ってたじゃん。

   あいつ本当にあたしにウソツキまくりじゃんか!!」

 

叶野「あ、あの女が来た」

 

永井「おまたせ・・・ってええ!?」

 

叶野「まぁそりゃ驚くよな」

 

永井「あれ、吉森君は?」

 

安央「まずはそこに座ってくれ!」

 

叶野「やっぱりあの女は吉森君に一目ぼれしたんだな。

   てかあのあとまだ話続いてたのかな?

   吉森君が来るからファミレスに来たみたいな発言だ」

 

永井「え・・・あの、吉森君は?」

 

安央「・・ここにいる6人は・・歴代の吉森の彼女たちだ」

 

 

叶野「そう来たかー!!てかえ!?あれ全部その吉森君の彼女なの!?

   吉森君6人も彼女いたの!?マジで吉森君何者だし!?」

 

 

仁美「この子がそうなの?」

 

安央「うん、この子が吉森に一目ぼれしちゃった子だ」

 

叶野「やっぱしか」

 

6人「うわ・・・・マジか」

 

 

 

叶野「・・・・なんだか話の結末より、吉森君がどんな奴なのか気になってきた」

 

安央「なぜこの6人を俺が呼んだのか。

   永井さん、君にはこの6人と同じ目に遭ってほしくはないからだ!」

 

叶野「あの女永井っていうんだ・・・。てか・・・安央結構いいやつなのかな」

 

仁美「じゃあ、うちから話すね?」

 

仁美「うちね、あいつの家に泊まりに行ったときね?

   お風呂借りたのよ。んで上がるじゃん?パンツ履くじゃん?

   なんかついてるのよパンツに・・。で、よく見るとさ・・・・。

   白いカルピスがついてんの」

 

叶野「最低か。男の風上にも置けないド変態だな吉森君。

   エロ漫画に出てきそう」

 

永井「?」

 

叶野「あれ?永井さんもしかしてモノホンのカルピス想像しちゃってる?」

 

 

七菜香「あたしはさ、遊園地に行ったときね、お化け屋敷入ってさ

    まぁ怖いじゃん、ていうか、私怖がりなのよ。

    で、森の腕にくっついてたらさ、

    あいつ他の女性客のお尻もんでたのよ」

 

叶野「それ普通に犯罪じゃん!?なんで捕まらないの?

   あったことないけど吉森君死んだほうがいいんじゃないかな」

 

里実「あいつ海水浴場で他の女性からビキニ10個盗んできたことあったからね?」

 

叶野「だから犯罪じゃん。吉森君思いっきり犯罪者じゃん。

   余罪まだたくさんあるんじゃない?

   本当に死んだ方が世のためなんじゃ・・・」

 

志保「あたしなんてパンツ食べられたよ」

 

叶野「どうしたらそんな発想になるんだよ吉森君!!!

   エロ漫画にすら出てこねーよそんな変態」

 

 

安央が青ざめた顔の永井を連れて店を後にした。

 

叶野「あ・・・2人共出ていった」

 

叶野「ついていこう」

 

 

叶野「しかし吉森君ってやつはただのド変態屑だな・・・。

   ある意味男の中の男なのかもしれないけど。

   てかそんな友達いたのかよ安央・・・

   あんな話聞いたらそりゃ顔も青くなるわ」

 

 

安央は永井と一緒に近所のショッピングモールに向かって歩いている。

 

その後ろを叶野が追跡している。電柱に隠れながら。

 

 

 

叶野「一体どこへくんだ・・・。実際真実確認という意味では

   もうあたしの任務は完了している。

   しかし!安央が女と2人でどこかに行くなんてちょっと気になるじゃない!!」

 

安央「・・・永井さん」

 

永井「ん?」

 

安央「ちょっとここで待ってて」

 

永井「どうしたの?」

 

安央は履いていたローファーを蹴り飛ばした。

それは電柱から覗いていた叶野の顔に当たった。

 

叶野「がはっ!!!」

 

安央「さっきっからバレバレだかんなお前ー!!!!」

 

 

叶野「いってぇな・・。お前女子の顔は命だぞ!!何してくれんだよ!!」

 

安央「人のプライバシー侵害しておいてよく言うわ!!お前ファミレスにもいただろ!!

   もっと遡れば屋上で永井さんと話してる時もいただろ!!!」

 

 

叶野「ずっと気づいてたのかよ!!」

 

 

安央「ああそうだよ!!!なんのつもりだよ!!」

 

叶野「気になっただけじゃ!!」

 

安央「たく・・・見損なったぜ」

 

叶野「ごめん・・・。でもお前靴飛ばしはねぇよな?」

 

安央「それについては勢いでやっちゃいました。すみません」

 

叶野「お前パフェおごれ」

 

安央「お前もパフェかよ!!!」


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。