Roar!   作:渋川 武志

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SCENE-14 吉森の恋愛履歴

吉森の家に安央と成明が遊びに来ていた。

 

吉森「・・・・・・」

 

吉森はスマホをポチポチいじっている。

 

成明「・・・・・・」

 

成明は音楽を聴いている。

 

安央「・・・・・・」

 

安央はこの場の状況にイライラしている。

 

 

安央「お前らあああ!部屋で3人人がいるのに何やってんだあああああああ」

 

成明「なんだ、安央」

 

吉森「うるせぇな」

 

 

安央「え?何お前ら?人が3人もいるのにスマホと仲良くにらめっこしちゃってさぁ!?

なんかしよーぜ?なぁ!!」

 

吉森「何すんだよ?」

 

成明「なんかやることでもあんのかよ?あん?」

 

安央「なんで今日はそんなにガラ悪いんだ成明」

 

吉森「とりあえず、寸劇はやめような。あれは安央の家限定の遊びだから」

 

安央「そうなの?俺知らなかったわ」

 

成明「ゲームもなしにしようぜ?吉森はHなゲームしか持ってないだろうから」

 

吉森「それはお前だろ」

 

成明「そうだが?何か問題でも?」

 

安央「とりあえずお前らちゃんと考えろ!

・・・あ、そうだ。たまにはなんか話そうぜ!」

 

吉森「話すって?」

 

安央「ほら、俺ら3人共高校違うじゃん?日頃の学校生活の面白い話とかさー」

 

成明「互いにその学校での人物と面識がないから

話をしても面白味を感じるとは限らんぞ」

 

安央「じゃあ、何話そうか・・」

 

吉森「好きな人とか?まぁそっちの方の」

 

成明「俺は特にそういうネタ持ってないぞ」

 

安央「あ、それだ!それ話そう」

 

 

 

 

 

 

 

ということで3人で恋バナすることに。

 

安央「そういえばさ、吉森って今彼女いねーんだろ?」

 

吉森「うん」

 

成明「でもお前今まで彼女6人くらいいたよな?」

 

吉森「うん」

 

安央「すげぇな・・・まだ17だろお前・・先走ってんなぁ」

 

吉森「うるせぇよ。別にいいだろ」

 

安央「でもいつも俺らには仲のいい話しかしてなかっただろ?

なんで別れたの?」

 

吉森「・・・まぁ色々あってね」

 

安央「いろいろってなんだよ」

 

成明「あれ、安央は知らないのか」

 

安央「え?逆にお前知ってんの?」

 

成明「ああ、うちの学校でも話を聞くくらい有名だぞ」

 

安央「ああ、そういえば吉森の最初の彼女って成明と同じ高校の人だったっけ」

 

吉森「おい、やめろ。成明、言うなよ!」

 

成明「振りだろ?」

 

吉森「んなわけねーだろ!!」

 

成明「実はなぁ・・・・」

 

成明が話始めようとした途端、吉森は床下からガスガンを取り出した。

 

吉森「言わせるもんかあああああああ」

 

安央「うわこいつマジか!?」

 

成明「逃げるぞ!安央!スーパーバーガーに行こう!」

 

安央と成明は吉森の追跡を振り切り、スーパーバーガーで落ち合った。

 

2人は窓際の席についた。

 

安央「どうしたんだあいつ・・・。そんなに知られたくないのか・・・」

 

成明「まぁ、確かに人に知られたくはない振られ方をしているからな」

 

安央「なぁ教えてくれよ」

 

成明「まぁ知ったところでお前の吉森への評価は実際あんまり変わらないと思う。

   単刀直入に言ってしまえば、あいつらしさが全面的に出てしまった結果

   振られたってことだ」

 

安央「どういうことだ?」

 

成明「じゃあ初代から話そうか・・・・」

 

 

 

吉森の初代彼女

 

成明「吉森は彼女と某テーマパークにデートに行く約束をしたらしい。

   そして現地集合ってことで吉森は電車で向かったそうだ」

 

成明「そしてその時吉森は・・・その夜に家に彼女を泊める約束までしてたらしい。

   まぁ、あいつがしようとしていたことはわかるだろう」

 

安央「うん、スマブラ?」

 

成明「お前のピュアさには時々腹が立つがまぁ今はいい。

   単純に彼女を抱きたかったんだと」

 

安央「マジ!?あいつじゃあ・・・」

 

成明「まぁ聞けって。彼女を抱くため、初めてを成功させるため、あいつは禁欲していたらしい。

   約束した1か月前から」

 

安央「マジか!?」

 

成明「それであいつ・・・相当来てたらしい・・・」

 

安央「うん・・・・・」

 

成明「そのせいであいつ、行きの電車が満員だったのをいいことに

   斜め前に居た女性に痴漢したらしい」

 

安央「ええええええ!?つか普通に犯罪じゃん!?あいつ犯罪者じゃん?

   え?なんでさっき部屋にいたの?」

 

成明「理由は簡単だ。その痴漢した相手が吉森の彼女だったからだ」

 

安央「なんつーミラクルだよ!?助かってるけど助かってねーじゃん!?

   そりゃ振られるわ!!」

 

成明「電車の中で目が合った時はマジで死を覚悟したらしい」

 

安央「死んどけばよかったのに」

 

 

成明「しかしまだ終わらない。

   2代目は初代と別れてからすぐにできた。

   そしてあいつは2代目とはやることができたらしい」

 

安央「え、マジ?あいつ・・・大人だったのか俺よりも・・・」

 

成明「そうだ、そしてある日、あいつはその行為の一部始終を録画したらしい」

 

安央「あいつ留まることをしらねーなぁ」

 

成明「それでもってあいつはそれを見てマスタームーブをしているところを

   彼女に見られて振られたらしい」

 

安央「とんだ間抜けだな」

 

成明「3代目!3代目の彼女はなかなか吉森に心を開いてくれなかったらしい」

 

安央「ほうほう」

 

成明「だから心を開いてもらうためにストーカーしたらしい」

 

安央「木に縁りて魚を求めてんなぁ」

 

成明「4代目は吉森に自分のパンツを食べられたことが理由で振ったらしい」

 

安央「あいつもうただの犯罪者じゃん、イケメンでも許されないぞ」

 

成明「5代目、海水浴場に遊びに行った帰りに吉森がほかの女性から盗んだ水着を見て

   絶望して振られた」

 

安央「もう何も言えねぇ」

 

成明「そして6代目。行為の最中吉森は彼女のグランドキャニオンの中に頭を突っ込もうとしたらしい」

 

安央は飲んでいた烏龍茶を盛大に吹いた。

 

 

成明「まぁそういう話だ。あいつは・・・そういう人間だ」

 

安央「・・・・・お前の言った通りだよ成明。

   話を聞く前後であいつに対する全く評価が変わらなかった」

 

安央「ただ一つ思ったことは・・・・」

 

安央「あいつ一回捕まったほうがいいな」

 

成明「同感だ」

 

 

その時、店に吉森が入ってきた。

 

 

吉森「おい、成明、お前話してねーだろうな・・・

   ってなんだお前ら2人揃ってその顔!?」

 

2人共吉森を憐れむ顔で見た。

 

 

吉森「なんだよお前ら!!!」

 

安央「お前、やっぱ吉森なんだな」

 

吉森「は!?」

 

成明「すまないが全部彼に話させてもらったよ」

 

吉森「クソ・・・間に合わなかったか!!」

 

安央「安心しろ、特にお前に対する評価は変わってないから」

 

吉森「そうか・・・・え?聞く前から俺は変態だと思われてたのか?」

 

成明「お前は変態以外の何者でもないだろう?」

 

安央「なぁ、家に戻ろうぜ。新時代の恋愛開拓者さんよ」

 

成明「俺は尊敬の意を込めてこう呼ばせてもらう。

   ”イケメンの皮を被った精子”とな」

 

吉森はガスガンで成明のサングラスを破壊した。

 

成明「ぎゃあああああああああ」

 

安央「成明ー!!!!お前成明から明るさを奪う気か!!成にする気か!!!」

 

吉森「意味わかんねーよ!!!」

 

安央「あれ・・・おい、吉森!!」

 

吉森「はぁ?」

 

店員が電話している。

 

成明「やべぇたぶん警察に電話してるぞ!!」

 

吉森「マジか!逃げようぜ!!」

 

安央「なんで俺らまで巻き込まれてんだよ!!

   銃持って店に入ってきたのお前だろ!!」

 

吉森「は?元々恋バナ初めてこの事態招いたのは安央だろうが!!」

 

成明「おい、マジでパトカーのサイレン聞こえてきたぞ」

 

安央「てかお前は余罪が多すぎるから一回ここで捕まっておけよ」

 

吉森「この状況でよくそんなこと言えるな!!」

 

成明「お前ら速く逃げるぞ!!!」

 

安央・吉森「わかってるよ!!」

 

 

警察「そこの3人止まりなさい!!」

 

安央「うわ!!俺らも入ってる!?」

 

成明「あの秘密ルートで振り切るぞ!」

 

吉森「オーケー!」

 

3人はダッシュで街を駆け抜け何とか逃げ切ったそう。

 


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