Roar!   作:渋川 武志

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SCENE-10 放課後③ プライベートで友達とばったり会うのは本当に嫌だ

成明「さーてと、行くか。ゲーセン」

 

成明は今日一人でゲーセンに向かっていた。

ということは普段は友達とゲーセンに来ている。

 

 

成明「うーん、今日は5プレイまでにしとくか・・・」

 

 

成明「あ・・・・」

相神「あ・・・・・・」

 

成明「相神・・・・・」

伊集院「豊福・・・・・」

 

成明「久しぶりだな・・・いつ振りだろうな」

 

相神「去年安央の家に行ったとき以来・・・かな」

 

成明「そうだったな・・・・・」

 

成明「(うわーめんどくせー・・・なんでこんな時に居るんだよお前・・・)」

 

成明「(ぶっちぎりで今一番会いたくない人ランキング一位のこいつに

    なんで会っちまうんだ!)」

 

 

成明「(こいつと昔は仲が良かった・・。でも最近は・・・・もうただただうざい)」

成明「(なんというか高校デビュー?したらしく妙に調子に乗っていた・・・。

    どうせ入学したての一か月でこいつの天下は終わるだろう。そう思っていた・・・。

    いや、実際は終わっていた。こいつは同級生のからかいの対象にされていたんだ。

    こいつはそれに気づかなかった!!

    それゆえに自分が人気者であると勘違いしている!高校3年の今でもなお!!

    他校の俺にまで話が入ってくるほどだ・・・かなりのドアホだぞこいつ)」

 

生徒「お、相神!取れた?」

 

相神「あぁ、もう少し」

 

 

 

※相神はUFOキャッチャーをやっています。

 

 

生徒「早くしてくれなー!早く取らないとその金全部返してもらうからなー」

 

相神「はいよー!」

 

相神「てなわけで俺忙しいからまたね」

 

成明「(なんだこいつ!?今のどう見てもパシリ扱いだったろ!?

    なんでそんな俺人気者過ぎて忙しいからみたいな顔してくんの!?

    プラシーボ効果すげー!!)」

 

成明「ああ、じゃあな」

 

相神「つか・・・ぼっちなんだね」

 

成明「(わりいいいかあああああああああああよおおおおああああああああ!!!!)」

 

成明「(完全に俺を見下しやがったなこいつ・・・。

    誰がどう見てもそんな顔としゃべり方・・

    つか顔ウザすぎだろ!?なんでそんな顔すんの?!

    おめーも中学の時は俺と同じ部類の人間だっただろーがああああ)」

 

成明「まぁ・・・・そんな・・とこだな・・・。じゃあな」

 

相神「ふふ・・・」

 

成明「(待て待て俺の拳よ。今はその時ではなかろう・・。

    せめて震えるだけにしておきなさい。

    とはいえ、今のはマジで腹が立った・・・。

     こんなに沸点が低かったの久々だ。あの野郎・・・・)」

 

そんな怒りの鉄拳を震わせながら台に向かおうとした。

すると見覚えのある人物がいた。

 

 

 

十文字「ついてくんな!この変態!!!」

 

吉森「へぶあん!!」

 

 

成明「・・・・・・」

 

吉森が殴られているところを見て、

さっきまでの怒りはきれいさっぱり消え去った成明であった。

 




SCENE-10 BEHIND 相神主観での放課後③


生徒「じゃあ1000円渡しておくから、それ以内でフィギュア取ってくれよな!」

相神「おーけー」

生徒「じゃ、俺らDDDRやってくるから」

相神「はいよー」


相神「まぁ、ダメだったら自費で何とか取ろう」

相神「というか俺友達とゲーセン来てんのに
なんでひとりでUFOキャッチャーやってるんだろう・・」

相神「まぁ早く取って俺もみんなとあそぼ」

相神「・・・・」



成明「あ・・・・・」
相神「あ・・・・・」

成明「相神・・・・・」

伊集院「豊福・・・・・」

成明「久しぶりだな・・・いつ振りだろうな」

相神「去年安央の家に行ったとき以来・・・かな」

成明「そうだったな・・・・・」

相神「(あれ?ひとりなのか豊福・・・。寂しい奴だな。どうせまた格ゲーかな?)」

相神「(豊福とは特に話すこともないんだよな・・・
    つか話すのが面倒くさい、何言ってるかわかんねーし。
    だから高校でも話す相手がいないのかな?
    かわいそうに。いつになったら気づくんだろうな。まぁどうでもいいや)」
相神「(早く格ゲーやりにいってくれないかな・・。
    こっちはフィギュア取ってんだからさ)」


生徒「お、相神!取れた?」
相神「あぁ、もう少し」


生徒「早くしてくれなー!早く取らないとその金全部返してもらうからなー」

相神「はいよー!」

相神「てなわけで俺忙しいからまたね」

相神「(悪いな豊福。俺はお前と違って友達がいる。こんな充実した高校生活を
    送れないなんて君は実にかわいそうだ。ああ、友達って素晴らしい。
     君にも友達分けてあげたいくらい。
    あぁ、でも豊福って一匹オオカミタイプなのかな・・
     どうなんだろう。確認してみるか)」


成明「ああ、じゃあな」

相神「つか・・・ぼっちなんだね」

成明「まぁ・・・・そんな・・とこだな・・・。じゃあな」

相神「(はい、一匹狼でした。やっぱり君はそっちの方だったか。
   あぁ・・・それなら一生味わえないな・・・友達の良さってやつを・・・)」

相神「ふふ・・・」

相神「・・・・・あ、やべ。もう金ねぇ」

※ちなみに相神と成明には安央という共通の友人がいます。

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