Roar!   作:渋川 武志

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SCENE-16 気になる

昼休み

 

 

篠田「ああ、なんだか楓に悪いことしたな・・・・」

 

篠田「謝ろう。形式上の仲とは言えども礼儀はありだ!」

 

篠田は永井を探していた。

 

篠田「楓!・・・かえ・・・ん!?」

 

屋上付近で永井が誰かと話しているのを目撃。

 

篠田「え・・・嘘でしょ?」

 

篠田「誰と話してるんだ・・・」

 

 

徳河だった。

 

※徳河は1年次に永井と篠田と同じクラスでした。

 

 

篠田「徳河!?え?何の話してるの?」

 

篠田、屋上の陰から盗み聞き開始。

 

 

 

 

永井「私・・・一目ぼれしちゃったの」

 

 

 

 

 

 

安央「えええええええええええええええええええええええええ」

 

 

 

篠田「嘘おおおおおお!?マジマジ?楓が・・・

   徳河のこと・・・えええ!?

今年史上最大の衝撃だわ!!まだ4月だけど今年史上最大だわ!!

   えええ、マジで!?」

 

篠田「ちょっと今日はご飯食べられないわぁ・・・・・」

 

そっと篠田はその場を離れた。

 

そして篠田が来たと同じ頃。

 

別の位置で盗み聞きしている女がいた。

 

 

 

 

叶野だ。

 

 

 

 

 

叶野「(今日は恩田がいないから一緒に弁当食べようっていおうと思ったら・・

   なんだあいつ!?

    女に呼び出されてるだって!?こんなの聞くしかないじゃないのよ!)」

 

永井「私・・・一目ぼれしちゃったの」 

 

安央「えええええええええええええええええええええええええ」

 

 

 

叶野「(ええええええええええ!?あの安央のことを好きな女がこの世にいただと・・・!?

ていうかお前驚きすぎだろ‼シチュエーション考えろよ!)」

 

安央「え?え?マジで?」

 

永井「マジだってば・・」

 

安央「うわー・・・」

 

叶野「(お前告られてうわーはないだろ!?

    デリカシーってもんがないのかお前は!?)」

 

永井「だからね・・その、会わせてほしいの」

 

安央「ええ!?」

 

叶野「(え!?会わせてほしいって誰に!?まさか親?!

    付き合ってもないのに親に挨拶する気かあの女!?

    一体なに考えてるんだよ!!

    あー、あれだけ変な女に引っかかるなって言ったのに安央・・・・)」

 

安央「なぁ、やめておいた方がいいぜ?」

 

叶野「(よし!ちゃんとあたしの教育は行き届いていたみたいだ!)」

 

グッと腕を握る叶野さん。

 

 

永井「え!?まさか彼女がいるとか?」

 

叶野「(え・・・?いるの?いないよね?)」

 

安央「いや、まぁ・・・いないけど今は」

 

叶野「(何その言い方?え?あたしには今までいたことないって言ってたじゃん。

    何あいつ?あたしに嘘ついてたの?あれなんかイライラしてきたぞ)」

 

永井「ええ、じゃあなんで?」

 

安央「というのもさ、ちょっと人格に問題があるっつーか・・・

   色々とやばい奴なんだよ・・」

 

叶野「(自分の親をやばい奴呼ばわりかよお前!親くらいリスペクトしようぜ?)」

 

永井「まさか・・・徳河君ってさ、私のこと好きなの?」

 

叶野「(はい!?何言ってんのこの女!?

    相思相愛を強制してくるの?こいつ結構やばい女だぞ)」

 

永井「だから吉森君に取られたくないから会わせてくれないんじゃないの?」

 

叶野「(え?何言ってんのこの女?吉森って誰?

    あんたが安央の親に会ったら吉森君に親を取られちゃうの?

  

    ん?待って、もしかして私話途中から聞いてるのかな?

    そうすると重大な冒頭部分を聞いていなかったことに・・・

    だとすると今までの話を私は誤解して聞いていた可能性が・・・

    あれなんで安心してるんだろう)」

 

 

安央「あああ・・・もう!!わかった!

   今日の放課後、学校の裏のファミレスに来てくれ!」

 

叶野「(よし!行こう!そこで真実を知ろう!)」

 

叶野「撤収!!」

 

叶野は颯爽と教室へ帰った。

 


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