戦隊ごっこを止むおえず中断して急いで帰宅してきた永井。
永井「ただいまー!」
永井妹「おかえり」
妹はリビングのソファに寝っ転がってスマホをいじってた。
永井「洗濯物・・・取り込んで・・ないのか!?」
永井妹「その仕事を負かされたのってさ、楓じゃん?」
永井「ちょっとは気を利かせてもいいんじゃない?あんた先に家にいたんだからさ」
永井妹「・・・・・・」
永井「無視・・・都合が悪くなるとすぐそうやって黙りこむ・・・・」
永井「ふん・・・・」
黙って洗濯物を取り込む永井。
永井「・・・・・・・」
永井妹「・・・・・・」
そして黙ったまま洗濯物を畳む永井。
永井「・・・・・・」
永井妹「・・・・・・・・」
永井「夕飯何にする?」
永井妹「なんでもいい」
永井「ねぇそれ辞めて。作った後にこれ嫌だとか文句言われるのいっちばんうざいから」
永井妹「そんなこと言われてもね・・・すぐには浮かばないんだよ。
大体その質問が悪いよね。今この段階で楓が作れるものなんて限られてるじゃん。
だから私がレアのステーキ食べたいって言っても楓レア作れないじゃん?」
永井「はいはいわかりました、あんたの夕飯そこの納豆とご飯で決まりね」
永井妹「ふん・・・・・・」
永井「・・・・・・・」
黙って夕飯の支度を始める永井。
永井「ご飯できたよ」
永井妹「結局作るんじゃん」
永井「ステーキじゃないけどね」
永井妹「ふん・・・・・」
永井妹がハンバーグを食べた瞬間・・・
永井妹「んぐっ!?」
永井「ニヤ・・・・」
永井妹「これ・・・何入れた!?」
永井「知らない方がいいよぉ・・・お姉ちゃんに口答えした・・罰ね」
永井妹「うぷっ・・・・」
トイレにダッシュして駆け込む永井妹。
永井「ははははははははははははは」
永井の邪悪な笑い声が部屋に響いた。
-
成明「ただいまー」
秀明「おかえり」
秀明は成明の哀れな兄だ。
成明「おい何してんだ」
秀明「これからあいりんのライブに向かうのだ・・・くはっ」
※あいりんとはこの世界の声優アイドル:南沢 愛奈の愛称です。
秀明は身長182cmの長身。
しかしそれを上回る荷物のリュックを背負っている。
成明「お前それ全部持ってく気かよ、無理だから。レンジャー部隊でもそんなに持たねーよ」
秀明「く・・俺としたことが・・。まだあいりんへの愛が・・足りていないのか・・・。
それが故・・これしきの荷物すら持つことができないのか・・・!!」
成明「愛の力だけでなんでも出来ると思うなよ」
秀明「いや、俺は世界で一番あいりんを愛していると断言できる!!
俺はあいりんの生まれた病院や、全身のホクロの数、
生理周期やあいりんの家の家系図も知っているのだ!!」
成明「キモイ。ひたすらキモイ、つかなんで知ってんだ、お前一回捕まれよ」
秀明「そこまでできた俺に・・これが持てないはずが・・・ぬああああああいいい!!!!!」
成明「あ、持ち上げた」
秀明「じゃあな、成明。俺明日まで帰らないから母さんによろしく!」
成明「おう、帰ってこなくていいからな」
秀明「さらば、弟よ!また会う時まで!!」
成明「はい、もう会うことはございません。土にお帰りください」
家を出た秀明。
-道端
秀明「く・・・しかしやはり重い・・・」
瑞樹「うわ、何・・・って秀明!?」
※この瑞樹は吉森の姉です。秀明と同い年で同学年です。
秀明「あ・・・・瑞樹」
瑞樹「あんた何してんの?てか・・何ついに家追い出された?」
秀明「いや違うって。これからライブ行くんだって。なんでそういう捉え方になるの?」
瑞樹「いやそんなに荷物いらないでしょ、ライブなら。てかまだこの街に居たんだ」」
秀明「え、何その言い方!?ひどくない!?」
瑞樹「高校時代に散々やらかしておいて近所からは精神異常者扱いされてるのにまだいるとは・・。
あんたメンタル強いね」
秀明「いや初耳だよ?そんな風に言われてんの俺!?」
瑞樹「あんたそれにフリーターなんでしょ?」
秀明「いや、今は・・・・・無職です」
瑞樹「お前の家族は仏か!普通なら追い出されてるぞそれ!?つか殺してもいいくらいだぞ!?」
秀明「あああ、もう!ほっといてくれって!!さらばじゃ!!」
瑞樹「はぁ?」
瑞樹は秀明のリュックにぶら下がっていたキーホルダーを見た。
瑞樹「ん・・・?」
秀明はライブ会場についについた。
秀明「着いたぞ・・・・!!!」
秀明「はぁ・・・・はぁ・・・・がはっ」
しかし酸欠と筋肉痙攣で倒れた。
「おい、大丈夫か!?救急車呼んでくれ!」
―
秀明「ん・・・?ここは」
秀明「見知らぬ天井・・!?」
成明「何してんだこの穀潰しがああああああああああ」
秀明「ぐへあっ!!」
成明は全力のパンチを鳩尾にくらわした。